婦人科 内視鏡手術

婦人科内視鏡手術の種類には

  1. 腹腔鏡手術
  2. 子宮鏡手術
  3. 卵管鏡手術

の3種類があり、我々の施設では1および2の内視鏡手術の全てに対応しています。

以下では、この中で実施頻度が最も高い腹腔鏡手術について概説します。

腹腔鏡手術の特徴

30年前までは婦人科の手術治療は開腹手術と腟式手術のみでした。
ところが、1990年前後より一部の施設で腹腔鏡手術が行われたことが端緒となり、本術式は 「からだに優しい手術(低侵襲手術)」 として全世界に波及しました。

当科での腹腔鏡手術は、ほとんどの良性疾患に加え、早期の子宮体癌、早期の子宮頸癌を対象としております(一部の手術は保険適応外)。

内視鏡手術は、入院期間の短縮と早期社会復帰を目指す低侵襲性治療として位置付けられており、現代女性のニーズに即応した先進の手術手法として国内外で高く評価されています。

腹腔鏡手術の適応疾患

婦人科良性疾患のほとんどが腹腔鏡手術の適応です。

  1. 子宮筋腫 / 子宮腺筋症
  2. 良性子宮付属器(卵巣)腫瘍
  3. 子宮内膜症
  4. 不妊症(子宮付属器癒着、卵管閉塞、奇形)
  5. 異所性(子宮外)妊娠
  6. 骨盤臓器脱など

また、以下の婦人科悪性疾患でも適応となる場合があります(一部保険適応外)。詳細については当科の医師とご相談ください。

  1. 子宮体癌
  2. 子宮頸癌
当科では上記疾患に対する全ての手術に対応しています。

腹腔鏡手術の実際

腹腔鏡手術は、臍部(おへそ)ないしはその周囲から直径5~10mmのスコープを腹腔内に挿入し、テレビモニター上に映し出された映像を見ながら操作を行う新しい手術です。

一般的な開腹手術は、15cm前後の皮膚切開で行われますが、腹腔鏡手術は下図に示すような皮膚切開3~4箇所で行われます。

したがって、腹腔鏡手術は皮膚切開創が開腹手術よりも短小なため美容的にも優れており、手術後の疼痛も開腹手術に比べ軽いのが特徴です。そのため、術後の回復が早く、入院期間の短縮と早期での社会復帰が可能なことが最大の利点です。

腹腔鏡手術時の風景です。

テレビモニターで腹腔内を観ながら、両手で鉗子を操作、癒着剥離や患部の摘出を行います。

内視鏡で描出される子宮 / 卵管 / 卵巣は、5~20倍ほど拡大されるので細かな手術操作が可能です(準マイクロサージャリーの実践)。

内視鏡下手術専用機材も最新のものを多数揃えています。

スコープは電子内視鏡を、また手術野を映し出すモニターはハイビジョンを用いることにより鮮明な視野で、安全かつ高性能なエネルギー供給装置(組織の切開・止血凝固を行う機械)を駆使し手術を行っています。最新の3D内視鏡とロボット支援下腹腔鏡手術(自費)も行っています。

腹腔鏡手術のFAQ

Q.
保険はききますか?
A.
入院と手術に関しては、全て健康保険が適用されます。個室料金は別です。
婦人科癌(悪性腫瘍)に対する腹腔鏡手術は一部保険適応外です。
ロボット支援下腹腔鏡手術は自費診療になります。
Q.
退院は? 仕事への復帰は?
A.
退院は術後経過が良好であれば術後4日目です。
仕事への復帰は退院後約1週間で可能です。
Q.
腹腔鏡手術は小さな手術ですか?
A.
いいえ、開腹手術と内容は一緒です。
手術時間は卵巣/卵管の手術で約 2時間、子宮筋腫核出術や子宮全摘術では3時間半ほどかかります(実際の手術時間に加え、手術室での準備や全身麻酔の導入・覚醒に1時間ほど必要です)。癒着があると手術時間は約1.5~2倍に延長しますが、出血量は開腹手術に比べ少ないのが特徴です。
繊細な手技を駆使して行う手術なので、開腹手術よりは手術時間は延長しますが心配はありません。
Q.
この病院には専門の医師はいますか?
A.
我々の施設には、日本産科婦人科内視鏡学会技術認定医が6名、日本内視鏡外科学会技術認定医(産科婦人科)が5名在籍しています。東海地方では,複数名の技術認定医が在籍している数少ない施設の一つです。したがって、当施設では質の高い、高度な先進的内視鏡手術を提供できるものと確信しております。
Q.
腹腔鏡手術の実績は?
A.
腹腔鏡手術専門チームの手術件数は,約6,300例です(1994~2016年)。 関連病院での実施数を加えると年間500例超の内視鏡手術を行っています。最近では,単孔式手術,子宮腺筋症病巣切除術、ロボット支援手術そして子宮悪性疾患に対する腹腔鏡手術などの先進的な手術も積極的に行っています。
Q.
腹腔鏡手術はすぐできますか?
A.
ご迷惑をかけますが、本手術は約2~3ヶ月待ちの状態です。安城市の八千代病院(鏡視下手術センター)や坂文種報徳會病院でも腹腔鏡手術を受けて頂くことが可能です。