腎内科



概 要


 腎臓病は自覚症状に乏しく、健康診断での尿検査異常などで発見されることが多くあります。そのまま放置してもよい腎臓病もありますが、なかにはゆっくり進行増悪して、最終的に透析療法を必要とすることもあります。また、最近では糖尿病、高血圧、動脈硬化に合併する慢性腎不全が増加していますので、これらの病気からくる腎臓病を早期に発見し治療を行なうことも大切です。

当科の役割:
1.腎臓病がどのようなタイプの病気であるか、将来どのような経過をとるかを診断し、最適な治療を行ないます。
2.腎臓病が最適な治療を行なっても進行増悪する可能性があれば、それを抑制する治療法を患者さまの十分な理解の下で行ないます。
3.残念ながら、治療を行なっても進行し、腎不全に至った場合は腎不全治療法(血液透析、腹膜透析、腎移植)を提示し、患者さまに最適の治療を実施します。
4.透析療法に伴う合併症を最小限に抑えます。

以上であると考えています。また、本院に託された使命として、腎臓病の原因の究明や新しい治療法の開発にも取り組んでいます。

 私たち腎内科の基本理念は「病める人々の利益となり、信頼される医療」です。

スタッフ紹介


 教 授: 湯澤由紀夫
 准教授: 長谷川みどり
 講 師: 富田  亮
 講 師: 村上 和隆
 講 師: 小出 滋久
 助 教: 林  宏樹
 助 教: 山本幸一郎
 助 教: 杉山 和寛
 助 教: 伊藤 和則
 助 教: 金山 恭子
 助 手: 小島 昌泰
 助 手: 大谷内樹那
 助 手: 岡本 直樹
 医 師: 多田 将士
 医 師: 林  麻子
 医 師: 荒瀬友紀子
 医 師: 新居 春菜
 医 師: 服部 恭子
 医 師: 近藤亜矢子
 教 授: 比企 能之(医療科学部)
 教 授: 中井  滋(医療科学部)

教授紹介

湯澤 由紀夫教授

専門・実績


 専門:腎臓内科領域における新規治療法の開発

1)IgA腎症*に対する扁桃腺摘出+ステロイド療法
IgA腎症は原発性糸球体腎疾患の50%を占め、20年の経過で約40%の患者さまが末期腎不全に至る予後不良な疾患です。わが国では年間約1万人の患者さまが原発性糸球体腎疾患が原因で新規に透析療法に導入されています。IgA腎症の寛解導入はこれまで困難とされてきましたが、我々の行なっている扁桃腺摘出+ステロイド療法で著明な予後改善効果が期待されます。

IgA腎症*
*:IgA腎症とは腎臓の糸球体と呼ばれる尿を作るところに、IgAという異常な蛋白が沈着し、生じる腎炎です。従来、慢性(糸球体)腎炎と呼ばれていた腎炎の大部分がIgA腎症であることが分かっています。初期には自覚症状がなく、健康診断で尿蛋白や尿潜血を指摘されたり、風邪の際、尿に血液が混ざったりして発見されます。

2)急速進行性糸球体腎炎に対する顆粒球吸着療法
急速進行性糸球体腎炎は短期間に高率に慢性腎不全に至る予後不良な疾患です。ステロイド療法や免疫抑制療法が行なわれていますが、治療の奏効率はよくなく、肺炎などの重篤な合併症を併発することもあります。我々は特殊アフェレーシス療法**である顆粒球吸着療法に注目し、良好な結果を得ています。

特殊アフェレーシス療法**
**:アフェレーシス療法とは血管から血液を体外の器械に取り出し、そこで病気の原因となっている物質や毒素だけを除去し、きれいに浄化された血液を体内に返す治療法です。難治性の膠原病や潰瘍性大腸炎、急速に腎機能が悪化する全身性多発血管炎(急速進行性腎炎)、閉塞性動脈硬化症や家族性高コレステロール血症における悪玉コレステロール除去などの治療に応用されています。1回に1〜3時間の治療ですが、治療回数は病気により異なります。

セールスポイント


 我々は進行性腎疾患に対する有効な新規治療法の開発に積極的に取り組んでいます。慢性腎臓病の院内チーム医療が確立し、病診連携を積極的に推進しています

主要疾患別入院患者数(平成22年度)

■入院患者のべ総数:358名(男220名/女138名)
疾患名   性別 患者数 平均年齢 平均
在院日数
糸球体性疾患  

66
32
34
48.38
52.16
44.82
34.73
40.16
29.62
急性胃炎  

1
1
0
54.00
54.00
-
13.00
13.00
-
IgA腎症  

18
10
8
36.44
38.60
33.75
8.44
7.80
9.25
紫斑病性腎炎  

2
1
1
59.50
62.00
57.00
23.00
12.00
34.00
ネフローゼ症候群 微小変化型

3
1
2
37.00
18.00
46.50
32.00
47.00
24.50
単状糸球体硬化症

1
0
1
62.00
-
62.00
5.00
-
5.00
膜性腎症

8
4
4
60.75
59.00
62.50
48.13
51.50
44.75
慢性増殖性糸
球体腎炎


1
1
0
35.00
35.00
-
29.00
29.00
-
原因不明

3
2
1
57.67
70.50
32.00
29.67
35.00
19.00
2次性糸球体疾患 アミロイドーシス
関連


1
0
1
46.00
-
46.00
38.00
-
38.00
ループス腎炎

12
3
9
35.83
44.00
33.11
58.08
99.67
44.22
血管炎

12
6
6
66.50
72.33
60.67
58.75
83.33
34.17
サルコイドーシス

1
1
0
62.00
62.00
-
4.00
4.00
-
その他  

7
5
2
57.57
54.40
65.50
27.71
21.40
43.50
急性腎不全  

11
9
2
73.27
72.67
76.00
25.82
16.78
66.50
横紋筋融解症  

1
1
0
63.00
63.00
-
7.00
7.00
-
コレステロール
血栓症
 

3
3
0
80.00
80.00
-
31.33
31.33
-
脱水  

6
5
1
71.50
70.20
78.00
28.67
10.00
122.00
その他  

1
0
1
74.00
-
74.00
11.00
-
11.00
慢性腎不全  

223
150
73
66.91
66.99
66.74
32.33
31.81
33.40
DM腎症    血液透析導入

38
30
8
62.03
63.83
55.25
39.68
42.03
30.87
CAPD導入

1
0
1
62.00
-
62.00
20.00
-
20.00
シャント作成

13
12
1
63.00
63.67
55
19.46
19.83
15
その他

36
23
13
66.94
65.39
69.69
21.69
19.00
26.46
DM腎症以外    血液透析導入

55
33
22
66.65
68.18
64.36
45.75
47.12
43.68
CAPD導入

12
6
6
64.92
60.83
69.00
20.33
26.33
14.33
シャント作成

14
10
4
67.64
67.00
69.25
13.57
12.00
17.50
その他

53
36
17
72.15
72.42
71.59
31.87
28.08
39.88
維持透析合併症  

23
12
11
66.13
72.83
58.82
32.04
18.25
47.09
シャント関連
合併症
シャント関連
合併症


9
5
4
73.67
75.40
71.50
43.00
13.60
79.75
CAPD合併症

4
1
3
52.50
66.00
48.00
10.50
15.00
9.00
その他

10
6
4
64.80
71.83
54.25
30.80
22.67
43.00
その他  

32
14
18
63.56
64.79
62.61
26.31
32.36
21.61
電解質異常  

5
1
4
67.00
56.00
69.75
11.20
7.00
12.25
間質性腎炎  

4
2
2
60.50
55.00
66.00
36.75
63.00
10.50
尿路感染症  

4
0
4
62.00
-
62.00
11.00
-
11.00
その他  

19
11
8
63.63
67.36
58.50
31.32
29.09
34.38
CAPD PET目的  

7
5
2
55.43
56.00
54.00
4.43
5.40
2.00


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