2015 - 藤田保健衛生大学医学部 学生便覧
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− 22 −薬物を乱用すると 薬物乱用の恐ろしさは、何回も繰り返して使用したくなる「依存性」を持ってしまうこと。また、繰り返し使用しているうちに「耐性」を持ってしまうことです。そのような状態になると、自分の意思では薬物の使用をコントロールできなくなってしまい、身体と精神が蝕まれてしまうのです。•1回の使用でも脳出血、心不全などで死に至ることがあります。•大脳の神経細胞が侵され、脳の機能に異常をきたし、幻覚、妄想、錯乱などの精神障害が生じます。•薬物をやめた後でも、ストレス、飲酒などがきっかけで精神障害が再び起きることがあります。薬物による害は一生続きます。•視神経の異常や眼底出血を引き起こし、視力低下や失明を招きます。•肺、胃、肝臓、腎臓などの各器官に深刻な悪影響を及ぼします。•精神的・身体的に薬物に依存し、薬漬けの毎日となります。•懲役刑を科されるなど、法律で厳しく罰せられます。薬物依存症 薬物依存症は国際的に認められている精神障害のひとつです。覚醒剤・シンナー・大麻などの依存性のある薬物を使い続けているうちに心身に異変が生じ、薬物を使いたいという気持ち(渇望)が強くなりすぎて、自分ではコントロールできなくなり、現実にいろいろと不都合が生じているにもかかわらず薬物を使い続けてしまう障害です。(2)危険ドラッグ等  危険ドラッグ等、新たな乱用薬物が蔓延しています!  最近は、「合法ハーブ」「アロマ」「お香」などと称して販売される薬物が闇・地下ルート、インターネットで販売され手軽に購入できます。使用した人が嘔吐、けいれん、呼吸困難、意識障害等の健康被害を起こしたり、死亡するケースも発生しています。これらの薬物は、「合法」「脱法」等と称して販売されていますが、規制薬物以上の依存性・毒性を有する成分を含んでいるものもあり、大変危険なものです。使用したことによる事故や事件も発生しています。また、これらの薬物の乱用は、覚醒剤や大麻などの乱用へつながる可能性が高いことが懸念されています。  危険ドラッグの中には、実際は麻薬等の規制薬物が含まれているものもあります。合法、脱法などと称して販売されているからといって「違法ではない」「危険ではない」ということでは決してありません。販売側の作り上げる誤ったイメージに騙されないようにしましょう。

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