第88回医学セミナー(第18回特別講演)
題目:「癌抑制遺伝子の機能」

演者:東京大学分子細胞生物学研究所
    分子情報研究分野
     教授 秋山 徹 先生

日時:平成17年7月13日(水)
    午後4時30分〜5時30分

場所:医学部1号館3階317号室

座長:千田 隆夫 先生
世話人 小児科学教室 浅野 喜造 内線(2367)
微生物学教室 辻   孝雄 内線(2432)
秋山教授は、癌抑制遺伝子APCおよびWntシグナル系の機能解明と、
それを応用した癌の分子標的治療法の開発に取り組んでおられます。
Wntシグナル伝達経路は初期胚の体軸形成をはじめ、形態形成に
多様な役割を果たしています。
成体でも。細胞が正常に増殖・分化するためにはWntシグナル系が
重要で、その活性を制御できなくなりWnt系が恒常的に活性化されると、
細胞は癌化します。
例えば、Wntシグナルを抑制する癌抑制遺伝子APCは大部分の
大腸癌で変異しており、Wntシグナル伝達因子β-cateninの変異は
大腸癌、皮膚癌、子宮内膜癌、肝癌などで認められます。
今回の講演では、秋山教授らが最近同定したWntシグナル伝達経路の
新たな制御因子ICAT、B9LおよびAPCと結合して活性化される
GEF分子Asefについて紹介していただくとともに、
蛋白質−蛋白質相互作用に基づく創薬への応用についても
述べていただきます。
秋山教授の講演は、最先端の研究を分かりやすく説明されることで
定評があります。癌研究の専門家のみならず、これから癌の
分子生物学を勉強したいと思っている初心者の皆さんにおすすめです。