57回日本リハビリテーション医学会中部・東海地方会学術集会

ならびに専門医・認定臨床医生涯教育研修会

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

日 時

2025 82日(土)

 

 

会 場

名古屋市立大学病院 中央診療棟3階 大ホール

名古屋市瑞穂区瑞穂町川澄1

 

 

 

日本リハビリテーション医学会中部・東海地方会

事務局:藤田医科大学医学部リハビリテーション医学講座内

 


 

 

 

学術集会

 

般演題 9:00 - 12:10

 

 

座長 岐阜市民病院 佐々木裕介

 

1.左レンズ核線条体動脈の脳梗塞症例に対しHybrid Assistive Limbを用いたリハビリテーションを施行し歩行能力の改善を認めた一例

名古屋市立大学医学部附属みらい光生病院

前山京子,井田塁童,植木美乃

 

X3Y日,左レンズ核線条体動脈の脳梗塞を発症した50歳代女性に対し,Hybrid Assistive LimbHAL)を用いた歩行訓練を実施した.HALは週23×4週間で合計10回実施した.その結果,歩行速度が25.83m/分から,42.09m/分に上昇し,歩行率は52.65/分から61.91/分へ向上した.また,Fugl Meyer AssessmentFMA)下肢は入院時16/34であったが,HAL介入後は22/34まで改善した.亜急性期脳梗塞患者に対するHALを用いた歩行訓練の有用性が示唆されため報告する.

 

 

 

2.ボツリヌス療法薬剤効果の比較

名古屋市総合リハビリテーションセンター脳神経内科

名古屋市立大学リハビリテーション科

堀本佳彦,安達大祐,稲垣亜紀,日比野敬明

 

【目的】A型ボツリヌス毒素療法(ボツリヌス療法)は,上下肢筋痙縮治療の有効性が広く受け入れられている.しかし,投与量制限が厳しいOnabotulinumtoxinAと,緩やかなIncobotulinumtoxinAの等価性は明らかでない.そこで,両者の差の有無を明らかにするため,ボツリヌス療法反復中の同一症例での投与結果を比較した.【方法】上下肢筋痙縮に対しOnabotulinumtoxinAによるボツリヌス療法を15.8 ± 9.7(1-28)回施行後IncobotulinumtoxinAに変更,7.8 ± 2.8回施行した連続18(59.3 ± 14.4)を対象に,投与前と1か月後(OnabotulinumtoxinA 35.8 ± 7.9日,IncobotulinumtoxinA 36.4 ± 7.7)Modified Ashworth Scale(MAS)の変化を投与効果とし,OnabotulinumtoxinAの最終投与とIncobotulinumtoxinAの最新投与効果を比較した.【結果】投与1回当りOnabotulinumtoxinAは上肢に271.1 ± 114.7単位,下肢に208.0 ± 48.0単位投与していたのに対し,IncobotulinumtoxinAは上肢に386.7 ± 27.7単位,下肢に375.0 ± 50.8単位投与,IncobotulinumtoxinAの投与量が有意に多く,上限の差を反映していた(上下肢ともp < 0.001).全18例で上肢に投与し,OnabotulinumtoxinA100単位当たりMAS 0.78 ± 1.92度改善,IncobotulinumtoxinA100単位はMAS 0.61 ± 1.11度の改善で,有意差を認めなかった(p = 0.415)10例は下肢にも投与,OnabotulinumtoxinA100単位当たりMAS 0.02 ± 0.57度の効果,IncobotulinumtoxinA100単位はMAS 0.05 ± 0.09度改善,有意差を認めなかった(p = 0.822).【結論】両製剤は等価で,高用量投与の許容に有効性を高める期待が持たれた.

 

 

 

3.視力視野障害や重度の記憶障害を伴う若年の重症脳出血両片麻痺患者に対するリハビリテーション介入の1

1藤田医科大学医学部リハビリテーション医学講座

2藤田医科大学医学部連携リハビリテーション医学講座

1小野佳希2角田哲也平野 哲大高洋平

 

症例は17歳男性.左後頭葉脳動静脈奇形破裂による脳出血及び急性水頭症を発症.脳室ドレナージ術,内視鏡的血腫除去術,経動脈的塞栓術,気管切開術,脳室腹腔シャント術を経て,発症92日目に経鼻胃管,気管カニューレ留置下で当院へ転院.初診時,発動性低下,両片麻痺,視力視野障害,記憶障害をはじめとする高次脳機能障害を認め,ADL全介助の状態であった.早期から両側長下肢装具での立位・歩行訓練等を行い,3食完全経口摂取,気管カニューレ抜去,家族介助下での歩行練習などが可能となり,自宅退院に至った.治療経過に文献的考察を加え報告する.

 

 

 

4.頭蓋胸椎固定術後,ADL全介助から回復期リハビリテーション病棟を経て社会参加が可能になった脳性麻痺患者の一例

信州大学医学部附属病院リハビリテーション科

健和会病院

成本 悠,西村慎也,高沢 彰,山本ひとみ,池上章太,堀内博志

 

アテトーゼ型脳性麻痺患者の頚椎変形に外傷性変化が加わり,四肢麻痺となった64歳男性の症例を報告する.元来,独歩可能.X年に交通事故後,左上下肢麻痺となった.X+1年,転倒し四肢麻痺となった.当院入院時,右斜頸,アテトーゼ運動に加え,新規の歯突起骨折,環軸椎亜脱臼を認めた.頭蓋胸椎固定術を行い,右上下肢の麻痺は改善.FIM36点.回復期病院に転院し嚥下機経口摂取を獲得,FIM55点に改善し自宅退院となった.

 

 


 

 

 

 

5.子宮体癌治療中の頭部外傷患者に対するリハビリテーション治療の一例

1藤田医科大学医学部リハビリテーション医学講座

2藤田医科大学医学部連携リハビリテーション医学講座

1尾崎 仁2角田哲也平野 哲大高洋平

 

59歳女性.子宮体癌III期に対して抗がん剤治療等にて入院加療中,ベッドから転落し急性硬膜下血腫を受傷され,開頭血腫除去術施行された.受傷51日目に当院リハビリテーション科に転院となった.初診時,運動麻痺は明らかでないが,軽度の失語症,食思不振,低栄養,廃用性筋力低下,運動耐久性低下を認め,一日の大半をベッド上で過ごしており,ADLは一部介助を要していた.低強度からリハビリを開始しつつ,本人との対話を通じて食事の見直しや亜鉛剤内服等を行い,食事摂取量改善,筋力・運動耐久性改善を認め,当院入院58日目に独歩自立の状態にて自宅退院となった.文献的考察を加え,報告する.

 

 

 

座長 岐阜大学 國枝顕二郞

 

6.兵頭スコアのスコアリングの妥当性についての検討

1名古屋市立大学大学院医学研究科リハビリテーション医学分野

2医療法人済衆館済衆館病院リハビリテーション科

3名古屋市立大学医学部附属東部医療センターリハビリテーション科

4名古屋市立大学医学部附属みらい光生病院リハビリテーション科

1,2鬼頭陽平,1,3青山公紀,1,4植木美乃

 

【目的】兵頭スコアのスコアリングの妥当性を検証する.【方法】当院で摂食嚥下介入した32症例について後方視的に検討した.兵頭スコアの下位項目どうしのデータの独立性を検証し,兵頭スコアの下位項目とVEFunctional Oral Intake ScaleFOIS)の関連を検証した.【結果】独立性を認めない兵頭スコア下位項目を認めた.兵頭スコア下位項目単独ではVEFOISとの関連を認めない項目を認めた.【結語】兵頭スコアについて,少なくとも評価項目やスコアリングの重みづけについては最適化の余地があると考えられた.

 

 


 

 

 

 

7.脳幹圧迫を伴う頭蓋底骨転移による嚥下障害に対し嚥下訓練が奏効した一例

名古屋大学医学部附属病院リハビリテーション科

植竹実紗,下野圭子,上見亮太,中村匡孝,玉井花菜子,山口大貴,西田佳弘

 

症例は59歳男性.嗄声,嚥下障害,頸部痛を主訴に受診.精査にて腎細胞癌による頭蓋底および第2頚椎への骨転移と診断され,手術,放射線療法,化学療法が行われた.入院初期より摂食機能療法として徒手的頸部筋力訓練,直接訓練,食形態調整を行い,嚥下機能の改善が得られた.頭蓋底骨転移は稀で神経症状は多彩だが,本例では脳幹圧迫・腫瘍の脳神経直接浸潤により嚥下障害が顕著であったと考えられる.嚥下訓練の有用性が示唆される一例として報告する.

 

 

 

8入院関連嚥下機能低下のリスク因子に関する探索的検討

1三重大学医学部附属病院リハビリテーション部

2東京女子医科大学病院リハビリテーション科

3長崎県立大学大学院地域創設研究科

4順天堂大学医学部附属順天堂医院薬剤部

5大阪大学医学部附属病院摂食嚥下センタ−

1川村 麗,1百崎 良,2若林秀隆,3西岡心大,2永井多賀子,4小瀬英司,5橋田 直,

1牛田健太

 

我々は高齢入院患者における入院関連嚥下機能低下のリスク因子を検討した.多施設データベースを用い,急性期病棟に入院した70歳以上の患者205例を対象に検討したところ,17.1%の患者に入院後の嚥下機能低下が認められた.嚥下機能低下群と非低下群とを比較したところ低栄養,併存疾患尺度,入院時薬剤数に有意差を認めた.入院時の栄養状態,併存疾患や多剤内服は入院関連嚥下機能低下のリスク因子になりうる可能性が示唆された.

 

 


 

 

 

 

9.経口摂取時の人工鼻の気管孔への装着が誤嚥防止に有効であった喉頭癌術後の脳梗塞患者の一例

藤田医科大学医学部リハビリテーション医学講座

平井勇也,松浦広昂,大高洋平

 

81歳男性.喉頭癌に対して部分切除術後で,声帯機能は保たれていたが,気管孔形成の上,人工鼻を装着していた.脳梗塞で入院し,軟菜食を全量経口摂取できていたが,痙攣発作と誤嚥性肺炎を併発し欠食となった.人工鼻非装着時では内服時でも誤嚥していたが,嚥下造影検査にて,装着時は誤嚥なく摂取が可能であることを確認した.経口摂取時の人工鼻装着を徹底することで,3食自己摂取が可能となり,施設に退院となった.気管孔の閉鎖が,声門下圧の再構築によって誤嚥の防止に寄与したと考えられた.

 

 

 

10.バルーン訓練によって食道入口部の開大が改善した左下位脳神経麻痺の一例

愛知医科大学リハビリテーション医学講座

田中聖慈,中濵潤美,鳥居玲奈,尾川貴洋

 

60代男性.嚥下困難感および嘔吐を主訴に当院を紹介受診し脳神経内科にて精査目的に入院となった.血液検査,頭部MRI,髄液検査,神経学的診察など諸検査を行い,左第Ⅸ,Ⅹ,Ⅻ脳神経麻痺と診断されステロイドパルス療法が開始され,リハビリ治療目的に当科紹介.嚥下造影検査にて食道入口部の開大不良を認めバルーン訓練を行ったところ,開通が得られるようになった.むせ改善を認め退院.その後も問題なく食事摂取できている.

 

 

 


 

 

 

座長 愛知医科大学メディカルセンター 橋詰玉枝子

 

11.糖尿病性神経障害/肥満による変形性足関節症に装具療法が奏功し著明な歩行速度の改善を認めた64歳女性

JA静岡厚生連遠州病院

和泉未知子,山本麻里奈,鈴木麻千子,蓮井 誠

 

【症例】うっ滞性皮膚炎による下腿蜂窩織炎で複数回入院歴のある64歳女性.XY月,下腿蜂窩織炎再発し当院入院.廃用が進行しY+3月に当科転科となった.既往の糖尿病性神経障害や肥満の影響で左足関節の外反変形・疼痛が生じており,装具療法を検討した.SHBYストラップを付帯させ,足関節の背屈制限に対し踵側に補高を行った.結果,足関節の疼痛/浮腫が著明に減少し,歩行速度の大幅な改善を認めた.【考察】変形性足関節症に装具療法が著明に有効であった例を経験したので文献考察を加えて報告する.

 

 

 

12.左股義足歩行訓練中に右脛骨脆弱性骨折をきたした症例への歩行再建アプローチ

浜松医科大学医学部附属病院リハビリテーション科

小笹陽子,髙橋麻美, 佐藤知香, 磯部貴之, 福豫詩絵莉, 山内克哉

 

切断者の義足歩行おいて,非切断側の麻痺や骨折などの合併症により,歩行獲得に難渋するケースがある.今回,非切断側に骨折を発症したが,装具と股義足の併用で歩行訓練再開に至った症例を経験したので報告する.症例は57歳,女性.左大腿切断後短断端に対し左股義足を作製したが,歩行訓練開始後に右脛骨遠位に脆弱性骨折を発症した.そこで,右下肢のPTB装具を作製し,左股義足と併用することで歩行訓練の再開に至った.

 

 

 

13.術前歩行不能例に対してリハビリテーション治療が奏功した人工膝関節置換術の2

信州大学医学部附属病院リハビリテーション科

西村慎也,成本 悠,吉村智樹,松嶋 聡,高沢 彰,長峰広平,池上章太,堀内博志

 

人工膝関節置換術(TKA)において,術前歩行不能であった2例に対し,術前から大腿四頭筋の筋力トレーニングを中心としたリハビリテーション治療を導入した.結果,術後早期に杖歩行を獲得できた.高齢や重度の歩行制限はTKA後の転帰に影響するが,術前歩行不能であっても適切な術前リハビリテーション介入により良好な機能回復が可能であった.術前からのリハビリテーションの導入は歩行不能患者のTKA後の転帰改善に寄与する可能性がある.

 

 

14.義手・義足作製と歩行訓練により屋内歩行自立を獲得した高齢三肢切断の1

1藤田医科大学医学部リハビリテーション医学講座

2藤田医科大学病院リハビリテーション部

東名ブレース株式会社

1東 耕平,1松浦大輔,1稲垣良輔,1前田寛文,2加藤義隆,2小林篤哉,2竹内 馨,

大橋司雅,1大高洋平

 

症例は70歳代男性.A群β溶血性連鎖球菌の菌血症により,右上腕・右下腿・左大腿に壊死性筋膜炎を発症し,三肢切断が施行された.右上腕義手に可変式肘継ぎ手,C型手先具を,左大腿義手にロック式単軸膝関節を,右下腿義手にピン懸垂式TSBソケットをそれぞれ採用した.リハビリテーション病棟で集中的歩行訓練を実施し,左T杖,右ロフストランド杖使用で,左膝関節ロックでの歩行修正自立を獲得した.

 

 

 

 

15屋外歩行訓練中の転倒リスクに関する検討

社会医療法人愛生会上飯田リハビリテーション病院

榎本木乃美,伊東慶一,植木美乃,平田貴大

 

リハビリテーション中の転倒について,屋内に関する報告は多いが屋外歩行訓練中の転倒に関する検討は少なく,リスク把握が不十分であると考えた.安定した屋内歩行能力やFIM高得点であっても屋外歩行訓練中に転倒する症例がみられる.本研究ではこれらの症例を検討し,身体機能のみでなく訓練環境や心理的要因など多面的な視点からリスクを捉える必要性が示唆された.今後,屋外歩行訓練の開始基準や安全対策の明確化が求められる.

 

 


 

 

 

16.ベトナム在住者における右下腿切断症例に対する装具作製:海外での使用,メンテナンスを見据えた対応

1藤田医科大学医学部リハビリテーション医学講座

2総合犬山中央病院リハビリテーション科

3総合犬山中央病院リハビリテーション部

4総合犬山中央病院地域医療連携室

1,2平岡繁典,2杉本友宏,3吉村勇希,4小林伸一

 

日本での労働災害により右下腿切断に至ったベトナム人男性に義足を作製した.作製後すぐの帰国を希望され,母国でのメンテナンスが課題であった.特にシリコンライナーの入手可能性に懸念があり現地病院への照会に時間を要した.対応可能な病院が見つかり義足作製に至ったが,入院期間が長期化してしまった.海外患者の義足作製においては,現地の医療体制の確認と情報収集が重要であり,事前の準備が円滑な治療と帰国後の生活支援に不可欠である.

 

 

 

座長 愛知医科大学 中濵潤美

 

17.入院関連能力障害の危険因子に関する探索的検討

1三重大学医学部附属病院リハビリテーション部 

2東京女子医科大学病院リハビリテーション科

3長崎県立大学大学院地域創生研究科 

4順天堂大学医学部附属順天堂医院薬剤部

5大阪大学医学部附属病院摂食嚥下センター

1小笠原嬉乃,1百崎 良,2若林秀隆,3西岡心大,2永井多賀子,4小瀬英司,5橋田 直,

1牛田健太

 

入院を契機として日常生活動作に介助が必要となる入院関連能力障害の危険因子を検討するため,国内7施設の急性期一般病棟に入院した70歳以上の高齢者206症例を解析した.入院関連能力障害の発生割合は29%であり,入院関連能力障害発症者は非発症者に比べ,フレイル(38.3 vs 13.7%),低BMI23.3 vs 11.6%),重度低栄養(25.0 vs 15.7%)を背景に持つ者が多かった.入院時のフレイルや低栄養は退院時のADLに大きな影響を及ぼす可能性がある.

 

 

 

 

 

 

18.劇症型A群溶血連鎖球菌感染症治療後にリハビリテーションを行い生活復帰に至った一例

鹿教湯三才山リハビリテーションセンター鹿教湯病院リハビリテーション科

吉田悠紀,森泉秀太郎,片井 聡

 

劇症型A群溶連菌感染症は致死率の非常に高い疾患として知られている.また,救命後の回復期リハビリテーションについては報告が少ない.本症例は血液培養ならびに膝関節穿刺液より同菌感染を指摘され,全身抗菌薬投与ならびに局所高濃度抗菌薬還流療法を行い救命された.救命直後は寝たきりの状態であり在宅復帰を目的としたリハビリテーション治療目的で当院に入院された.リハビリテーションの結果,社会復帰できるまでに改善を認めた.

 

 

 

19.リハビリテーション訓練中の起立性低血圧におけるβ遮断薬の影響が疑われた2症例

岐阜市民病院リハビリテーション科

佐々木裕介

 

急性期病院でのリハビリテーション訓練中,起立性低血圧は頻繁にみられ,的確な診断と対応が求められる.近年,心疾患や高血圧に対して広く使用されているβ遮断薬は,交感神経抑制作用により起立性低血圧を引き起こすことがある.今回,訓練中に起立性低血圧を呈し,β遮断薬が原因と考えられた2症例を経験した.いずれも薬剤の中止・減量により症状が改善し,歩行訓練が可能となったため,薬剤評価の重要性が示唆された.

 

 

 

20.愛知医科大学病院におけるリハビリテーション診療の取り組み

愛知医科大学医学部リハビリテーション医学講座

鳥居玲奈,田中聖慈,中濵潤美,尾川貴洋

 

20251月に治療施設として,プロリハリハビリテーションセンターを開設した.プロリハとは,リハビリ科医による適切な医学的管理下で行う医学的知識と技術的に習熟した療法士により早期からの高負荷・長時間の積極的リハビリ治療のことである.通称GRAILと呼ばれる動作解析装置の導入したことで,より精密に動作解析を行い,個々に合わせた治療プログラムを設計できるようになる.超急性期・高度リハシステム導入により患者の『活動』を全身管理の下で評価,解決し,全身を診る医療者の育成,臨床研究の実践,回復期リハ施設への良好な連携など多大な貢献ができる.

 

 

 

 

21.下肢リンパ浮腫に対する入院での集中排液が有効であった1

浜松医科大学医学部附属病院リハビリテーション科

浜松医科大学医学部附属病院リンパ浮腫センター

前川翔太郎,鈴木麻千子,森下瑠美,髙嶋俊治,永房鉄之,福豫詩絵莉,小笹陽子,

磯部貴之,佐藤知香,高橋麻美,安田千里,佐野真規,山内克哉

 

症例は60歳女性.幼児期に右足底部の熱傷を負い,瘢痕部の有棘細胞癌を発症,43歳で腫瘍切除術及び右鼠径リンパ節郭清術を受けた.術後数年で右下肢リンパ浮腫が出現し徐々に増悪,蜂窩織炎を繰り返すようになったため,当院に紹介となった.入院での圧迫療法による集中排液,運動療法を行い,下肢体積は改善し,弾性着衣を着用し退院した.蜂窩織炎は再燃なく経過している.入院でのリンパ浮腫治療に関して文献的考察を加えて報告する.

 

 


 

 

総会

12:50 - 13:00

研修会に先立って総会を行います.ぜひご参加ください.

 

 

専門医・認定臨床医生涯教育研修会

特別講演 13:00 - 15:00

講演1

リハビリテーション治療がすすむ!低侵襲脳神経外科の世界

愛知医科大学脳神経外科 渡邉 督

         司会:愛知医科大学医学部リハビリテーション医学講座 尾川貴洋

 

講演2

意識障害とリハビリテーション医療

 日本大学医学部リハビリテーション医学分野 新見昌央

       司会:愛知医科大学医学部リハビリテーション医学講座 尾川貴洋

 

 

◎日本リハビリテーション医学会専門医・認定臨床医認定単位について

地方会学術集会:学会参加は専門医1単位,認定臨床医10単位

         発表筆頭演者は専門医1単位,認定臨床医10単位

参加費:1,000

 

生涯教育研修会:1講演毎に専門医1単位,認定臨床医10単位

     受講料:1講演毎に1,000

         認定単位非取得者は単位数に関係なく受講料1,000

 

◎認定臨床医資格要件

認定臨床医認定基準第222号に定める指定の教育研修会(必須以外)に該当します.

平成19年度より「認定臨床医」受験資格要件が変更となり,地方会で行われる生涯教育研修会も1講演あたり10単位が認められます.

 

 

当番幹事:尾川貴洋 〒480-1195 愛知県長久手市岩作雁又1-1

              愛知医科大学医学部リハビリテーション医学講座