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平成25年度

第1回 腫瘍学基盤先端セミナー

題目「 輸血医療の現状と血液センターの役割 」
演者濱口 元洋 先生
愛知県赤十字血液センター 所長
日時平成25年7月30日(火)
17:30 ~ 19:00(質疑応答含む)
場所生涯教育研修センター1号館9階901講義室
座長大学院 医学研究科 血液内科学 恵美 宣彦

ご講演要旨

電子カルテの導入(輸血オーダーがし易くなった)や血液センターから血液製剤が迅速に供給され、医師の多くが輸血適応を比較的安易に決定している状況である。しかし、輸血の基本は、(1)輸血は一種の臓器移植であり、血液製剤は薬剤ではない、(2)資源に限りがあるので、適正に輸血しなくてはいけない、(3)院内採血はできる限りするべきでない、(4)Type & Screen (T&S), MSBOS (maximum surgical blood order schedule;最大手術時血液準備量)の導入などである。 
同種血輸血は HBs抗原、HBc・HCV抗体、HIV・HTLV-1抗体などの検査が実施され、より安全なものとなってきているが、なお現在も残る問題点として、抗体の産生・免疫能の低下・輸血後GVHD・未知のウイルス感染などがある。したがって、同種血輸血が安全になったからといって安易に行ってよいものではなく、"臓器移植は他の方法ではどうしても代用できない場合を除いては行わない"という基本姿勢を守る必要がある。

血液事業は2012年度より広域事業化となり、ブロック血液センターの元、愛知県赤十字血液センターは献血者を集め、医療機関への血液製剤の供給を行っている。

今後少子高齢化が進み、献血者の確保が難しくなり、現在のように血液製剤が十分供給できる状況でなくなる可能性も高く、医療者の血液製剤の適正使用がより厳密に行われることを期待したい。

多くの教職員、学生さんの参加を歓迎いたします。

世話人・連絡先 分子病理学 松浦 晃洋(2441)

第2回 腫瘍学基盤先端セミナー

題目「 高齢者のがん治療の特性について -悪性リンパ腫治療を中心に- 」
演者島根大学医学部 腫瘍・血液内科 教授
島根大学医学部附属病院腫瘍センター
センター長 鈴宮 淳司 先生
日時平成25年9月20日(金)
17時30分 ~ 19時00分(質疑応答含む)
場所生涯教育研修センター1号館9階901講義室
座長大学院 医学研究科 血液内科学 岡本 昌隆

ご講演要旨

 わが国では2007年に高齢者(65歳以上)の人口比率が21.5%となり、急速に高齢社会へ移行しています。がんの発症は細胞の遺伝子変異の蓄積と免疫力の低下に依存しますが、高齢者では遺伝子変異が蓄積されやすく、抗腫瘍免疫力も低下するので、がんが発症しやすくなります。実際、わが国の1996年から2000年までの5年間では、がん患者の63%、がん死亡の71%は65歳以上でした。

 がんの治療は日々進歩していますが、高齢者では個人差が大きく定型治療は困難であり、複数の併存症、治療への理解力や自己判断能力の低下(認知症)、自主性の欠如、経済的問題や家族への遠慮、環境適応能力低下によるせん妄など、様々な潜在的問題があります。

 演者の鈴宮淳司先生は、臨床腫瘍専門医、血液専門医であるとともに病理専門医の資格も有するわが国のがん治療のオピニオン リーダーの一人で、2009年に現職にご就任以来、高齢者の総合的機能評価に基づいたがん治療の実践に取り組まれています。今回は高齢者がん治療の特性についてお話をお聞きする機会としました。

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鈴宮先生からのメッセージ

 がん患者さんの半数以上は高齢者です。そのため高齢者のがんを理解し、治療戦略を立てることは大変重要です。高齢者のがんを理解するためには、がんの生物学的特性と患者さんの特性に分けて考えることが必要です。

 高齢者の特徴は“多様”ということです。臓器機能の低下、併存疾患など若年者ではみられない様々な状況が生じます。高齢者の総合的機能評価を実施し、患者さんを評価したうえで治療方針を立てることが必須となります。総合的評価と全人的な管理がより一層求められます。医師個人だけでなく病院機能の総合力が必要になります。

 悪性リンパ腫は多くの病型があり、その病態や治療方法は極めて“多様”です。悪性リンパ腫を例にとりながら高齢者のがん治療についてみなさんと一緒に考えたいと思います。

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 高齢者のがん治療は各診療科で切実な問題であり、また臨床関係者のみならず、多くの方が興味をお持ちの内容かと思います。
 本講演は大学院のセミナーと位置づけていますが、大学院生のみならず教職員、また、各学部学生、地域の医療関係者にも一般開放されていますので、この機会に高齢者のがん治療の問題を皆さんと一緒に考えたいと思います。

多くの教職員、学生さんの参加を歓迎いたします。

世話人・連絡先 分子病理学 松浦 晃洋(2441)

第3回 腫瘍学基盤先端セミナー

題目「 iPS細胞からヒト臓器を作る -如何にして器官発生を模倣するのか?- 」
演者横浜市立大学大学院 医学研究科
臓器再生医学
教授 谷口 英樹 先生
日時平成25年10月17日(木)
17時30分 ~ 19時00分(質疑応答含む)
場所生涯教育研修センター1号館9階901講義室
座長大学院 医学研究科 肝・脾外科学 杉岡  篤

ご講演要旨

 谷口英樹先生は最近、世界で初めてiPS細胞から血管構築を有するヒト肝臓を作成することに成功し、その成果がNatureに掲載され、注目を集めている研究者です。

 近年、高い増殖能・多分化能・自己複製能を兼ね備えた様々な幹細胞(stem cell)の分離・培養に関する細胞操作技術が高度化され、ヒトiPS/ES細胞の医療あるいは産業利用へ向けた取り組みが急速に進展しつつあります。

 谷口先生は、ヒトiPS細胞を用いて、肝発生の初期ステップとして重要な位置を占めているヒト肝芽(liver bud)の三次元的構成系を開発することにより、ヒト血管ネットワークを有する機能的なヒト肝臓組織を人為的に創出することを可能としました(Nature. 2013 Jul 3. doi: 10.1038/nature12271)。

 本講演では、21世紀ライフイノベーションのキーテクノロジーとされているヒトiPS細胞の操作法に関する基盤技術、特にiPS細胞を用いたヒト臓器の製造工程の実用化に関する新たな成果と難治性肝疾患に対する再生医療開発の方向性について講演していただきます。

多くの教職員、学生さんの参加を歓迎いたします。

世話人・連絡先 分子病理学 松浦 晃洋(2441)

第4回 腫瘍学基盤先端セミナー

題目「 がん薬物療法の薬物動態と薬理遺伝学 」
演者神戸大学大学院 医学研究科
腫瘍・血液内科学分野
教授 南 博信 先生
日時平成25年12月18日(水)
17時30分 ~ 19時00分(質疑応答含む)
場所生涯教育研修センター1号館9階901講義室
座長大学院 医学研究科 臨床腫瘍科 河田 健司

ご講演要旨

 治療域が狭いがん薬物療法を実施するにあたり、薬物動態・薬力学の個体差は重篤な毒性や効果の減弱の原因となる。薬物動態・薬力学の個体差の原因を解明し、科学的に治療を個別化すべきである。薬物動態の変動要因として他の薬物や嗜好物との相互作用などの外的要因のほかに遺伝的多型などの内的要因がある。遺伝子型により用量を個別化するなど、変動要因を考慮した治療設計の個別化が重要である。

多くの教職員、学生さんの参加を歓迎いたします。

世話人・連絡先 分子病理学 松浦 晃洋(2441)

第5回 腫瘍学基盤先端セミナー

題目「 市中病院における先端的病理診断への取り組み 」
演者名古屋第一赤十字病院
副院長・病理部長 伊藤 雅文 先生
日時平成26年1月17日(金)
17時10分 ~ 18時40分(質疑応答含む)
場所生涯教育研修センター1号館9階901講義室
座長大学院 医学研究科 分子病理学 松浦 晃洋

ご講演要旨

 肉眼および組織診断で積み上げられた病理診断の知の蓄積は、タンパク、分子のレベルで解析することで、さらに詳細な情報を提供できるようになった。単なる診断レベルではなく、選択的治療に決定的な情報となる場合が多い。
 すなわち個別化医療(オーダーメード医療)は、先端的病理診断なくしては成立しない。
 がん拠点病院である当院が取り組んでいる先端的病理診断について紹介する。

多くの教職員、学生さんの参加を歓迎いたします。

世話人・連絡先 分子病理学 松浦 晃洋(2441)

第6回 腫瘍学基盤先端セミナー

題目「 上部消化管癌における栄養の持つ意義 」
演者公益財団法人 がん研究会 有明病院
専門診療部門 消化器センター 上部消化管
担当副部長 比企 直樹 先生
日時平成26年1月29日(水)
17時30分 ~ 19時00分(質疑応答含む)
場所生涯教育研修センター1号館9階901講義室
座長大学院 医学研究科 外科・緩和医療学 東口 髙志

ご講演要旨

 がんにおける栄養管理の重要性はますます高まり、患者のQOLや、外科手術の短期予後、そして長期予後を左右する可能性があるとまで言われている。
 がん研有明病院では中央化NSTを立ち上げ、PCプログラムの効率的使用により、全体の栄養状態の底上げを図ってきた。近年、テーラーメード栄養治療をめざし、栄養士を病棟配置として、病棟NSTの構築を行っている。これらの取り組みを紹介したい。
 また、がん専門病院における栄養管理を上部消化管をモデルに行った臨床研究を中心に行っているので、これを概説する。

多くの教職員、学生さんの参加を歓迎いたします。

世話人・連絡先 分子病理学 松浦 晃洋(2441)