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平成20年度

第1回 腫瘍学基盤先端セミナー

題目染色体異常疾患と発癌のメカニズム
演者弘前大学大学院医学研究科 小児科学講座 教授
伊藤悦朗 先生
日時平成20年6月13日(金)
17:30~19:00
場所生涯教育研修センター1号館9階901
世話人大学院 医学研究科 分子病理学 松浦 晃洋

ご講演要旨

染色体異常には数的異常と構造異常があります。多くの白血病の発症には染色体の構造異常(転座によるがん遺伝子の活性化や遺伝子再編成によるキメラ遺伝子形成)が関与していることが知られています。
伊藤先生は、染色体の数的異常であるダウン症に白血病が発症しやすいことに着目し、ダウン症白血病の発症機構について優れた研究を展開しています。赤血球造血のマスタースイッチである転写因子GATA-1の完全な遺伝子構造を世界で初めて明らかにし(Nature 1993)、さらにGATA-1がダウン症の小児に発症する白血病の原因遺伝子であることを明らかにしています(Blood 2003)。これまでの研究から、ダウン症の白血病は出生前にGATA-1遺伝子異常が起こってTAMという前白血病を新生児期に発症し、さらに未知の遺伝子変異が生じて生後4年以内に本当の白血病が発症することを明らかにしてきました(Blood 2003, 2004)。ダウン症の白血病に起こっている多段階の遺伝子異常を明らかにすることで、他の小児白血病の発症の仕組みを完全に理解し、小児白血病の発症そのものを予防できるものと期待しています。
また、伊藤先生は極めて優れた小児科医として小児白血病研究会(JACLS)に所属し白血病、悪性リンパ腫などの造血器腫瘍の治療にあたっています。従来の治療法では治癒が困難であった難治性血液疾患、難治性小児悪性腫瘍の患児に対して、積極的に造血幹細胞移植を行い、1986年に第1例目の同種骨髄移植を行って以来、現在までに139例の造血幹細胞移植を行い、最近では、臍帯血移植、HLA不一致血縁者間骨髄移植など、より高度な移植を行っています。東北地方における小児科医療の現状についても興味深いお話しが伺えるものと期待しています。

多くの教職員、学生さんの参加を歓迎いたします。

世話人・連絡先 大学院 医学研究科 分子病理学 松浦晃洋(2441)

第2回 腫瘍学基盤先端セミナー

題目「悪性リンパ腫の分子病態とその臨床的意義」
演者愛知県がんセンター研究所 遺伝子医療研究部部長
名古屋大学医学部連携大学院細胞工学講座 客員教授
瀬戸 加大 先生
日時平成20年7月1日(火)
17:30 ~ 19:00
場所生涯教育研修センター1号館9階901
世話人内科学 血液内科 岡本 昌隆

ご講演要旨

悪性リンパ腫のうち、特にB細胞性リンパ腫には各病型に特徴的な染色体転座が存在し、腫瘍化に重要な役割を担っている。染色体転座による腫瘍化機構について解説する。染色体転座は腫瘍化に重要であることは事実であるが、染色体転座単独では腫瘍化しないことも明らかとなっており、転座以外のゲノム異常の役割の重要性が認知されつつある。
近年確立されたアレイCGH法はゲノム異常を全ゲノム領域について網羅的に検索することができる。この方法を用いて、種々のリンパ腫を解析したところ、特定の病型には特定の領域のゲノムコピー数の異常が見出されることが明らかとなった。すなわち、病型や病体の形成にゲノムコピー数異常が何らかの役割を果たしていることを示唆する。13q31増幅領域から我々が見出した責任遺伝子C13orf25には、遺伝子発現を制御するMicroRNAクラスター(MicroRNA17 cluster)があり、がんにMicroRNAが関与することが証明された初めての報告となった。In vivoおよびIn vitroの機能的な検索で、MicroRNA 17 clusterはMYCがん遺伝子と協調的に働き、腫瘍の悪性度に関与することが示唆された。また、ゲノムコピー数異常は病型特異的に認められるが、個々の症例での異常様式は多様である。そのゲノム異常の多様性についても考察し、臨床的意義について述べたい。

多くの教職員、学生さんの参加を歓迎いたします。

世話人・連絡先 内科学 血液内科 岡本 昌隆

第3回 腫瘍学基盤先端セミナー

題目がん外科の最先端治療
「消化器がん内視鏡外科の現況と基礎研究」
演者大分大学 第一外科教授
北野 正剛 先生
日時平成20年 9月10日(水)
17:30 ~ 19:00
場所生涯教育研修センター1号館9階901講義室
世話人胆膵外科学 宮川 秀一

ご講演要旨

1990年に我が国に導入された内視鏡外科は技術の進歩により急速に普及し、今や多くの消化器がんの治療に応用されている。最近の調査では昨年1年間で胃がん4,700例、大腸がん9,000例に腹腔鏡下手術が選択されている。
本講演では胃がん・大腸がんの腹腔鏡手術の現況と、基礎研究としての内視鏡外科腫瘍学について紹介する。

多くの教職員、学生さんの参加を歓迎いたします。

世話人・連絡先 胆膵外科学 宮川 秀一

第4回 腫瘍学基盤先端セミナー

題目「 10万人の患者の命 」
演者社団法人 東京慈恵会 総合医学研究センター
医療教育研究部 客員教授
住吉 蝶子 先生
日時平成20年10月 9日(木)
17:30 ~ 19:00(質疑応答含む)
場所生涯教育研修センター1号館9階901
世話人外科・緩和医療学 東口 髙志

ご講演要旨

みなさんこんにちは!外科・緩和医療学の東口です。上記のように住吉蝶子先生をお迎えして、第4回の腫瘍学基盤先端セミナーが開催されます。住吉先生は、一年の大半を米国で過ごされており、なかなかお会いしたりご講演を聴かせていただいたりする機会がありません。そのような中、皆さんに是非とも蝶子先生の「10万人の患者の命」を聴いていただきたく、無理をお願いいたしました。そこで、私の方から推薦の言葉を書かせていただこうと思います。

住吉蝶子先生は、28年間プロビデンス病院(Providence Hospital)を拠点に看護師としてアメリカでご活躍されておられ、早くから医療安全や医療の合理化などのシステム改善に携わり、医療の原点である患者さんに対する真の思い・慈愛・・・すなわち医療従事者の心構えを形としてお示しになられた我が国ではもちろん、米国でも稀有で貴重な存在で、医療の宝とも言うべき方です。特にまだ我が国ではがん治療の医療としての方向性が定まっていない1980年に、既に"がん看護専門看護師"を(もちろん米国においてです)取得され、がん看護の先鞭をつけられました。

蝶子先生とって医療・看護の基盤はあくまで臨床であり、"生きたケアであり生きた看護"です。先生は今、現場で働く日本の若手医師(私のように若くない者に対しても・・・かってにそう捕っていますが)や看護師に勇気を与えその能力を高めることを何よりの楽しみとされております。

是非ともこの機会に、住吉蝶子先生の米国での医療改革の経験とそれから生まれた新しい医療教育ツールなどを直に聴き、明日の臨床や医療マネージメントにお役立てください。

多くの教職員、学生さんの参加を歓迎いたします。

世話人・連絡先 外科・緩和医療学 東口 髙志(9013)

第5回 腫瘍学基盤先端セミナー

題目「 肝幹細胞からみた肝発癌と肝再生機構 」
演者社会保険 下関厚生病院 病院長
(前山口大学病院長)
沖田 極 先生
日時平成20年12月19日(金)
17:30 ~ 19:00(質疑応答含む)
場所生涯教育研修センター1号館9階901
世話人大学院 医学研究科 分子病理学 松浦 晃洋

ご講演要旨

沖田 極(おきたきわむ)先生は、現在、下関厚生病院病院長として臨床実践にご活躍中です。元来、肝発がんの二段階説で名高いカナダToronto大学(元米国Temple大学)のEmmanuel Farber教授のもとで実験発がんの基礎研究に励まれました。帰国後は臨床研究に邁進され、山口大学内科学教授・病院長を歴任され、日本内科学会・消化器病学会・肝臓学会の理事・理事長として活発な社会活動を行って来ました。「NHK今日の健康」などのテレビ番組でも肝臓病の名医として出演し、わかりやすい語り口で好評でした。本学の医師育成目標である「リサーチマインドを持った臨床医」を具現化している先生です。12月19日(金)午後の医学部2年生の特別講義「肝がんと肝再生」に来学されます。

この機会に、肝発癌と幹細胞、肝臓の再生医療について広範な基礎的検討・臨床研究の一端を伺いたく大学院セミナーを企画しました。専門でない方にも分かり易くお話しいただけるようお願いしています。腫瘍や肝臓を専門としない方にも大いに刺激になると思います。スタッフ・ 大学院生・学部学生の方もふるってご参加ください。

多くの教職員、学生さんの参加を歓迎いたします。

世話人・連絡先 大学院 医学研究科 分子病理学 松浦 晃洋(2441)