グローバルナビゲーションへ

本文へ

ローカルナビゲーションへ

フッターへ



TOP  > 医療の質・安全対策部  > 感染対策室  > 多剤耐性菌について  > 多剤耐性アシネトバクターに対する 医療関連感染対策の実施状況について

多剤耐性アシネトバクターに対する
医療関連感染対策の実施状況について

患者さま・ご面会の皆さまへ


第8報(平成24年8月20日)

平成24年8月20日
藤田保健衛生大学病院
病院長 星長清隆
感染対策室長 吉田俊治

当院における多剤耐性アシネトバクター(MDRA)につきましては、平成22年2月の1例目の把握以降、全病院的に感染対策を講じてまいりました。このたび保菌状態で入院を継続されておりました患者さまからも、3回連続してMDRAが陰性であったことを確認いたしました。これにより現時点でのMDRA患者は0名になりましたことをご報告いたします。当院では、引き続き日常的な感染防止対策を継続し、早期発見・早期対応に努めてまいります。

第7報(平成24年2月15日)

平成24年2月15日
藤田保健衛生大学病院
病院長 星長清隆
感染対策室長 吉田俊治

平成23年2月より多剤耐性アシネトバクター(MDRA)は、感染症法における5類定点報告の対象となりました。昨秋の厚生労働省発表によりますと、国内においてMDRAの検出は本院以外にも散発的に見受けられています。このような国内の状況もふまえ、藤田保健衛生大学病院では、全病院的に感染対策への取り組みを続けております。

1.経過概要

平成22年2月に1例目を検出して以降、本件に関する経過は遂次保健所に報告し、当該菌による感染症の発症の有無に関わらず、検出された患者さまやご家族に対しましても、説明をさせていただいております。なお平成23年度はこれまで2名の患者さまから検出し、この2年間で合計32名の患者さまからMDRAを検出いたしました。すでに19名の患者さまは退院ならびに転院されています。基礎疾患の悪化などで12名の患者さまが死亡されました。平成24年2月15日現在では、1名の入院患者さまの感染対策を継続しています。

2.本院での対応

  1. MDRAが検出された患者さまは速やかに個室に転室していただき、「接触感染予防策」を徹底して実施しています。
  2. MDRAが当院で初めて確認された平成22年2月以降、院内の検査体制をより厳しい検出基準に変更し、監視体制を強化しています。
  3. MDRAの早期発見・早期対応を徹底するため、リスクの高いと考えられる一部の入院患者さまに対し、入院時に喀痰(または咽頭)培養検査、尿培養検査を実施させていただいています。
  4. MDRA検出患者さまが入院されている病棟は、定期的に環境調査を実施しております。
  5. 随時、地域や行政との連携を図っております。

3.MDRAのあらたな伝播防止に向けて

MDRAは乾燥した環境下においても、5ヶ月程度は生存するとされています。また当院以外にも、依然国内での検出報告もあります。当院では、平成23年度になって検出された患者さまと、当初検出された患者さまのMDRAについて、遺伝子学的な相違についても検討致しました。その結果、それらは類似したパターンの細菌であることが判明しました。当院ではこのことを重く受け止め、徹底した環境の消毒及び清掃を行いました。その後は新たな患者さまの検出や院内環境からの検出は認めておりません。

4.まとめ

藤田保健衛生大学病院では、現在までに32名の入院患者様からMDRAを検出しました。当院ではMDRAを初めて検出して以降、感染対策室が中心となり、全病院を挙げて監視体制を強化し、感染拡大防止に取り組んでおります。またその経過は随時、所轄の保健所に報告して参りました。今後も感染対策に鋭意取り組んで参ります。

第6報(平成23年11月1日)

平成23年11月1日
藤田保健衛生大学病院
病院長 星長清隆
感染対策室長 吉田俊治

藤田保健衛生大学病院では、平成22年2月に多剤耐性アシネトバクター(MDRA)を検出して以来、全病院的に感染対策への取り組みを続け、現在は半年以上にわたり院内での伝播を認めておりません。しかしこのたび、院外からの持ち込みと思われる症例がありましたので、最新の状況についてご報告いたします。

1.経過概要

平成22年2月に1例目を検出して以降、本件に関する経過は遂次保健所に報告し、当該菌による感染症の発症の有無に関わらず、検出された患者さまやご家族に対しましても説明をさせていただいております。本院入院中にMDRAが検出された患者さまは、平成23年3月以降認めておりません。ただし平成23年9月には、入院時の検体より検出され、院外からの持ち込みと思われる患者さまがおられます。
本院では今までに合計31名の患者さまからMDRAを検出いたしました。すでに19名の患者さまは退院ならびに転院されています。基礎疾患の悪化などで10名の患者さまが死亡されました。本年11月1日現在では、2名のMDRAが検出されている入院患者さまの感染対策を継続しています。

2.本院での対応

  1. MDRAが検出された患者さまは速やかに個室に転室していただき、「接触感染予防策」 を徹底して実施しています。
  2. MDRAが本院で初めて確認された平成22年2月以降、院内の検査体制をより厳しい検出基準に変更し、監視体制を強化しています。
  3. MDRAの早期発見・早期対応を徹底するため、リスクの高いと考えられる一部の入院患者さまに対し、入院時に喀痰(または咽頭)培養検査、尿培養検査を実施させていただいています。
  4. MDRA検出患者さまが入院されている病棟は、定期的に環境調査を実施しております。
  5. 随時、地域や行政との連携を図っております。

第3者機関からの評価を受けて

本院からの依頼に対して、2度にわたり国立大学附属病院感染対策協議会の改善支援調査を受審いたしました。調査における指摘事項に対しては、できうる限りの改善を実施し、感染対策には一定の評価を頂きました。そして本年9月1日には調査員の先生より、全職員に対しまして本院のMDRA対策の総括をしていただき、継続的に感染対策が実施できるよう努めております。

4.まとめ

藤田保健衛生大学病院では、平成22年2月から現在まで、MDRAを31名の入院患者様から検出しました。本院ではMDRAを初めて検出して以降、感染対策室が中心となり、全病院を挙げて監視体制を強化し、感染拡大防止に取り組んでおります。またその経過は随時、所轄の保健所に報告して参りました。現在は院内での伝播は見られませんが、今後も感染対策に鋭意取り組んで参ります。

第5報(平成23年7月1日)

平成23年7月1日
藤田保健衛生大学病院
病院長 星長清隆
感染対策室長 吉田俊治

国内におきましては、2008年ごろから多剤耐性アシネトバクター(Multidrug- resistant Acinetobacter baumannii:MDRA)の集団発生が報告されるようになり、昨年9月には本院を含む複数の医療機関より大規模な集団発生事例が報道され、新たな関心事になりました。しかし従来、MDRAをはじめとした多剤耐性グラム陰性菌対策については、この分野のエビデンスの不足もあり、その感染対策および感染制御策が具体的に示されてきませんでした。そのようななか藤田保健衛生大学病院では、平成22年2月にMDRAを検出して以来、既知のエビデンスを参考にしながら、全病院的に感染対策への取り組みを続けてまいりました。ここにその経過についてご報告いたします。

1.経過概要

成22年2月に1例目を検出して以降、本件に関する経過は遂次保健所に報告し、当該菌による感染症の発症の有無に関わらず、検出された患者さまやご家族に対しまして説明をさせていただいております。あわせて職員や近隣の関連医療機関に対しても、随時情報提供を行っています。本院では本年3月17日以降新規検出は認めておりません。また今までに合計30名の患者さまからMDRAを検出いたしました。すでに18名の患者さまは退院ならびに転院されています。基礎疾患の悪化などで9名の患者さまが死亡されましたが、いずれもMDRAが直接死因とは考えておりません。
本年6月30日現在では、2名の入院患者さまの感染対策を継続しています。さらに1名の入院患者さまにつきましては、半年以上にわたりMDRAの陰性化を確認しております。

2.本院での対応

  1. MDRAが検出された患者さまは速やかに個室に転室していただき、「接触感染予防策」を徹底して実施しています。
  2. MDRAが本院で初めて確認された平成22年2月以降、院内の検査体制をより厳しい検出基準に変更し、監視体制を強化しています。
  3. MDRAの早期発見・早期対応を徹底するため、リスクの高いと考えられる一部の入院患者さまに対し、入院時に喀痰(または咽頭)培養検査、尿培養検査を実施させていただいています。
  4. MDRA検出患者さまがご入院されている病棟は、定期的に環境調査を実施しております。
  5. 随時、地域や行政との連携を図っております。

3.第3者機関からの評価を受けて

本院からの依頼に対して、平成22年6月22日に国立大学附属病院感染対策協議会より、4名の調査員が来訪され、実態調査、実施した感染防止対策の評価、感染対策の実施に関する改善勧告等をいただきました。その後の本院における改善状況を評価していただく目的で、平成23年2月2日に2名の調査員による再度の訪問調査を受けました。その結果、「継続的な感染対策が行われており、検出は散見されるものの院内の伝播は認められていない」という評価をいただきました。本年9月には全職員に対しまして、調査員の先生より本院のMDRA対策の総括をしていただく予定にしております。

4.まとめ

藤田保健衛生大学病院では、平成22年2月から現在まで、MDRAを30名の入院患者様から検出しました。本院ではMDRAを初めて検出して以降、感染対策室が中心となり、全病院を挙げて監視体制を強化し、感染拡大防止に取り組んでおります。またその経過は随時、所轄の保健所に報告して参りました。現在は院内での伝播は見られない状態が続いていますが、今後も感染対策に鋭意取り組んで参ります。

第4報(平成23年3月31日)

平成23年3月31日
藤田保健衛生大学病院
病院長 星長清隆
感染対策室長 吉田俊治

平成22年は、新たな耐性菌の出現が社会的問題となりました。多剤耐性アシネトバクターにおいても複数の医療機関より公表され、平成23年2月1日より感染症法における5類定点報告義務の感染症に指定されました。藤田保健衛生大学病院では、平成22年2月に多剤耐性アシネトバクター・バウマニ(Acinetobacter baumannii:MDRAB)を検出して以来、全病院的に感染対策への取り組みを続けてまいりました。ここにその後の経過についてご報告いたします。

1.経過概要

平成22年2月のMDRAB1例目の検出以降、本件に関する経過は遂次保健所に報告し、当該菌による感染症の発症の有無に関わらず、検出された患者さまやご家族に対しまして説明をさせていただいております。また職員や近隣の関連医療機関に対しても、随時情報提供を行っています。本院では今までに合計30名の患者さまからMDRABを検出いたしました。すでに18名の患者さまは退院ならびに転院されています。基礎疾患の悪化などで9名の患者さまが死亡されましたが、いずれもMDRABが直接死因とは考えていません。なお3月31日現在では、2名の入院患者様の感染対策を継続しています。ほかに1名の患者さまが既に陰性化を確認しておりますが、入院は継続されておられます。いずれも感染症としての治療が必要な状況ではありません。

2.本院での対応

  1. MDRABが検出された患者さまは速やかに個室に転室していただき、「接触感染予防策」を徹底して実施しています。
  2. MDRABが本院で初めて確認された平成22年2月以降、院内の検査体制をより厳しい検出基準に変更し、監視体制を強化しています。
  3. MDRABの早期発見・早期対応を徹底するため、リスクの高いと考えられる一部の入院患者さまに対し、入院時に喀痰培養検査を実施させていただいています。
  4. 随時、地域や行政との連携を図っております。
  5. 第3者機関による指摘をふまえ、感染防止対策の改善に向けた取り組みを続けています。

3.「国立大学附属病院感染対策協議会による改善支援」を受けて

平成22年6月22日に国立大学附属病院感染対策協議会より、4名の調査員をお招きしまして、実態調査、実施した感染防止対策の評価、感染対策の実施に関する改善勧告等をいただきました。その後の本院における改善状況を評価していただく目的で、平成23年2月2日に2名の調査員による再度の訪問調査を受けました。その結果、「継続的な感染対策が行われており、検出は散見されるものの院内の伝播は認められていない」という評価をいただきました。今後とも職員一丸となり、感染対策に取り組んでいく所存です。

4.まとめ

藤田保健衛生大学病院では、平成22年2月から現在まで、MDRABを30名の入院患者様から検出しました。本院ではMDRABを初めて検出して以降、感染対策室が中心となり、全病院を挙げて監視体制を強化し、感染拡大防止に取り組んでおります。またその経過は随時、所轄の保健所に報告して参りました。現在は院内での伝播は見られない状態が続いています。しかしながら本院では、今後も感染対策に鋭意取り組んで参ります。

第3報(平成22年11月16日)

平成22年11月16日
藤田保健衛生大学病院
病院長 星長清隆
感染対策室長 吉田俊治

多剤耐性細菌による院内感染は、今年に入ってから複数の医療機関より公表されるようになり、病院の感染対策があらためて問われています。藤田保健衛生大学病院におきましても、本年2月以降、多剤耐性アシネトバクター・バウマニ(Acinetobacter baumannii:MDRAB)を検出し、6月にはその状況について本ホームページ上で公表させていただきました。現在本院では、MDARBが集団検出される状況ではありません。しかし引き続き事態の収束に向け、全病院的に感染対策への取り組みを続けていますので、その後の経過についてご報告いたします。

1.経過概要

2月のMDRAB1例目の検出以降、本件に関する経過は遂次保健所に報告し、当該菌による感染症の発症の有無に関わらず、検出された患者さまやご家族に対しまして説明をさせていただいております。また職員や近隣の関連医療機関に対しても、随時情報提供を行っています。本院では今までに合計28名の患者さまからMDRABを検出いたしました。なかには入院中に、その検出が見られなくなった患者さまもおられ、16名の患者さまが感染対策を解除、もしくは退院や転院をされています。基礎疾患の悪化などで8名の患者さまが死亡されましたが、いずれもMDRABが直接死因とは考えていません。なお11月16日現在では4名の入院患者様から検出を確認しておりますが、感染症としての治療が必要な状況ではありません。

2.感染経路

当該菌の検出患者さまの入院履歴から、院内ではNCUからICUへの伝播が生じたものと推測されます。また1-4B病棟(脳神経外科)では、病棟内で伝播した可能性が否定できません。2-9病棟(腎内科)における1例目や3-13病棟については、院外より持ち込まれた可能性が否定できません。したがいまして、本院ではMDRABの早期発見・早期対応を徹底するため、リスクの高いと考えられる入院患者さまに対し、入院時に喀痰と尿の培養検査を実施させていただいています。

3.本院での対応

  1. MDRABが検出された患者さまは速やかに個室に転室していただき、「接触感染予防策」を徹底して実施しています。
  2. MDRABが本院で初めて確認された2月以降、院内の検査体制をより厳しい検出基準に変更し、監視体制を強化しています。
  3. MDRAB検出状況の詳細な把握と、感染経路の究明・感染拡大防止に努めています。
  4. 随時、地域や行政との連携を図っております。
  5. 第3者機関による指摘をふまえ、感染防止対策の改善に向けた取り組みを続けています。

4.「国立大学附属病院感染対策協議会による改善支援」を受けて

6月22日に国立大学附属病院感染対策協議会より、4名の調査員をお招きしまして、実態調査、実施した感染防止対策の評価、感染対策の実施に関する改善勧告等をいただきました。
本院における組織的な対応、接触感染予防策や環境整備など発生源対策、入院時スクリーニングによる保菌者の早期発見・早期対応、地域への情報発信などにつき、一定の評価を頂きました。一方、病棟で使用した医療器材の洗浄方法、水回りの清潔・不潔区域や物品の配置、手指衛生(手洗いや手指消毒)の利便性などについては改善を求められ、可能な限りの対応をしております。

5.まとめ

藤田保健衛生大学病院では、本年2月から現在まで、MDRABを28名の入院患者様から検出しました。そのうち死亡された患者さまは、入院経過中にその検出を認めなくなった患者さまも含めて8名おられます。しかしMDRAB感染が重症化し、これが死亡の直接原因となられた患者さまはおられません。本院ではMDRABを初めて検出して以降、感染対策室が中心となり、全病院を挙げて監視体制を強化し、感染拡大防止に取り組んでおります。またその経過は随時、所轄の保健所に報告して参りました。今後も事態の収束に向け、鋭意取り組んで参ります。

第2報(平成22年9月1日)

平成22年9月1日
藤田保健衛生大学病院
病院長 星長清隆
感染対策室長 吉田俊治

昨今、新聞などで多剤耐性菌(複数の抗菌薬が効きにくい細菌)に関する報道がされることが多くなりました。藤田保健衛生大学病院におきましても、多剤耐性アシネトバクター・バウマニ(Acinetobacter baumannii)を検出しました。これまでのところ、幸いにも本菌の感染により死亡された患者さまはおられません。また現在は、継続的に多剤耐性アシネトバクター検出患者が確認される状況にはありません。しかし本院では引き続き事態の収束に向け、医療安全部(感染対策室)を中心に取り組みを続けており、その後の状況につきましてここにご報告致します。

1.経過概要

平成22年2月から現在までの間に、本院救命救急センター(Neuro care unit:NCU)を中心に、24名の患者さまから多剤耐性アシネトバクター・バウマニが検出されました。本院が最初に当該菌の検出を確認しましたのは、平成22年2月10日でしたが、その後5例の患者さまに当該菌の検出を確認しましたので、週明けの2月15日に病院長の指示で緊急会議を開き、翌朝に所轄の瀬戸保健所に対し報告を致しました。
本院では多剤耐性アシネトバクター・バウマニの検出確認後は、院内での対策会議を数回行い、関係部署に対して感染防止対策の確認と接触感染予防策の強化、さらに新規入院の停止や入室先の制限などの感染対策を実施致しました。
当初はNCU、ICU、1-4B 病棟(脳神経外科)を中心として検出され、2月末より一時期新規検出が止まったかに思われましたが、3月下旬より散発的に、また新たに2-9 病棟(腎内科)でも検出が確認されました。そこで2月と6月には公的機関に遺伝子検査を依頼し、複数の部署で検出された当該菌が、すべて同一菌株に由来するという結果を得ました。
アシネトバクター自体は、環境中に広く存在する菌である事から、当該菌が検出された関連部署だけでなく、全病棟にわたる環境調査を実施しました。その結果、当該菌が検出された患者さまの室内と、当該菌の検出が確認された一部の病棟の汚物室の床などから、多剤耐性アシネトバクター・バウマニが検出されました。通常、床や壁などの環境表面は、感染の原因とはなりにくいとされていますが、本院では当該菌検出が確認された場所の消毒を行い、環境培養で当該菌が陰性であることを確認できるまで、その場所の使用を禁止しています。 
また院内における感染経路の推定や感染対策の評価を目的とし、6月22日に「国立大学附属病院感染対策協議会による改善支援」を受けました。ただ今その調査で指摘されました事項について、改善へ向けた取り組みをはじめております。
本件に関する経過は遂次、保健所に報告し、当該菌による感染症の発症の有無に関わらず、検出された患者さまやご家族に対して説明をさせていただいております。また職員や近隣の関連医療機関に対しても、随時情報提供を行っています。なお9月1日現在では1名の入院患者様から検出を確認しております。

2.感染経路

本院で初めて多剤耐性アシネトバクター・バウマニの検出を確認した時点で、複数の患者さまから検出が確認されていること、なかには近隣の関連病院での検出が確認されて本院に入院された例もあることなどから、現時点で詳細な感染経路は不明です。
しかし、当該菌の検出患者さまの入院履歴から、院内ではNCUからICUへの伝播が生じたものと推測されます。また1-4B病棟(脳神経外科)では、病棟内で伝播した可能性が否定できません。2-9病棟(腎内科)における1例目については、市中より持ち込まれた可能性が否定できません。

3.本院での対応

  1. 多剤耐性アシネトバクターが検出された患者さまは速やかに個室に転室していただき、「接触感染予防策」を徹底して実施しています。
  2. 多剤耐性アシネトバクターが本院で初めて確認された2月以降、院内の検査態勢をより厳しい検出基準に変更し、監視体制を強化しています。
  3. 多剤耐性アシネトバクター検出状況の詳細な把握と、感染経路の究明・感染拡大防止に努めています。
  4. 随時、地域や行政との連携を図っております。
  5. 第3者機関による調査を受け、感染防止対策の改善に向けた取り組みを続けています。

4.「国立大学附属病院感染対策協議会による改善支援」を受けて

6月22日に国立大学附属病院感染対策協議会より、4名の調査員をお招きしまして、実態調査、実施した感染防止対策の評価、感染対策の実施に関する改善勧告等をいただきました。
指摘事項としましては、本院における組織的な対応、接触感染予防策や環境整備など発生源対策、入院時のスクリーニングによる保菌者の早期発見・早期対応、地域への情報発信などにつき、一定の評価を頂きました。一方、病棟で使用した医療器材の洗浄方法、水回りの清潔・不潔区域や物品の配置、手指衛生(手洗いや手指消毒)の利便性などについては、改善を求められました。それらの事項に関しましては、現在病院をあげて改善のための取り組みを行っているところです。

5.まとめ

藤田保健衛生大学病院では、本年2月から現在まで、多剤耐性アシネトバクター・バウマニを24名の入院患者様から検出しました。該当菌を初めて検出して以降、感染対策室が中心となり、全病院を挙げて監視体制を強化して感染拡大防止に取り組んでおります。またその経過は随時、所轄の保健所に報告して参りました。なお、現時点で多剤耐性アシネトバクター・バウマニの感染が重症化し、これが死亡原因となられた患者さまはおられません。今後も事態の収束に向け、鋭意取り組んで参ります。

第1報(平成22年6月11日)

平成22年6月11日
藤田保健衛生大学病院
病院長 星長清隆
感染対策室長 吉田俊治

昨今、新聞などで多剤耐性菌(複数の抗菌薬が効きにくい細菌)に関する報道がされることが多くなりました。藤田保健衛生大学病院におきましても、日ごろより医療安全部(感染対策室)を中心に多剤耐性菌の院内拡大防止に向けて、様々な対策を講じて参りましたが、本院でも多剤耐性アシネトバクター・バウマニ(Acinetobacter baumannii)を検出しました。これまでのところ、幸いにも本菌の感染により死亡された患者さまはおられませんが、複数の入院患者さまの検体より多剤耐性アシネトバクター・バウマニが分離されたことを重く受け止め、ここにご報告致します。

1.経過概要

平成22年2月から約4ヵ月の間に、本院救命救急センター(Neuro care unit:NCU)を中心に、20名の患者さまから多剤耐性アシネトバクター・バウマニが検出されました。本院が最初に当該菌の検出を確認しましたのは、平成22年2月10日でしたが、その後5例の患者さまに当該菌の検出を確認しましたので、週明けの2月15日に病院長の指示で緊急会議を開き、翌朝に所轄の瀬戸保健所に対し報告を致しました。
本院では多剤耐性アシネトバクター・バウマニの検出確認後は、院内での対策会議を数回行い、関係部署に対して感染防止対策の確認と接触感染予防策の強化、さらに新規入院の停止や入室先の制限などの感染対策を実施致しました。2月末には公的機関に、計19菌株の遺伝子検査を依頼し、すべて同一菌株に由来するものという結果を得ています。
アシネトバクター自体は、環境中に広く存在する菌である事から、当該菌が検出された関連部署だけでなく、全病棟にわたる環境調査を実施しました。その結果、当該菌が検出された患者さまの室内と、当該菌の検出が確認された一部の病棟の汚物室の床などから、多剤耐性アシネトバクター・バウマニが検出されました。通常、床や壁などの環境表面は、感染の原因とはなりにくいとされていますが、本院では当該菌検出が確認された場所の消毒を行い、職員の手指衛生に対しても対応を強化しています。
本件に関する経過は遂次、保健所に報告し、当該菌による感染症の発症の有無に関わらず、検出された患者さまやご家族に対して説明をさせていただいております。また職員や近隣の関連医療機関に対しても、随時情報提供を行っています。なお、新規の当該菌検出患者さまの最終確認は6月11日であり、この時点で当該菌を保菌されている入院患者さまは5名ですが、幸いにも治療を必要とする重症感染症の患者さまはおられません。

2.感染経路

本院で初めて多剤耐性アシネトバクター・バウマニの検出を確認した時点で、複数の患者さまから検出が確認されていること、なかには近隣の関連病院での検出が確認されて本院に入院された例もあることなどから、現時点で詳細な感染経路は不明です。
しかし、当該菌の検出患者さまの入院履歴から、院内ではNCUからICUへの伝播が生じたものと推測されます。また1-4B病棟(脳神経外科)では、病棟内で伝播した可能性が否定できません。

3.本院での対応

  1. 多剤耐性アシネトバクターが検出された患者さまは速やかに個室に転室していただき、「接触感染予防策」を徹底して実施しています。
  2. 多剤耐性アシネトバクターが本院で初めて確認された2月以降、院内の検査態勢をより厳しい検出基準に変更し、監視体制を強化しています。
  3. 多剤耐性アシネトバクター検出状況の詳細な把握と、感染経路の究明・感染拡大防止に努めています。
  4. 随時、地域や行政との連携を図っております。

4.アシネトバクター・バウマニについて

1.多剤耐性アシネトバクター・バウマニ
本院で分離された多剤耐性アシネトバクター・バウマニは、「カルバペネム」「アミノグリコシド」「フルオロキノロン」というグループの抗菌薬に、耐性を獲得したものです。従って多くの抗菌薬が無効と考えられますが、全ての抗菌薬が無効なのではなく、先般報道にありました「超耐性型」とは異なるものと考えられます。
2.アシネトバクター・バウマニ
土壌や水系など自然界に広く存在する細菌であり、通常皮膚などに付着しても病気を起こすことはありません。しかし、糖尿病や重症疾患などで免疫力の低下した場合には、肺炎や敗血症を発症し、死に至ることもあります。本来は弱毒菌ですが、極めて高い薬剤耐性を持ち、海外においては重大な院内感染の原因菌として注意喚起がなされています。なお、本菌の感染症は、わが国の感染症法の報告対象には含まれておりません。

5.まとめ

藤田保健衛生大学病院では、本年2月からの約4ヶ月間に、多剤耐性アシネトバクター・バウマニを20名の入院患者様から検出しました。該当菌の確認後には、感染対策室が中心となって、全病院を挙げて監視体制を強化して感染拡大予防策に取り組んでおり、その経過は随時、所轄の保健所に報告して参りました。
なお、現時点で多剤耐性アシネトバクター・バウマニの感染が重症化し、これが死亡原因となられた患者さまはおられません。