2015 - 藤田保健衛生大学医学部 第1学年
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読書ゼミナール- 77 -読書ゼミナール -科学研究の基礎Ⅰ-[教育目標] 日本語を母国語とする我々は、思考に用いる言語として日本語を使っていることをごく当然のことのように考えています。少し考え方を変えれば、私たちは外国語の授業時間以外は生まれて以降絶えず日本語のトレーニングをしてきたわけですし、現在も日々の生活の中でそれを実践していることになります。そのような状況でも英語を得意とする人と不得意とする人がいるのと同様、トレーニングの違いから日本語の得意な人、不得意な人がいるのは極めて当然のことです。 この“読書ゼミナール-科学研究の基礎Ⅰ-”の授業は「医学を始めとする諸学を学ぶ上で必要な基礎的思考能力の涵養と言語による表現力の啓発を目的とする」ことにあります。医療の世界は既にインフォームド・コンセントが広く浸透しており、患者さんや御家族の心情を汲み取った上で適切かつ的確に、かつ曖昧さを極力排して、言葉や文章によって説明できるという能力が医療従事者には強く要求されています。こういう時代であるからこそ、学生諸君の思考の基本となる日本語の力が更に錬磨されることを期待して、この“読書ゼミナール-科学研究の基礎Ⅰ-”がカリキュラムに加えられています。講師と一緒にテキストを読み、内容の要旨や論点を把握し、討論や文章作成等の過程を通じて、医学を始めとする諸学を学ぶ上で必要な基礎的思考能力を高めてもらいたいと思います。 後半10コマでは、前半で学んだ日本語の学習に引き続き、さらに「医学研究への志向の涵養」を目指し、医科学研究の基礎としてコミュニケーションを取り上げます。まず自己と他者に感心を持ち、それぞれの人間関係や役割を知り、自己効力感、自己肯定感、役立ち感を体験を通して学びます。[学習目標(到達目標)]⑴感情や事象の言語による表現に関心を持つようになること。⑵文章の要点の把握が出来るようになること。⑶自分の考えを論理的に整理し、分かりやすく表現できるようになること。⑷論理的かつ明晰な文章を作る努力を厭わない持久力を身につけること。⑸課題を決められた様式に従って文書または口頭で発表できること。

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