第78回医学セミナー(第16回特別講演)
題目:「新規に同定された抗核抗体”抗DFS70抗体”の
     自己免疫応答が意味するものは?」

演者:名古屋大学大学院医学系研究科
    皮膚結合組織病態学
     助教授 室 慶直 先生

日時:平成16年10月27日(水)
    午後4時30分〜5時30分

場所:医学部1号館3階317号室

座長:吉田 俊治 先生
世話人 小児科学教室 浅野 喜造 内線(2367)
微生物学教室 辻   孝雄 内線(2432)
 自己抗体と膠原病をはじめとする自己免疫疾患との密接な
つながりは、多くの研究から確立され、実際の臨床でも診断や
治療に幅広く応用されている。セントロメアやPCNAに対する
自己抗体の意義や対応抗原の研究で、室慶直先生は多くの業績を
上げてこられました。
 室慶直先生は、本学客員教授でもあられる岡崎恒子先生の
名古屋大学理学部での研究室で昭和60年代、セントロメアの
機能構造と自己免疫について研究されました。
 その後、米国の自己抗体で最も中心的な研究施設である
スクリプス研究所でPCNAやその他の自己抗原の研究をされ、多くの
業績を上げられ、現在、名古屋大学皮膚科学教室助教授として活躍
されています。
 ところが、最近、従来と異なる意義を持つ自己抗体を発見され
研究されてきています。それは抗DFS70抗体とよばれ、本抗体は
日本人アトピー性皮膚炎患者の3割に陽性となります。その後の
病院職員600人の検体を用いた研究により、一割の人に同抗体が
検出されるという驚くべき事実が判明しました。
 興味深いことに同抗体はいわゆる全身性自己免疫疾患には殆ど
検出されません。
 DFS70抗原は、別名LEDGFと呼ばれcell survival factorとして、
またいくつかの基本転写因子のco-factorとして、さらに最近では
HIV integraseの相互作用因子としての機能が同定されるといった
実に様々な役割を果たす核内蛋白です。
 このようにむしろ自己免疫疾患を否定するのに有用とも思われる
自己抗体について、どのような意味を持っているのかを考える縁に
なると思われます。多くの方々の参加をお願いします。
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