NDM-1産生型Klebsiella pneumoniae (肺炎桿菌)検出についてのご報告

患者さま・ご面会の皆さまへ

第2報(平成25年4月24日)

平成25年4月24日
藤田保健衛生大学病院
病院長 星長清隆
 
当院では、2011年の秋にニューデリーメタロβ-ラクタマーゼⅠ(NDM-1)産生型Klebsiella pneumoniae(肺炎桿菌)を検出し、当該患者さまには厳重な感染対策のもと、ご入院を継続していただいておりました。このたび複数回のNDM-1産生菌の陰性を確認し、本菌の陰性化が図れたものと判断いたしました。また対策期間全般を通し、院内にて新たにNDM-1産生菌が疑われる患者さまは、1名もいらっしゃらなかったことをあわせてご報告申し上げます。

第1報(平成23年11月14日)

平成23年11月14日
藤田保健衛生大学病院
病院長 星長清隆
 
10月末に、インドで脳神経外科手術を受けられた日本人の男性患者様が、継続治療のために帰国され、当院へ入院されました。当該患者様は、インドにて多剤耐性菌を含む複数の細菌検出歴があり、抗菌薬の投与を受けていました。当院に入院後、喀痰や尿、血液などの培養検査を行いましたところ、入院時の喀痰と、その後の血液からカルバペネム系抗菌薬等の抗菌薬に耐性をもつ肺炎桿菌が検出されました。当院ではこの事例について、管轄の保健所に報告すると共に、国立感染症研究所での詳細な遺伝子検査を依頼しました。その結果、この細菌はインドやパキスタンなどの医療施設で治療を受けられた経歴のある患者様に多く確認されている、ニューデリーメタロβ-ラクタマーゼⅠ(NDM-1)産生型肺炎桿菌であることが分かりました。
肺炎桿菌は、NDM-1を産生するタイプであっても、健康な人に付着しているだけでは感染症を発症させることはありません。しかしながらこの細菌の耐性遺伝子は、細菌の種類を超えて伝播するという特徴を持っており、院内感染対策上注意が必要です。当院では、当該患者様には個室管理を行い、標準予防策・接触感染予防策を徹底し、感染防止対策を強化して実施しています。現時点では他の患者様や職員への感染の徴候は全く無く、患者様の容体も回復傾向にありますことをあわせてご報告申し上げます。