Japanese | English

講座情報
所属組織: 藤田保健衛生大学 (Fujita Health University School of Medicine)
講座名: 微生物学講座
NAME: Department of Microbiology

講座スタッフ
教授土井 洋平
准教授鈴木 匡弘
講師塚本 健太郎

研究課題名:臨床分離されたカルバペネマーゼ産生腸内細菌(CPE)の後ろ向き臨床・分子疫学研究
カルバペネム系抗菌薬は大腸菌、肺炎球菌などの腸内細菌による重篤な感染症の治療に有効な抗菌薬として長く使用されてきましたが、最近になりカルバペネム系抗菌薬に耐性を示す腸内細菌(カルバペネム耐性腸内細菌、略してCREと呼ばれます)が全国的に出現しています。CREの中でも特にカルバペネム分解酵素(カルバペネマーゼ)を産生する菌(カルバペネマーゼ産生腸内細菌、略してCPEと呼ばれます)はカルバペネム系を含む各種抗菌薬への耐性度が高く、また医療現場で伝播しやすいことから特に監視が必要です。当院の臨床検査部では、CPEへの医療安全対策の一環として2012年以降、入院患者様の検査検体から検出されたCPE菌株を体系的に保存しています。本研究では、当院でのこれまでに発生したCPE 感染症の臨床的特徴を調べるともに、ゲノム解析を用いて経時的なCPE菌株の分子疫学を明らかにします。
この研究は既存の臨床情報と菌株を用いる後ろ向き観察(コホート)研究です。研究対象者は2012年以降、当院に入院中の検査検体からCPEが検出された患者様です。収集する臨床情報は以下の通りです。
年齢、性別、入院日、入院前の所在(自宅、療養施設など)、基礎疾患、CPE検出日、CPE検出日の所在(ICU、病棟など)、CPEの菌種及び薬剤感受性、CPE検出前90日間の抗菌薬・免疫抑制薬使用状況、感染巣(喀痰など)、感染症(肺炎など)、抗菌薬治療、治療への臨床的反応、院内生存率、退院先(自宅、療養施設など)
個人情報保護の観点から、各患者様は研究専用のID番号で登録され、名前、病院でのID番号など個人が特定可能な情報は収集しません。またCPE菌株については全ゲノム解析を行いますが、CPE菌株も研究専用のID番号で登録されます。
この研究から明らかになった当院でのCPEの臨床的特徴と分子疫学については、学会発表および論文発表を通して公開する予定です。このような国内のデータはこれまで限られていることから、当院及び他の医療施設がCPEへの対策を講じるにあたり役立つことが期待されます。
2012年以降に当院に入院され、かつ検査検体からCPEが検出された患者様で、この研究への参加を拒否(オプトアウト)されたい方は、藤田保健衛生大学微生物学講座(電話0562-93-2433)までご連絡ください。
本研究は藤田保健衛生大学倫理審査委員会での審査を経て、学長の承認を得て実施されています。
(研究責任者:微生物学講座・土井 洋平)

Wed Oct 11 10:44:13 JST 2017

ログインページへ
一覧ページへ