NST(栄養サポートチーム)

NSTの概要

七栗記念病院NST(栄養サポートチーム)のご紹介

栄養サポートチーム(NST:Nutritional Supporting Team)とは

栄養サポートチーム(NST)とは、1970年代にアメリカで始まった栄養療法のチームです。当初は、手術前後などで口からものを食べられない方に行う、高カロリーの点滴治療(中心静脈栄養法)の開発、普及が発端となって、中心静脈栄養法の管理・濫用防止・合併症予防を目的に誕生しました。

その後当院の東口らが1998年に日本独自の“持ち寄りパーティー方式”(PPM:Potluck Party Method)を用いた全科型NSTを考案し、さらに2001年に日本静脈経腸栄養学会(JSPEN)のNSTプロジェクトが発足され、日本独自のNSTが広まることとなりました。
現在では、日本病院機能評価機構の病院機能評価項目Ver.5にNSTなどの栄養管理を行うチーム医療が要件として盛り込まれたことや、診療報酬上も2006年から栄養管理実施加算、2010年からは栄養サポートチーム加算が新設されており、NST活動は完全に医学・医療の一旦を担うものとして認知されています。

NSTの活動内容と効果

NSTの目的は、以下の通りです。

  1. 栄養状態を評価し、早期に栄養療法を開始する
  2. 適切な栄養管理が行われているかどうかチェックする
  3. 個々の患者さんに最適の栄養療法を提供する
  4. 栄養療法に伴う合併症を予防・早期発見・治療する
  5. スタッフからのコンサルテーションに対応し、常に新しい情報を提供する
  6. 栄養管理に関わる資材・素材を統一し、一括管理する
  7. 勉強会などを通じて、適切な栄養管理を院外にも広げる

NSTの活動を以下に示します。

NST活動のフローチャート

NSTの活動によって

  1. 早期に栄養障害を発見でき、病状の悪化や、合併症などを予防することが出来ます。、栄養管理による合併症、二次的感染症などを予防することができます。
  2. 質の高い栄養管理を行うことで治療効果が向上し、褥瘡や摂食・嚥下障害の予防、呼吸障害の改善などが得られ、高齢の患者さんでも早期退院が可能となります。
  3. 退院に向けての栄養指導などが充実し、再入院を予防することが出来ます。

当院のNSTについて

当院は一般病棟、回復期リハビリ病棟、緩和ケア病棟、療養病棟がありますが、全ての病棟で、栄養状態が不良である患者さんに少しでも早く回復していただけるような体制をとっています。具体的には、入院時に栄養管理実施計画書を全患者さんについて作成し、栄養状態が不良であると判定された患者さんについて、各病棟のサテライトチームが回診を行い、全体回診の際に報告・主治医に提案を行っています。

組織図

栄養サポートチームには、医師・看護師・管理栄養士・薬剤師・臨床検査技師・理学療法士・作業療法士・言語聴覚士・歯科医師・事務担当など、多職種が参加しており、週一回のミーティング、カンファランスなどを行っています。

スケジュール
  • NSTミーティング 毎週火曜日 13:30-
  • NST回診     毎週火曜日 14:30-
  • 学習会      月2回 第2・第4木曜日 17:30-
回診の様子

 

入院患者さんへ

栄養状態が不良であると思われる患者さんには、NSTが積極的に介入し、栄養療法についての提言を行ないます。

  1. NST回診時の診察、栄養評価
  2. 主治医へ栄養療法についての提言
  3. 管理栄養士による栄養嗜好調査、食事形態・補助栄養食品などの提案
  4. 病棟薬剤師による服薬指導、点滴内容についての説明
  5. 臨床検査技師による栄養評価(間接熱量計による必要エネルギーの測定、「InBody」を用いた身体組成測定等)

栄養療法の内容については、「栄養管理実施計画書・栄養管理実施報告書」を作成し、患者さん・ご家族さんにご提示しています。内容についてお尋ねの際は、どうぞ入院病棟のナースステーションなどにお尋ねください。