第51回医学セミナー(特別講演)
             (終了)
題目:「待っていてもよい薬はでてこない
    :新たな創薬パラダイムの必要性」

演者:東海大学医学部内科学
    助教授  宮田 敏男 先生

日時:平成14年7月3日(水)
    午後4時30分〜5時30分

場所:医学部1号館3階324号室

座長:杉山 敏 先生


宮田先生は1986年名古屋大学を卒業、1990年大学院を終了後、
大阪大学微生物病研究所助手、名大分院内科講師、東海大学
総合医学研究所講師を経て、現在、東海大学医学部内科学助教授
として、主に腎臓疾患領域において世界をリードする研究で活躍中
の若手研究者です。
腎臓領域においては、透析医療に莫大な医療費が投入されている
にもかかわらず、腎疾患治療に対する新薬開発は遅れている。
これはm腎臓弛緩領域において、創薬の標的分子の情報が
得られておらず、創薬のための研究基盤が不十分であることが
原因している。
宮田先生らはメサンギウム細胞に発現する特異遺伝子や病態の
形成に重要な機能遺伝子の単離同定をおこない(JCI,109:
585−593,2002)、メサンギウム増殖性腎炎の病態解明と共に
腎炎治療に向けた創薬の基盤研究を行っている。
また、慢性腎不全や糖尿病腎症において、高血糖(高脂血症)、
酸化ストレス、レドックス異常に伴い形成される反応性カルボニル
化合物が、蛋白を修飾しadvanced glication end products(AGEs)
/advanced lipoxidation end products(ALEs)等の形成を経て
病態に関与する仮設(カルボニルストレス仮設、Kidney Int.Suppl.
78:S25−31,2001)を提唱し、カルボニルの形成に必要な
ラジカルを効率よく消去する新規化合物の開発を手掛けている。
宮田先生の提唱する新たな創薬パラダイムは腎臓疾患に限らず、
広い分野での画期的、独創的新薬の開発に参考となるものと
思われる。
世話人 小児科学教室 浅野 喜造 内線(2367)
微生物学教室 辻   孝雄 内線(2432)