2016 藤田保健衛生大学医学部 第1学年
93/250

読書ゼミナール- 84 -4)鏡   裕 行(数学)前半9コマ「クォーク第2版 素粒子物理はどこまで進んできたか」南部陽一郎著 講談社 “著者の南部陽一郎先生は、2008年のノーベル物理学賞受賞者であるが、昨年7月、94年の生涯に幕を閉じた。南部先生の専門は素粒子論であるが、現代の素粒子論の最先端で研究されているテーマの基本的なアイデアは、多くが南部先生によってはじめに生み出されたものと言われている。このような現代物理学の巨人とも言える南部先生が、一般向けに「素粒子物理が過去五〇年の間にどんなふうに発展し、現在どんなことがわかっているかを、かなり具体的に、また系統的に説明しようと」したものが本書である。 内容的には、正確に理解するにはある程度の専門知識がないと難しい部分も多々あるが、「むしろ物理学者がどんな考え方をたどって現在の位置に到達したかを説明することに点をおいた」書き方となっているため、科学の「研究とはどんなプロセスであるかを理解」するには大変教育的な内容となっている。したがって、ゼミでは、いたずらに理論の細部に立ち入りすぎることはせず、俯瞰する立場を忘れず物理学者の研究プロセスを楽しみたい。 ところで、南部先生は、本書の旧版において「今まであれだけ理論に貢献してきた日本が、実験の方面でも活躍してほしい」と述べ、第2版では「ニュートリノの質量など、将来の実験に待つ重要な問題がまだ残っています」と述べているが、折しも、昨年のノーベル物理学賞は、ニュートリノに質量があることを実験的に発見した梶田隆章先生らに贈られた。まさに本書を読む絶好のタイミングといえるだろう。 本書を携えながら、科学、医学、物理学、数学などに関して共に色々と考えてみませんか?”  平 田 ゆかり(法医学)後半9コマ「「わかりやすい話し方の」技術言いたいことを相手に確実に伝える15の方法」吉田たかよし著 講談社ブルーバックス “よく喋る人がいますが、いまいち理解し難い話しがあります。理解出来ないのは自分に知識がないせいばかりではなく、文章が長くて話しの構造が複雑になっていたりすることがあります。従って、主語述語の短文で話せば理解しやすいということになります。これから説明をする機会が多くなると思います。やはり話はわかりやすくという事を心掛けて行くためにも参考になればと思います。”

元のページ 

10秒後に元のページに移動します

page 93

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer10.2以上が必要です