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研究


Human herpesvirus 6B(HHV-6)

突発性発疹症(突発疹)の起因病原体であるHHV-6Bは、初感染時に脳炎を起こすだけではなく、臓器移植患者さんなど免疫抑制状態下で再活性化し脳炎など重篤な合併症を起こします。我々のグループでは現在、突発疹の有熱期に約1時間で診断する迅速診断法を開発し、実用化に向けてさらに改良する研究をおこなっています。また、臓器移植後のHHV-6再活性化病態の解明、脳炎脳症の病態解明についても研究しています。

ロタウイルス

乳幼児下痢症の起因病原体として最多であるロタウイルスは、日本の小児脳炎脳症起因病原体としても第3位となっています。(1位インフルエンザ、2位HHV-6で、2位と3位のウイルスを当研究室では扱っています)近年、ロタウイルス胃腸炎患者では抗原血症が起きていることが判明していますが、我々のグループはロタウイルス胃腸炎患児の抗原血症のkineticsを世界で初めてPediatricsに報告しました。ご存知の通り、ワクチンの日本での導入などもあり、現在非常に注目されている研究分野です。

ワクチンの同時接種における効果および安全性

近年、日本でも欧米並みに多くの新しいワクチンが導入されていますが、まだまだ世界の中では遅れており、同時接種における効果および安全性におけるエビデンスが不足しています。当グループでは、特に水痘ワクチンにおける同時接種の効果・安全性について研究してきました。現在は水痘ワクチンの2回接種法導入にむけて、適切な接種スケジュールについての検討を行っています。

造血幹細胞移植後のHHV-6B再活性化と海馬体積の関連性の検討

造血幹細胞移植後のHHV-6Bの再活性化は約半数で認められ、成人では急性辺縁系脳炎と関連して記憶障害やてんかんの合併が知られていますが、小児においてその実態は不明です。私たちはMRI画像を用いて海馬体積を測定することで、HHV-6B再活性化が中枢神経系へ与える影響を研究しています。

HHV-6B感染による複雑型熱性けいれんの臨床像解析

4グループでは5歳以下の乳幼児を対象に発熱時検体の解析を行っていますが、本研究ではこのうち複雑型熱性けいれんを呈した児を対象としてその臨床的特徴を解析することを目的としています。複雑型熱性けいれんは後のてんかん発症のリスク因子であり、罹患児のフォローアップ体制の確立に寄与できると期待しています。

ACTH療法における免疫機能への影響

ACTH療法はWest症候群をはじめとする難治性てんかん/てんかん性脳症の治療の切り札ですが、全身へ様々な影響を及ぼし重篤な副作用発現につながることからその適応はかなり限定的です。特に乳児においてはACTH療法にともなう重症感染症のリスクが高く、そのために治療を中止せざるを得ないケースも経験します。私たちはACTH療法中の免疫機能を追跡することで、より安全な治療の確立を目指しています。

West症候群の治療反応性バイオマーカーの検討

West症候群は乳児期発症の難治性てんかんの代表疾患ですが、そのetiologyは様々で、治療反応性も大きく異なります。最も有効とされるACTH療法はその副作用からどの患児にも適応できるものではなく、個々の特性に応じたオーダーメイド治療の確立が期待されます。その一環として、発症早期に治療反応性を評価するバイオマーカーの同定に取り組んでいます。

神経疾患の遺伝子解析研究

長年、多くの神経疾患が原因不明とされてきましたが、近年の遺伝子解析技術の向上により、原因遺伝子の同定が可能になりました。原因不明の脳性麻痺をはじめ、先天性脳奇形、家族性脳症などの原因遺伝子解明に取り組んでいます。また、藤田保健衛生大学では結節性硬化症ボードを立ち上げ、他診療科と共同で診療チームを組んで取り組んでいます。その一環として結節性硬化症の遺伝子解析を分子遺伝学部門と共同して進めており、本疾患の病態解明に取り組んでいます。