第118回 医学セミナー(特別講演38回、第2回腫瘍コース)
題目: 「がんの免疫療法 - 基礎研究からPOC臨床試験へ -」  
演者: 三重大学大学院医学研究科がんワクチン治療学/遺伝子・免疫細胞治療学講座教授
珠玖 洋 先生
日時: 平成19年12月14日(金)
午後5時15分〜6時45分
場所: 生涯教育研修センター 1号館 9階 901講義室
座長: 松浦 晃洋 先生
 身体に優しく有効な癌の治療方法として免疫療法への期待が膨らんでいます。 最近の基礎的な研究の進歩により、私たちの身体の中に自然に備わっている免疫 力が、癌の発生や進行に大きく関わっていることがわかってきました。免疫力の 中心になっているリンパ球には様々な働きを持ったリンパ球が含まれています。 とりわけ癌細胞に反応するリンパ球の中では、癌細胞を直接見つけ出して壊して しまうキラーT 細胞(細胞障害性T 細胞)が重要であり、更にキラーT 細胞の働 きを助けるヘルパーT細胞、働きを抑える役割を果たす制御性T細胞が大切な働き をしていることがわかってきました。珠玖先生のグループは、癌に対する免疫の 基礎的な研究を進められ、その成果を臨床の場に反映させ、一日でも早く癌患者 の皆さんに役立つ新しい癌治療法の橋渡し研究(トランスレーショナル・リサー チ)を行っておられます。独自に開発した新しいがんワクチン(疎水化多糖- が ん抗原蛋白複合体ワクチン、CHP-HER2 ワクチンおよびCHP-NY-ESO-1 ワクチン) については、数年前より臨床試験を開始されています。実用化の過程でPOC (Proof of Concept) 臨床試験が重要な役割を果たします。また、癌反応性キラーT 細胞を体外で増や して患者さんに輸注する細胞療法についても、遺伝子操作を利用することにより 従来のものとは全く異なった新しい遺伝子・免疫細胞療法が可能になるとのこと で、そのお話しも伺えると思います。 皆様方、ふるって聴講をお待ちしています。
世話人・連絡先
小児科学教室 浅野 喜造(2367)
微生物学教室 辻 孝雄(2432)