54回日本リハビリテーション医学会中部・東海地方会学術集会

ならびに専門医・認定臨床医生涯教育研修会

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

日 時

2024 23日(土)

 

 

会 場

名古屋市立大学病院 中央診療棟3階 大ホール

名古屋市瑞穂区瑞穂町川澄1

 

 

 

日本リハビリテーション医学会中部・東海地方会

事務局:藤田医科大学医学部リハビリテーション医学I講座内

 


 

 

学術集会

 

般演題 9:30 - 11:40

 

 

 

座長 岐阜大学医学部附属病院  國枝顕二郎

 

 1.回復期リハビリテーション病棟入院時歩行全介助脳卒中患者における退院時屋内歩行自立の予測因子

1藤田医科大学医学部リハビリテーション医学I講座

2藤田医科大学医学部リハビリテーション医学II講座

3藤田医科大学七栗記念病院リハビリテーション部

4藤田医科大学病院リハビリテーション部

1牧野 稜,1平野 哲,2園田 茂,3渡邉 誠,4井元大介,1大高洋平

 

【目的】回復期リハビリテーション病棟入院時に訓練内歩行全介助を要する重度歩行障害患者の屋内歩行自立予測因子を検討する.【方法】A病院のデータを用いて退院時屋内歩行自立を予測する決定木モデルを作成し,B病院のデータにて外部検証を行った.【結果】年齢,FIMm合計,脳卒中病型,発症から入院までの日数,麻痺側を組み合わせて退院時屋内歩行自立を予測するモデルを得た.モデルの有効性はROC曲線のAUC0.86と良好で,外部検証においても特異度89.2%,陽性的中率80%であった.【考察】本モデルにて自立が予測される場合,回復期入院時からその後の歩行能力向上が期待できる.

 

 

230年来の右腕神経叢損傷に左片麻痺を合併した3肢麻痺患者の歩行再建

1藤田医科大学医学部リハビリテーション医学II講座

2藤田医科大学七栗記念病院リハビリテーション部

1喜多堅太郎,1水野志保,1赤塚 功,2渡邉 誠,2杉浦健太,2大田 輝,1園田 茂

 

症例は49歳の男性である.17歳時の交通外傷で右腕神経叢損傷となり,主に左上肢を用いて生活していた.49歳時に右視床出血左片麻痺を発症して保存加療後,22日目に当院回復期リハビリテーション病棟に転院となった.転院時SIAS麻痺側運動機能項目は左0-0/1-0-0で,右手指屈曲のMMT2,右上肢近位筋のMMT4であり,左短下肢装具を用いた右手すり歩行は中等度介助レベルであった.入院当初困難と思われた右上肢での杖操作を獲得し,歩行修正自立に至ったため,報告する.

 

 

 

 

 

3.胃管挿入困難症例に対する嚥下内視鏡による誘導での胃管挿入法

総合大雄会病院

江崎貞治,玉井加奈子,三木章子,木村隆文

 

症例は破傷風疑いで入院し,開口困難と頚部進展を認めた70代男性.嚥下障害を認めていたが,胃管挿入が困難であった.嚥下内視鏡を施行したが,嚥下機能は直接訓練レベルであったため,嚥下内視鏡下で胃管挿入を試みたが,先端が気道の方向にしか向かわず,やはり挿入は困難であった.そこで内視鏡で先端を梨状窩方向に誘導したところ,挿入することが出来た.手技としても難しくはなく,胃管挿入困難時に有用な方法と考えられた.

 

 

4頸椎後方術後の咽喉頭浮腫により嚥下障害を認めた症例

名古屋大学医学部附属病院リハビリテーション科

上見亮太,山口英敏,真野頌子,中村匡孝,山口大貴,西田佳弘

 

頸椎前方術後の咽喉頭浮腫による嚥下障害は知られているが,後方術後の咽喉頭浮腫による嚥下障害の報告は少ない.今回,頸椎後方術後の咽喉頭浮腫により嚥下障害に至った2症例を経験したので報告する.症例1は,23歳女性,頸椎後弯症に対してC2からT2の後方固定術を施行した.症例2は,67歳女性,キアリ奇形Ⅰ型に対して大後頭孔減圧術を施行した.いずれも術後の咽喉頭浮腫により嚥下障害を発症した.気管切開や摂食嚥下訓練を行い,食事摂取が可能となった.

 

 

座長 総合大雄会病院 江崎貞治

 

5.当院における摂食嚥下チームの取り組み

愛知医科大学医学部リハビリテーション医学講座

田中聖慈,橋詰玉枝子,内藤桃果,尾川貴洋

 

摂食嚥下の機能低下は栄養状態の悪化,誤嚥,肺炎などのリスクを高めるだけでなく,食の楽しみを失うことにつながる.当院では,これまで患者の摂食嚥下障害に対しチーム医療が実質的に機能できていなかった.今回リハビリテーション科医だけでなく多職種で摂食嚥下チームを改めて結成した.回診しながら嚥下内視鏡検査を行い,チーム内で評価・症例検討し情報共有を行った上で食事内容や訓練内容,治療方針を進めている.

 

 

 

 

 

 

6.ブリッジ空嚥下訓練を行った失語症患者の1

1岐阜大学大学院医学系研究科脳神経内科学分野

2和光会山田病院リハビリテーション部

3浜松市リハビリテーション病院リハビリテーション科

1,2,3國枝顕二郎,2石田もも,2岩越ほのか,2大山章子,2安藤弘道,3藤島一郎

 

我々は,食道が抗重量位となる姿勢で一定期間空嚥下を行い,食道機能を改善させる訓練をブリッジ(腰上げ)空嚥下訓練と命名して報告している.80代男性,脳梗塞のリハビリテーション目的に回復期病院に転院した.初回のVFで食道内残留を認め,失語で空嚥下の指示に従えなかったが,アイスマッサージで空嚥下を誘発しブリッジ空嚥下訓練を5週間行ったところ,食道内残留は改善した.指示理解が困難でも,アイスマッサージ空嚥下によりブリッジ空嚥下訓練を継続できた.

 

 

7.重度の神経症状を呈した視神経脊髄炎患者のリハビリテーション経験

1藤田医科大学医学部リハビリテーション医学II講座

2藤田医科大学医学部連携リハビリテーション医学講座

1横手大輝,1角田哲也,2岡﨑英人,1水野志保,1渡邊克章,1赤塚 功,1尾崎 仁,

1喜多堅太郎,1園田 茂

 

症例は72歳女性.四肢麻痺,視力障害が出現し,視神経脊髄炎の診断を受けた.ステロイドパルス療法を含む急性期加療後,発症2ヶ月で当院リハビリテーション科に転院した.初診時,視力障害は既に軽快されていたものの,重度四肢運動麻痺,感覚障害,膀胱直腸障害等が残存しておりADL全介助の状態であった.視神経脊髄炎に特徴的なUhthoff兆候等に留意しながらリハビリテーションを継続し,ADLが著明に改善した.文献的考察を加えて報告する.

 

 

8.姿勢前方化評価による潜在的認知機能低下スクリーニングの試み

信州大学医学部附属病院リハビリテーション科

池上章太,西村 輝,石田ゆず,長峰広平,宮岡嘉就,吉村智樹,堀内博志

 

この研究は姿勢を評価することで潜在的な認知機能低下を検出する試みである.5089歳の地域住民411人を対象とした.Montreal Cognitive Assessmentスコア25点以下を認知機能低下とし,全脊椎立位単純X線写真側面像Sagittal Vertical AxisSVA)で姿勢の前方化を評価した.その結果,男性は50歳以上かつSVA 100mm以上,70歳以上かつSVA 90mm以上,80歳以上かつSVA 70mm以上の場合,女性では50歳以上SVA 70mm以上の場合に潜在的な認知機能低下を有している可能性が高いことが明らかとなった.

 

 

 

 

座長 岐阜市民病院 佐々木裕介

 

9当院における脳卒中に対する下肢装具療法の変化

愛知医科大学医学部リハビリテーション医学講座

橋詰玉枝子,田中聖慈,内藤桃果,尾川貴洋

 

当院リハビリテーション科では,2年前まで脳卒中の患者に対して下肢装具作成を回復期リハビリテーション病棟などへの転院後に行うことが多かった.しかし,脳卒中治療ガイドラインで早期から装具療法は推奨されており,急性期から頻回に立位・歩行訓練を行うことで患者の機能を改善するとされている.昨年から当院でも脳卒中患者において急性期に下肢装具を作成するようになったため,その効果を報告する.

 

 

10.頸髄損傷に伴う起立性低血圧に対してErigoを施行した1

1藤田医科大学医学部リハビリテーション医学Ⅰ講座

2藤田医科大学医学部リハビリテーション医学II講座

1平井勇也,1稲垣良輔,2平野 哲,1大高洋平

 

症例は67歳男性.転倒により頸髄損傷を受傷した.受傷後約3か月で椎弓形成術を施行され,術後約4か月で当院に転院した.転院時,右第5頸髄節残存,左第4頸髄節残存でAIS Aであった.立位訓練を試みたところ,リクライニング40度ですぐに収縮期血圧60mmHg台まで低下した.一方, Erigoを用い,ロボットアシスト脚運動を加えながらリクライニング40度としたところ,収縮期血圧80mmHg以上を10分間保持できた.Erigoの即時効果,ならびに離床時間の拡大について報告する.

 

 

11.四肢形成不全患者において懸垂方法の変更により歩行機能改善に至った一例

浜松医科大学医学部附属病院リハビリテーション科

勝山貴博,山内克哉,高嶋俊治

 

当報告では,先天性四肢形成不全の患者に対して義足の懸垂方法を変更したことにより,歩行機能改善に至った一例を報告する.これまでの経過において,差し込み型義足など様々な義足を使用していたが,いずれも義足不適合の状態であり,歩行時疼痛や歩容不安定などの歩行障害を呈していた.これに対し,懸垂方法を吸着式に変更したところ,TUGでは快適歩行:11.8秒→9.67秒・最大歩行:9.68秒→7.88秒,10m歩行では快適歩行:9.45秒(20歩)→7.82秒(17歩)・最大歩行:7.5秒(17歩)→6.3秒(16歩)など歩行改善を認めた.これらの結果報告を文献による考察も交えて報告する.

 

 

12.ヒンジ型人工膝関節置換術後におけるリハビリテーション治療の検討

信州大学医学部附属病院リハビリテーション科

吉村智樹,堀内博志,石田ゆず,長峰広平,宮岡嘉就,池上章太

 

TKA術後のリハビリテーションプロトコールはほぼ確立されていると思われるが,特殊な症例に用いられるヒンジ型TKAに対しては,別のリハビリテーションプログラムが必要となる.今回,我々は3例のヒンジ型TKAのリハビリテーションを経験した.この機種の特性を考慮して,積極的な膝関節可動域訓練は行わず,歩行と膝関節周囲筋力訓練を中心に行った.しかし,術後3か月程度で3例ともに屈曲120°が可能となっており,当科のプロトコールの妥当性が確認できた.

 

 

13脊椎アライメントの悪化は運動機能の低下・ロコモを示唆する

信州大学医学部附属病院リハビリテーション科

吉村智樹,池上章太,石田ゆず,長峰広平,宮岡嘉就,堀内博志

 

一般住民研究「おぶせスタディ」にて脊椎アライメントと運動能力を調査し,その関係を明らかにする.対象は5089歳の男性203名,女性209名の計412名.脊柱アライメントとしてsagittal vertical axisSVA)他を計測,運動機能として片脚起立時間,ロコモ度テスト(立ち上がりテスト,2ステップテスト)を評価した.脊椎アライメントの悪化は運動機能の悪化,ロコモの可能性と関連していた.特にSVAのバランス能力に対する影響は顕著で,SVA1標準偏差(44mm)前方化すると,同年代の平均と比べて片脚立位時間は平均3.8秒短縮した.姿勢が悪い住民はロコモの危険性が高まっていると考えられる.

 

 

 

 


 

 

 

総会

12:50 - 13:00

研修会に先立って総会を行います.ぜひご参加ください.

 

 

専門医・認定臨床医生涯教育研修会

特別講演 13:00 - 15:00

講演1

パーキンソン病におけるニューロリハビリテーション

 

名古屋市立大学大学院研究科リハビリテーション医学分野  植木美乃

                 司会:岐阜大学医学部附属病院 青木隆明

講演2

リハビリテーション医学道のすすめ

 

  医療法人ちゅうざん会ちゅうざん病院  田島文博

                  司会:愛知医科大学 尾川貴洋

 

 

◎日本リハビリテーション医学会専門医・認定臨床医認定単位について

地方会学術集会:学会参加は専門医1単位,認定臨床医10単位

         発表筆頭演者は専門医1単位,認定臨床医10単位

参加費:1,000

 

生涯教育研修会1講演毎に専門医1単位,認定臨床医10単位

     受講料:1講演毎に1,000

         認定単位非取得者は単位数に関係なく受講料1,000

 

◎認定臨床医資格要件

認定臨床医認定基準第222号に定める指定の教育研修会(必須以外)に該当します.

平成19年度より「認定臨床医」受験資格要件が変更となり,地方会で行われる生涯教育研修会も1講演あたり10単位が認められます.

 

 

当番幹事:佐々木裕介 〒500-8513 岐阜県岐阜市鹿島町7-1

               岐阜市民病院リハビリテーション科