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平成23年度

第1回 腫瘍学基盤先端セミナー

題目「 HLAの不思議:HLAはプロメテウスかエピメテウスか 」
演者特定非営利活動法人 HLA研究所 所長
佐治 博夫 先生
日時平成23年7月14日(木)
17:30 ~ 19:00(質疑応答含む)
場所生涯教育研修センター1号館9階901
座長大学院 医学研究科 血液内科学 恵美 宣彦

ご講演要旨

白血球抗原(白血球の血液型)として発見されたHLAは、マウスH-2との相同性から移植抗原と見なされるようになったが、いまでは免疫学における「Big 3遺伝子」(Ig、TCR、MHC)のひとつに数えられている。
 
つまり、組織適合性抗原としての役目はほんの一面に過ぎず、免疫システムにおいて、免疫グロブリン(Ig)とT細胞リセプター(TCR)に並んで重要な分子とされる。免疫の多様性は、IgとTCR とMHCの多様性によって規定されている。非常に多様な外界に対して自己を維持するには、非常に多様な対応を迫られる。ウイルスや細菌や原虫や寄生虫などパラサイトはどんどん進化(変異)する。その進化に対応し、パラサイトに対抗して自己の生存を維持するのに「免疫の多様性」は必須の条件であったといえる。
 
この限定的な多様性は、胸腺におけるネガティブ・セレクションを限定することになり、過剰な多様性の獲得による過剰なネガティブ・セレクションを防ぎ、生体の適度なディフェンス機能を維持することに役立ったと考えられる。

本講演では、HLAの本態をギリシャ神話になぞらえて解説する。

HLAに関する質問にも答えてくださるそうなので、是非質問を用意して聞きに来てください。

多くの教職員、学生さんの参加を歓迎いたします。

世話人・連絡先 分子病理学 松浦 晃洋(2441)

第2回 腫瘍学基盤先端セミナー

題目「 ATLLの発見、病因ウイルス、自然史の解明:
         疫学、病態と病型、診断と治療、感染・発症予防の研究の光と陰 」
演者国立病院機構名古屋医療センター名誉院長
元国立がんセンター東病院長
特定非営利活動法人 がん臨床研究機構 理事長
下山 正徳 先生
日時平成23年 9月 9日(金)
17:30 ~ 19:00(質疑応答含む)
場所生涯教育研修センター1号館9階901
座長大学院 医学研究科 血液内科学 岡本 昌隆

ご講演要旨

成人T細胞白血病リンパ腫(Adult T-cell Leykemia/Lymphoma, ATLL)はヒトT細胞リンパ腫ウイルスⅠ型(Human Tcell Lymphoma Virus-typeⅠ)感染で発症する特異な末梢性T細胞(CD4陽性Tリンパ球)の腫瘍です。我が国、特に九州・西南諸島地域に発症頻度が高く(他にカリブ海地域など)、HTLV-1感染後約50年の潜伏期間を経てキャリアの約5%が発症します。従来急性型(白血病型)、リンパ腫型の予後は極めて不良とされてきましたが、最近我が国で高い治療効果が期待される抗体薬が開発され、一般臨床への導入が始まろうとしています。

講師の下山正徳先生はATLLの疾患概念が確立する以前から国立がんセンター中央病院(現国立がん研究センター)で本疾患の研究に携わられ、臨床病型の下山分類をはじめ、臨床病態の解明、治療法の開発まで、長く我が国のATLL臨床研究の第一人者であるとともに国際的にも指導的立場を努められています。

「ATLLの研究はATLV/HTLV-1の発見と感染ルートの解明、感染予防です。小生が病因ウイルスの発見に基礎研究者を呼び込むことに成功したことにより、日本のレトロウイルス学が国際的に評価されるようになりました。また、感染ルート解明の契機は臨床医の家族調査と輸血調査の結果からであり、疫学調査と綿密な輸血の追跡調査により間違いないことが確認されました。感染予防は輸血感染については成功しましたが、母児感染予防は科学的にも行政的にも失敗し、そのため現在HTLV-1感染予防の総合対策が厚生労働省で始まっていることはご存じの通りです。何れも、科学的研究の進歩を一般に還元するときに、倫理的な問題を如何に調整するかが大きな問題となりました。輸血感染予防では成功しましたが、母児感染予防では予防対策を打ち切ったことにより失敗となりました。この様な問題にも触れたいと思います。

蛇足ですが、臨床研究成果を一般に還元するまでが臨床研究のつとめですが、日本の臨床研究の基盤整備は制度的に遅れており、思うようになりません。また、基礎研究の評価が高いため、疫学研究者も科学的な成果に満足し、感染者の立場で考えなかったことが母児感染予防の判断間違えに繋がったと思われます。ATLLの研究は日本で大きな成果を上げた割に、こうした問題への理解が遅れていると思います。この点は現役の先生方に頑張ってほしいと思いますが、今回の講演で、成果だけではなく問題点をくみ取っていただければ幸甚です。」

ATLLの臨床研究を介し、我が国の臨床研究基盤と厚生行政に関する問題点などについても講義をお聞きできる貴重な機会であり、是非多くの皆様にご参加いただければ幸いです。

多くの教職員、学生さんの参加を歓迎いたします。

世話人・連絡先 分子病理学 松浦 晃洋(2441)

第3回 腫瘍学基盤先端セミナー

題目「 膵癌治療の現状と将来に向けた課題           
          -手術手技とペプチドワクチン療法について- 」
演者公立大学法人 和歌山県立医科大学 
外科学第二講座 教授
山上 裕機 先生
日時平成23年10月13日(木)
17:30 ~ 19:00(質疑応答含む)
場所生涯教育研修センター1号館9階901
座長大学院 医学研究科 胆・膵外科学 宮川 秀一

ご講演要旨

膵癌は難治性悪性腫瘍の代表である。膵臓の切除術は安全になってきたとはいえ、未だに合併症も多く手術により死亡する危険性もある。手術の問題点を科学的に解決し、より安全で身体にやさしい手術方法を開発するため、積極的に臨床試験を推進している。また、基礎医学と臨床医学のTranslational researchとして、新規癌関連抗原遺伝子由来エピトープペプチドを用いた腫瘍特異的ワクチン療法を開発した。

今回の講演では、膵臓外科のRCTを含む臨床試験とペプチドワクチン療法について述べる。

多くの教職員、学生さんの参加を歓迎いたします。

世話人・連絡先 分子病理学 松浦 晃洋(2441)

第4回 腫瘍学基盤先端セミナー

題目「 肺癌治療戦略のパラダイムシフト
            - 分子標的薬とその患者選択 」
演者愛知県がんセンター中央病院 
遺伝子病理診断部長/臨床検査部長
谷田部 恭 先生
日時平成23年12月16日(金)
17:30 ~ 19:00(質疑応答含む)
場所生涯教育研修センター1号館9階901
座長大学院 医学研究科 分子病理学 松浦 晃洋

ご講演要旨

近年の分子標的薬の発達により、肺癌治療戦略が大きく変わりつつある。EGFR遺伝子変異陽性例では、EGFRチロシンキナーゼ阻害剤がfirst lineとして扱われるが、KRAS変異があるとその効果はほとんどない。また、近年では若年者でも変異が認められるALK変異に対するALK阻害剤も高い効果を示すことが報じられている。これらの薬剤の登場により、効果的な治療戦略を立てる上で、これら遺伝子変異を同定することが重要な意味を持つようになっている。

今回はその治療戦略の変遷とその同定についてご紹介していただけることになっています。

多くの教職員、学生さんの参加を歓迎いたします。

世話人・連絡先 分子病理学 松浦 晃洋(2441)

第5回 腫瘍学基盤先端セミナー

題目「 消化器癌化学療法における栄養管理 」
演者山中温泉医療センター センター長
大村 健二 先生
日時平成24年 2月16日(木)
17:30 ~ 19:00(質疑応答含む)
場所生涯教育研修センター1号館9階901
座長大学院 医学研究科 外科・緩和医療学 東口 髙志

ご講演要旨

我が国の医療現場では、欧米と異なり、長きにわたって栄養管理が軽視されてきた。体重の減少が、QOLの低下と有意に相関することは、欧米では広く認識されている。消化管毒性が高頻度にみられる化学療法を安全かつ安楽に施行するために、適切な栄養管理が必要であることに疑いの余地はない。

本講演では、この領域の我が国における第一人者である大村先生に、最近のトピックスを含めてお話しいただきます。

多くの教職員、学生さんの参加を歓迎いたします。

世話人・連絡先 分子病理学 松浦 晃洋(2441)