2015 - 藤田保健衛生大学医学部 第2学年
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ウイルス・寄生虫学- 131 -ウイルス・寄生虫学[教育目標] ウイルス学は、ウイルス病の病態、疫学、予防を中心とした医学ウイルス学と、ウイルスをモデルとしての生命科学の2本の柱からなる。ウイルス学講義・実習では、ウイルスをこの両面から把握できるよう学習する。全体として、臨床ウイルス学への導入のために、ウイルスの一般的性状に始まり、各ウイルスの増殖過程、遺伝学の基本的知識とともに、各ウイルス感染症の病態生理、臨床症状、免疫、疫学、治療、予防について学習する。 寄生虫学においても、臨床的・疫学的に重要な寄生虫症に重点を置き、各寄生虫の生物学的特性や寄生虫症の病態、免疫、症状、診断、治療などの基本的知識を学習する。 感染症は、社会・生活環境の変化に対応し、刻々と変遷している。重症熱性血小板減少症候群(SFTS)ウイルス、中東呼吸器症候群(MERS)ウイルス、高病原性鳥インフルエンザウイルス、新型インフルエンザウイルス、エボラウイルス、ウエストナイルウイルス、クリプトスポリジウム、マラリアなどを代表として、新興・再興感染症の病因としてのウイルス・寄生虫が注目を浴びているのはその好例である。また、輸入感染症、日和見感染症としてのウイルス・寄生虫も重要性を増している。こうした背景のもと、ウイルス学・寄生虫学に対する関心・学習意欲が高まるよう講義・実習に工夫を凝らしている。 実習では、講義で学んだ知識をさらに深め、実際に手でウイルス、寄生虫を扱うことで、理解を深めるように、実習テーマを決定した。さらに、実験技術の進歩に遅れぬように、分子生物学的手法を理解し、習熟することにも努める。[学習目標(到達目標)]ウイルス学:⑴ウイルスの構造、増殖の過程を理解し、それを基にして、抗ウイルス剤、ワクチン、検査について説明できる。⑵主要なウイルスについて、引き起こされる疾患、その疫学、病態、予防を説明できる。寄生虫学:⑴寄生虫の生活史、分類、形態的特徴、感染経路を説明できる。⑵主要な寄生虫症の疫学、病態、診断、治療、予防を説明できる。 実習を通して、感染性のウイルス、寄生虫の取り扱い法に習熟するとともに、講義内容を今一度復習し、主要なウイルス、寄生虫について、分類、形態、疫学、疾患、病態、予防について十分に理解する。[ 評 価 ] 定期試験評価点を最終評価とする。再試験合格者は再試験評価点をこれにあてるが、再試験不合格者には定期試験と再試験のうち高い方の評価点をあてる。なお、定期試験の「評点」の決定にあたっては、IT試験の成績を20%の比率で加味するとともに、授業への出席状況、日頃の学習態度、実習態度、実習レポートなどを総合的に判定・評価する。

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