第110回 医学セミナー
題目: 「水代謝異常の病態解析と治療に関する最近の展開」  
演者: 名古屋大学大学院医学系研究科・代謝 病態内科学教授
大磯ユタカ 先生
日時: 平成19年5月9日(水)
午後5時15分〜6時45分
場所: 医学部一号館3F 317号室
座長: 原田信広 先生
 視床下部・下垂体後葉系ホルモンであるバゾプレシン(arginine vasopressin:AVP) はその代表的生理作用から、抗利尿ホルモン(antidiuretic hormone:ADH)とも呼ばれ ています。生体内への水貯留を促進する水保持ホルモンとして重要な役割を持つことは 古くからよく知られていましたが、最近の基礎的研究手法の発展と臨床的解析法の発達 により、新たな視点からこのホルモンが関連する病態の詳細が解明されつつあります。 バゾプレシンが関係する疾患としてはSIADH(syndrome of inappropriate secretion of ADH) と中枢性尿崩症の二つの病態が存在しています。SIADHは低ナトリウム血症をきたす代表 的疾患ですが、その病態発生に関する新しい分子メカニズムが明らかになりつつあり、 またその治療方法は新しい展開を示し、さらに治療に随伴する合併症に関する研究も進 んでいます。一方、中枢性尿崩症においてもバゾプレシン遺伝子変異が尿崩症を発症さ せる機序をはじめとした病因論的解析が行われ、遺伝子治療を含めた新規治療法も検討 されています。こうした面を中心に最近の研究の進歩について紹介します。
世話人・連絡先
小児科学教室 浅野 喜造(2367)
微生物学教室 辻 孝雄(2432)