第148回 医学セミナー(特別講演56回)
題目: 「Helicobacter pyloriの病原性発現機構」
演者: 岡山大学 大学院 医歯薬学総合研究科 社会環境生命科学専攻 国際環境科学講座 病原細菌学分野 教授
小熊 惠二 先生
日時: 平成22年5月21日(金)
17時15分〜18時45分
場所: 生涯教育研修センター 1号館 9階 901講義室
座長: 辻 孝雄 先生

 1983年、ヒトの胃よりHelicobacter pyloriが分離されて以来、その病原性が注目されてきた。私達もこれまで、主に小動物や培養細胞を用い、その病原性発揮機序を解析してきた。まず、菌は砂ネズミ(Mongolian gerbil)には定着でき、軽い炎症を起こすことを認めた(その後、砂ネズミでは、我国の多くの研究者により炎症や潰瘍、癌が起こることが発表され、貴重なモデル系となった)。

 次いで、重症免疫不全マウス(SCIDマウス)にMALTomaの患者さんのリンパ球を移入した後、H. pyloriを感染させると、菌(のHSP60など)にリンパ球が反応して炎症や潰瘍が起きることを認めた。また、最近では高脂血症を起こす特殊なマウス(apoe+/-,ldlr+/-)にH. pyloriを感染させると、菌やヒトのHSP60などによりTh1優位の反応が起き、マクロファージが活性化され泡沫細胞となり動脈硬化が発症することを認めた。

 今回はこれらのことを中心にして説明したい。

 多くの教職員、学生さんの参加を歓迎いたします。

世話人・連絡先
微生物学教室 辻 孝雄(2432)
小児科学教室 吉川 哲史(9035)