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研究


慢性糸球体腎炎の進展機序の解明と制御法の確立

最も頻度の高いIgA腎症をはじめ、全ての慢性糸球体腎炎の進展機序は明らかになっていません。しかし、これらの進行性腎疾患では、いずれも進行とともに腎組織における慢性病変(糸球体硬化、間質線維化)の形成とその進展がみられます。同時に、これら全ての進行性腎疾患の進呈過程では、炎症細胞、特に「マクロファージ」の浸潤が普遍的な現象として認められます。私たちは、このマクロファージが慢性糸球体腎炎の進展過程で重要な役割を担っているものと考え、治療のターゲットとしての機能を検討しています。

慢性腎疾患の難治化機序の解明とバイオマーカーの開発

多くの慢性糸球体腎炎や小児ネフローゼ症候群の治療には副腎皮質ステロイド薬が用いられます。特に、小児のネフローゼ症候群の多くはステロイド治療に反応し寛解が得られますが、再発を繰り返す例が多く、ときに徐々にステロイド治療に対する反応が鈍くなり例や、ステロイド抵抗性となる場合があります。私たちは、このような治療への反応が低下する例や抵抗例などの難治例について、腎生検組織や血液、尿検体を用いて難治化機序や難治化を予測する血中・尿中バイオマーカーの開発に取り組んでいます。

ピリミジン代謝異常症の病態解明とピリミジン系抗がん剤の副作用予防に関する研究

ピリミジン代謝異常症は無症状から発達障害、自閉症など多彩な症状を示し診断が困難で、未診断例も多く存在すると思われます。これらの患者さん方にピリミジン系抗がん剤である5-フルオロウラシル(5-FU)が投与されると非常に重篤な副作用を示すことが知られています。我々はピリミジン代謝異常症の診断システムを確立し、5-FU副作用予防システムを構築しています。

新生児マススクリーニング対象疾患の診断・治療ガイドライン策定に関する研究

新生児マススクリーニングは先天代謝異常症17疾患を生後4~6日に採血、検査することで発症前に発見して治療介入しようという公共事業で、大きな成果を挙げています。当施設は愛知県内の精査施設としてほぼ全例の先天代謝異常症患者をフォローさせていただいております。このため本事業の対象疾患に対する診断・治療ガイドライン策定に関しても、日本先天代謝異常学会を中心とした委員会等に参加し多くのデータを提供しております。特にメチルマロン酸血症に対する治療効果に関する研究については当施設が中心になり検討していく予定です。

ポンぺ病・重症複合免疫不全症の新生児マススクリーニングに関する研究

ポンぺ病・重症複合免疫不全症(SCID)は上記マススクリーニングの対象疾患には含まれていませんが、欧米ではすでに対象疾患として採用され成果を挙げています。当グループでは名古屋大学小児科、熊本大学小児科、愛知県健康づくり振興事業団、化血研との共同事業として、愛知県におけるこの2疾患のマススクリーニング事業を2017年4月から開始しました。広域のスクリーニングシステムとしてはポンぺ病については全国で2か所目、SCIDに関しては全国初のものです。今後はできるだけ多くの赤ちゃんに参加していただき、この疾患の発生頻度や早期発見による治療効果などを検討していく予定です。