お世話になった方々へ感謝を込めて

icon 元リハビリテーション部 副主任 長谷川 昌士 icon 

nakanishi

 藤田保健衛生大学七栗サナトリウムが創立25周年を迎えられましたことを心からお祝い申し上げます。
私は七栗サナトリウムに平成7年に入職しました。当時は本館3階のナースステーションの隣に作業療法室があり、作業療法士は3人体制で診療をおこなっていました。右も左もわからない新人ではありましたが、主任の坂本先生はとても丁寧に指導して下さいました。また、プライベートでもたいへんお世話になり、PTの石倉先生と3人でよく週末に出かけたことは、楽しい思い出となっています。
 入職当時、同期の永井先生といろいろ考えて、研究活動を始めたり佛教大学の通信課程に入学したりしました。臨床業務に従事しながら大学のレポートを作成したり、定期試験に挑むことはとてもたいへんで、途中何度も挫折しそうになりましたが何とか卒業することができました。あれからも大学院に進学し、作業療法士として向上心を忘れずに精進しています。
七栗サナトリウムでは多くの脊髄損傷や脳卒中の患者さまを担当させていただきました。脊髄損傷の患者さまには、食事や更衣動作自立に向けて自助具を作ったり、何度も動作練習をおこなっていました。訓練も最終段階になってくると、自動車への移乗練習に挑んだりして、社会復帰に向けて患者さまと一緒に頑張っていました。また、脳卒中の患者さまには、自宅復帰する前に住宅改修に伺わせていただく機会が多くありました。当時のリハ科長の梶原先生の指示の下、NICKの本母さんと一緒にご自宅に訪問させていただき、手すりや福祉機器の設置を検討していました。さまざまな家屋環境があり、現状に対してベストなものを提供するために本母さんとよく議論していました。一人ひとりの患者さまとの関わりは自分自身が作業療法士として成長する財産となりました。
緩和ケア病棟にも携わらせていただける機会があり、作業療法として患者さまにタイルモザイクやちぎり絵などの手工芸を提供していました。非常に熱中され、楽しんでいただける患者さまも多く、できるだけよいひとときとなるように工夫していました。また、緩和ケア病棟でnakanishiの作業療法について、日本死の臨床研究会に報告させていただく機会をいただきました。渡辺先生や緩和ケア病棟の看護師の皆様に指導していただいたおかげで、無事に報告を終えることができました。
 七栗サナトリウムの変革の中で、才藤先生から回復期病棟立ち上げに関するお話しをいただきました。その先進的な構想にたいへん感銘を受け、当時はリハスタッフみんなが希望に満ちあふれていました。 FIT programという今までにないリハシステムの実現に向けて、永井先生やリハスタッフと一緒に夜遅くまで検討していたことをよく思い出します。それが、今や日本のリハのスタンダードとなっていることは非常に喜ばしく、少しでも携われたことに感謝いたします。また、FIT programを始動していくにあたり、まだまだであった作業療法に対して園田先生は熱心に指導して下さいました。病棟看護師との連携や情報共有など、FIT programで作業療法士が担う役割について導いていただき、感謝の気持ちでいっぱいです。
新病棟では回復期リハと同時にデイケアセンターも立ち上がり、リハ担当として初年度から携わらせていただきました。デイケアセンター長の浅井先生や看護師の小澤さん、勝田さんは熱心に利用者さまのお話しに耳を傾け、細かな体調の異変にもよく気づかれていました。そのスタッフの中でリハではゴム紐を使った体操などを提供させていただきました。体操中の利用者さまの笑顔が今でもよく思い出します。
 今の自分があるのは七栗サナトリウムでご指導いただいた方々や患者さまのおかげであり、深く感謝しております。これからも作業療法士として患者さまのために頑張っていきますので引き続き、ご指導ご鞭撻のほどよろしくお願い致します。
最後に、七栗サナトリウムのますますのご発展と、職員の皆様のご健勝を心よりお祈り申し上げます。

 

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