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救急科

救急科では軽傷から重傷までのあらゆる四肢骨盤外傷の急性期治療を行っており、救急総合内科(主に内科系救急)、災害外傷外科(体幹部外傷や熱傷、中毒)と合同で救命救急センターの運営に当たっています。当センターは年間約8600台の救急車と20000人超のウオークイン患者の診療を担っており、救急車の応需率は99%を超えます。当院に於ける入院患者の25%は当センター経由です。

四肢骨盤外傷は救急搬送される外傷患者の大半を占め、とくに多発外傷に於ける四肢骨盤外傷は、その局所の治療だけでなく、他部位の外傷との兼ね合いから、総合的な治療戦略を立てなければなりません。それには全身管理だけの問題だけではなく、患者さんの機能予後も考え治療をしていかなければなりません。

また重度な四肢骨盤外傷に対しては、手術室に行ってからでないと創外固定を行えない施設が多いですが、私の赴任後は、手術室にすら移動できないような重症患者には、救命のために、今まで当院では行われていなかった「救急外来での創外固定」を実施しています。例えば不安定骨盤骨折では患者さんの蘇生の際に、血管造影室を準備するまでのわずかな時間で骨盤に創外固定をたててしまいます。四肢多発外傷では、創外固定を素速く救急外来でたててしまうことで、患者さんの除痛にも軟部組織の保護にも役立ちます。「必要な治療・手術は今やる。待たない、待たせない」がモットーです。

さらに、2052年には65歳以上の高齢者の割合が、日本の人口の36%になると予想されており、高齢者の外傷に対する迅速な治療・手術が今後の日本の大きな課題となります。たとえば大腿骨近位部骨折(頚部骨折や転子部骨折)の患者数は2002年に年間11万人が2016年に20万人に倍増し、2030年には30万人になると予想されています。一方で、高齢者は一日の臥床につき筋力が4.2%減じると言われており、厚生労働省の調査によると、1週間の臥床で筋力が20%低下、2週間では36%低下、4週間では実に筋力が88%低下すると報告されています。一方で、その筋力の回復には1週間の安静臥床で 1ヵ月、2週間の安静臥床で2ヵ月、4週間の安静臥床で実に6ヵ月ものリハビリが必要となります。さらには長期臥床により肺炎や尿路感染症などの感染症、褥瘡などが発生し、ずっと手術ができないという負のスパイラルに陥りかねません。骨折局所をみれば、手術まで多少日数があったとしても骨癒合に問題無いかもしれませんが、患者さんの機能予後を考えると緊急で手術を行うべきであります。事実、欧州では24時間以内、米国では48時間以内に手術を行うことが原則となっているなか、当院は過去3年で平均9.4日の手術待機期間となっておりました(DPC調査データより)。高齢者の骨折に関しては今後、救命救急センター、救命ICU、災害外傷センターのスタッフさらには、他科、他部署のスタッフと連携して患者さんの術前評価を行い、迅速な診療・手術を提供していく所存です。

今後は、当科の方針に共感する救急医、整形外傷医、外傷外科医、あるいは整形外傷を学びたい若手医師、研修医で集い、更なるパワーアップを図り、外傷患者により良い医療を提供していきたいと考えています。


救命救急センタースタッフ紹介:
http://www.fujita-hu.ac.jp/HOSPITAL1/section/emergency/staff-introduction/index.html


このページの目次


スタッフ紹介

教授田島 康介

教授紹介

必要な治療・手術は今やる。待たない、待たせない。

田島 康介 教授

Kosuke Tajima

専門・実績

●専門:骨折、外傷、救急医学、整形外科学
●資格など:日本救急医学会専門医、日本整形外科学会専門医、AO Trauma Japan評議員
●所属学会:日本救急医学会、日本整形外科学会、日本外傷学会、日本骨折治療学会、日本手外科学会、日本東洋医学会など
●受賞歴:
2009年 第13回 “整形・災害外科優秀論文賞” 「当院における大腿骨近位部骨折手術患者の短期予後-整形外科・麻酔科・手術室の連携による早期手術の体制-」 【整形・災害外科51:839-846,2008】
2009年 第60回 日本東洋医学会 “優秀ポスター賞” 「上腕骨外側上顆炎に対する桂枝茯苓丸の治療効果 〜局所の病態に関する一考察〜」
2015年 8th Asian Conference for Emergency Medicine (アジア救急医学会) “Outstanding paper award" : Double traction method- An easy and safe reduction method for anterior shoulder dislocations, even for non-orthopaedic surgeons.
2016年 3rd AOTrauma Asia Pacific Scientific Congress “Young Investigator Award" : A heart-shaped sleeve will simplify the insertion of intramedullary tibial nail in a suprapatellar approach.

セールスポイント

・手術が必要な外傷患者に迅速な術前評価を行い、無駄な待機期間をなくし、早期手術を提供できるよう努めます。
・職種の垣根なく、周囲のスタッフと仲良く仕事をしています。また寝起き、寝付きがよいので、夜間の対応もばっちりです。