2015 - 藤田保健衛生大学医学部 第1学年
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法 学- 52 -法 学 Ⅱ[教育目標] 医師,医療機関は,患者,他の医療者・医療機関,果ては国家との間においても,様々な法的関わりをもっています。 法学Ⅱでは,医師,医療機関と特に関わりの深い法領域に特化して,その関わりの内容,問題点等を学びます。1 ガイダンス~医療と法律の関わり~ 医療を取り巻くさまざまな法規制,法律関係について広く全般的に確認します。2 医師と医師法 医師は,医療行為を行うにあたり医師法による規制を受けています。しかし,医師法は条文数は少ないながらも,現代の医療に適用する上で数多くの問題点を抱えており,限界を露呈しています。医師法による法規制とその意味,限界を考えます。3 医師と患者 患者は医師にとって医療行為を行う対象であり,医療行為の対価を支払う顧客でもあります。医師にとって,患者との法的関係を理解することは,医療行為を行っていく上で不可欠です。 医師と患者との間で発生する権利と義務,近年特に話題になることも多いインフォームドコンセントについても学びます。4 医療事故と医療紛争 不幸にして,医療行為に伴う事故が発生し,医師と患者との間で紛争が生じた場合,解決が裁判所に委ねられることも決して稀ではありません。医療事故に伴ってどのような法的責任が発生するか,特に民事上の損害賠償責任を中心として,医療紛争の解決のための制度について学びます。 また,医療事故調査制度が法制化されました(平成27年10月1日施行)。起こった医療事故についてどのように検証し,再発防止を図るかは,各医療機関,医師に突き付けられた喫緊の課題と言っても過言ではありません。医療事故と医療紛争の講義を通じて,あるべき医療事故調査,医療安全の仕組みを考えます。5 医療と法その他の諸問題 医療と法に関するその他の諸問題,具体的には臓器移植,宗教的理由による輸血拒否,安楽死・尊厳死等について概括的に学びます。[学習目標] 具体的事例を通じて,医療と法の関わりについて理解を深める。[ 評 価 ] 出席及びレポートの提出状況,定期試験の得点に基づき評価します。

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