第99回医学セミナー(第24回特別講演)

 

  題目:「健康と開発
             −国際保健医療学とはなにか」


  演者:
名古屋大学大学院医学系研究科
     健康社会医学専攻
         社会生命科学講座教授
      青山 温子 先生


 日時: 平成18年5月24日(水)
      午後4時30分〜5時30分

 場所: 医学部一号館3F、317号室

 座長: 小野雄一郎 先生

 

 世界の富の8割以上が豊かな先進国に集中しているのに、世界人口の8割以上は貧しい開発途上国で暮らしています。開発途上国の人々には、世界の病気負担の9割以上が重くのしかかり、先進国では「解決済み」の病気でたくさんの人々が命を落としています。人類に共通であるはずの健康で幸福に生きたいという望みは、その人がどこで生まれたかによって絶たれてしまうのです。そのうえ、多くの開発途上国では地域紛争が頻繁に起こっていて、紛争、低開発、貧困、不健康の悪循環が繰り返されています。また、鳥インフルエンザはじめ、新たな病気の脅威にもさらされています。先進国・途上国を問わず、人々の健康は、社会や経済状況の変化により、直接・間接に大きな影響を受けています。また、同じ健康問題でも、その社会の状態により、結果として起こることは、非常に異なっています。貧困は人々の健康を脅かしますが、同じ経済水準の国でも、保健医療政策やシステムの動かし方により、結果に差が生じます。また、女性が社会的に弱い立場におかれている国々では、リプロダクティブ・ヘルスをはじめ、女性の健康にさまざまな問題が生じています。
 この講演では、開発過程における健康問題とその要因について概説し、国際保健医療学が取り組んでいる課題について、ご一緒に考えたいと思います。

 

世話人: 小児科学教室 浅野喜造(2367)

     微生物学教室 辻 孝雄(2432)