2015 - 藤田保健衛生大学医学部 第4学年
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法医学- 39 -法医学〈人の死E-⑺、死と法B-⑹を含む〉[教育目標] 法医学とは、法律上あるいは社会的に問題となる医学的事項を研究する学問である。その主な課題は、死体検案や解剖検査に基づいた死因および死の病態生理の解明、傷害と死亡との因果関係の判定などである。そして、損傷原因の特定やその程度および治癒に関する評価などは法医学的に重要であるばかりでなく、臨床医が日常診療において求められることでもある。さらに最近では、一般臨床医が死体検案を行う機会も増加している。従って、法医学の授業と実習の目標は、医学・医療の様々な局面において、医師は基本的人権や公共の福祉に深く関わっていることを認識し、その上で法医学的に的確な判断をするための医学的常識を習得することにある。 法医学の講義では、死体に関する問題、すなわち死の定義や判定、死体検案の基本、様々な死因に関する知識や死亡診断書(死体検案書)の正しい作成法など、その重要性にもかかわらず、他の領域で扱われることが少ない項目を重点的に取り上げる。また、血液型などの個人識別に関わる問題や中毒学、さらには近年社会的にも関心の高まっている生命倫理学や医事法制など、社会と医学の接点に存在する事項についても学習する。[学習目標]⑴死の定義や取り扱いについて理解する。 ⑵異状死体の届け出と死体検案の基本を理解する。 ⑶法医学的に問題となるような死因、特に外因死について理解する。⑷死亡診断書(死体検案書)を正しく記載できるようにする。⑸医療の法的な位置づけとその限界を認識し、問題になりやすい医療行為を理解する。[ 評 価 ]⑴実習では毎回レポートを課し、その実習内容の修得度を評価する。一定の水準に達していないレポートは最終評価の際、減点の対象とする。⑵定期試験の結果を中心に、総合的に評価する。[準備学習(予習・復習等)] 法医学で取り扱う内容と他の基礎・臨床医学教科の内容を関連づけて学習すること。[担当教員] <法医学客員教員>青木 康博 客員教授石井  晃 客員教授河野 朗久 客員講師<法医学>磯部 一郎 教授濵島  誠 助教平田ゆかり 助教越智  拓 助教

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