2016 藤田保健衛生大学医学部 第1学年
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読書ゼミナール- 95 -  鏡   裕 行(数学)後半9コマ「宇宙に外側はあるか」松原隆彦 著 光文社新書 “この宇宙はどんなしくみで成り立っているのか、どんな構造をしているのか、なぜ存在しているのか、…このような疑問は、古今東西、人類が抱いてきたものではないだろうか。このように常に古くて新しい学問である天文学は、物理学、数学の発展とともに、これらの問いに常に最新の科学的真実を与え続けてきている。この2月には、アインシュタインが発表した美しい数学を用いた一般相対性理論からその存在が予言された重力波が、100年の時を経て初めて観測され、天文学はまた新たな知性の手段を手に入れたことは記憶に新しい。 しかしながら、新たな知性の獲得は、これまでの歴史がそうであったように、新たな真実、答えの獲得と同時に、「さらなる新しい謎を呼」ぶことになる。例えば、現在観測されている素粒子のすべてとその相互作用を正確に記述する「素粒子の標準モデル」を超える「万物の理論」の存在が示唆され、宇宙の大部分を占めるエネルギーはダークマター、ダークエネルギーとよばれる未知の質量、エネルギーであることが示唆されている。 本書では、現代物理学、現代天文学によって明らかになった最新の知識を、一般の方でも分かりやすい表現を用いて丁寧に説明しながら、宇宙の起源、構造、未来、存在理由といった諸問題に的確に踏み込んで論じており、大いに知的好奇心が刺激される。 本書を携えながら、著者の松原隆彦先生とともに、「現代宇宙論のフロンティアへと旅立」ちましょう。”6)近 藤 一 直(薬理学)前半9コマ「英語化は愚民化」施光恒著 集英社新書 “「医学生にとって英語は?」と切り出せば「必要」であることは間違いない。但し、視点を変えて「今日の英語教育は」あるいは「日本全体で」といった観点からすると、社会の方向性には疑問も沢山あるだろう。君たちの進級に必要な英語学習とは全く別の次元において、そんなことも考えてみよう。”

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