2016 藤田保健衛生大学医学部 第2学年
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免 疫 学- 164 -免 疫 学[教育目標] 免疫学は個々に独立した各論的な議論では終われない、生体防御に関わる複雑な生物現象のネットワークを対象にした「総論」の学問である。そのため、断片的な事象を単に受動的に記憶するのでなく、主体的な姿勢を持って少し時間をかけてじっくりと「能動的」に考察し、個々の事象の意味を考えながら、ストーリーや文脈を構成する作業を要求される。この「学び」の姿勢は、受験までの「勉強=記憶」という発想を捨てて、積極的に「攻める」ことが肝要で、医学全般の理解(ひいては国家試験合格?)にも直結するはずである。このような姿勢は、将来、医師として生身の人間を相手とした仕事を行っていくためにも非常に重要なものなので、免疫学をモデルケースとして習得を目指す。 教科書に基づく基本的な部分は吉田が担当し、黒澤教授に抗体をベースとした最新の分子生物学的治療法、橋本教授にMHCの分子進化をテーマとした研究成果を紹介していただく。[学習目標] 耳慣れない用語なども多いかもしれないが、単に名称を暗記することを目標とするのでなく、生体防御全体のネットワークの中の位置づけ、意義を常に深く考えて、全体の脈絡を概念として把握することを第一の目標とする。その習得のためにいくつかテーマを与えるが、最も卑近には、「Rh不適合妊娠の機序:ABOはどうして大丈夫なのか?」という問いかけに科学的、論理的に答えられるようにすることで、抗原提示、リンパ球などについての包括的な理解を深めてもらう。また、一般的に、論理的な理解を深めるにはグループでの討論が大変有意義なので、講義外でも自主的に論議してくれると嬉しい。[身につける能力] 別紙参照(卒業コンピテンシー毎にパフォーマンス・レベルA~Fを記した表)[授業の種類] 基本的に講義を中心とするが、レノンシステムを利用して理解度を確認したり、問いかけを交えたりしながら、できる限り双方向のやり取りをして理解を深められるようする。難解な箇所は、TBLの手法を取り入れて学生同士で議論をしてもらう。そのほか、Moodleやメールを活用した個別対応の問答を通じて「積極的に考えるactive learning」事を実践してもらう。[ 評 価 ] ⑴知識;(卒業コンピテンシー IV-1,4)、パフォーマンス・レベルDIT試験と定期試験を総合的に評価する。 ⑵講義態度;(卒業コンピテンシーI-1)、パフォーマンス・レベルC講義に積極的に参加したかという受講態度を評価する。

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