多剤耐性緑膿菌検出についてのご報告

第3報(平成24年10月13日)

平成24年10月13日
藤田保健衛生大学病院
病院長 星長清隆
 
このたび多剤耐性緑膿菌(multi-drug resistant Pseudomonas aeruginosa:MDRP)を、入院患者さま3名より検出したことにつきまして、その後の報告をさせていただきます。1名は既に退院されております。当初確認された2名の患者さまにつきましては、その後の検査にて陰性化傾向にあるため、現在は検査を繰り返し、慎重に確認している状況です。また、院内での水平伝播を防止するため、MDRPが検出された病棟につきましては、関係職員の保菌調査ならびに2度の環境調査を実施いたしました。その結果、職員にMDRPは検出されず、また感染源となりうる環境の汚染はありませんでした。この調査結果をふまえ、今回のMDRP検出に伴う厳重な感染対策は、10月11日をもって解除いたしました。入院中の患者さまやお見舞いに来られた皆さまのご協力、どうもありがとうございました。なおMDRPをはじめ多剤耐性菌につきましては、他人から感染する場合と、患者さまの治療経過において徐々に体内で耐性化が進む場合とがあります。これらを防止するため、引き続き当院では、抗菌薬の適正使用ならびに手指衛生をはじめとした日常的な感染防止対策に努めてまいります。

第2報(平成24年10月3日)

平成24年10月3日
藤田保健衛生大学病院
病院長 星長清隆
 
当院におきましては、このたびあらたに1名の多剤耐性緑膿菌(multi-drug resistant Pseudomonas aeruginosa:MDRP)検出患者さまが確認され、今年度の当院におけるMDRP検出入院患者は、合計3名になりました。3人目の患者さまはすでにご退院され、その入院経過から、患者さまの体内で緑膿菌の耐性化が徐々に進んでいったことが確認され、院内感染ではないと判断しています。また現在いずれの患者さまも、重篤な感染症は併発しておりません。
MDRPは多剤耐性菌としては、以前からよく知られているものの1つです。厚生労働省院内感染対策サーベイランスでは、年間約2000人程度の報告があり、またサーベイランス参加医療施設の約60%から報告されています。しかし当院では2008年以降、年間0~1名のMDRPが検出されている程度でした。
当院では、比較的短期間の間に3人の患者さまを確認することは非常に稀であるため、この事態を重要視し、厳重な感染対策を講じています。入院中の患者さまやお見舞いに来られたご家族の皆さまには、大変ご迷惑をお掛けしておりますが、院内感染防止ためご協力いただきますようお願い申し上げます。

第1報(平成24年9月25日)

入院患者さま2名から多剤耐性緑膿菌が検出されました

平成24年9月25日
藤田保健衛生大学病院
病院長 星長清隆
 
本年9月初旬に関西の某大学病院で院内感染をおこし、女性患者1名を死に至らしめた多剤耐性緑膿菌(multi-drug resistant Pseudomonas aeruginosa:MDRP)が注目されていますが、これと類似した菌が当院でも9月中旬より1週間以内に2名の入院患者さまから検出されました。当院でMDRPが検出されることは非常にまれですが、私どもは事態を重く受け止めています。MDRPは、抗菌薬のほとんどが無効とされています。当院の2名の患者さまの検体からはMDRP以外に複数の細菌が検出されており、MDRPが感染の原因菌となっているかは不明ですが、1例目の患者さまの感染症は治癒、2例目の患者さまも抗菌化学療法で状態は安定し回復に向かっています。当院では2例目が確認された日に病院長に報告し、すみやかに幹部会議を開き、またICT(感染対策チーム)の緊急会議でも徹底した感染対策を講じ、当該病棟への入院制限や予定手術の延期、接触予防策の強化と環境消毒、医療スタッフの保菌調査などを行っています。入院中の患者さまやお見舞いに来られたご家族の皆さまには大変ご迷惑をお掛けしておりますが、院内感染防止ためご協力いただきますようお願い申し上げます。
本件に関する情報は、随時このHPにて公開していきます。