PWの長下肢装具の設定

大腿部の設定
1、外側:大転子のすぐ中枢部まで
2、内側:会陰部の35〜40mm下方まで
全体として大腿部のカフは近位部が四角形となるようにし、回旋、側方への安定性をえる。そのため後面と内側壁の角度は約97度とする。

下腿部の設定
冠状面において中間位、矢状面において膝関節0度伸展位で、約2〜3度背屈に傾き、横断面において大腿内側面を進行方向に対して10〜15度 toeoutするように設定する。
下腿部の足関節の部分を強固(rigid)にするためカーボンファイバーインサートなどを用いる。
足底部は足部全長として足部内側および外側壁は第1および第5中足骨頭部までのトリミングにとどめる。

両長下肢装具の外転角度の設定
身長にあわせ、両足部が適切な歩隔になるように調節する。

装具のチェックポイント
安定した立位を獲得するために極めて厳密な対称性と接地安定性が要求される。
例えば症例の下肢が非対称であっても装具は厳密に対称的に作り、装具と身体との間をパットなどで補正する。特に重要なのはAFO部分の背屈角度を揃えることである。装具単体で立たせた場合の充分な接地安定性を確認する。多くの場合、初回装着時に安定した立位が達成できる。
歩隔が広いと立位安定性はよいが、歩行時に回旋運動が起きやすくなるため装具の外転角度を変える際は、細心の注意が必要となる。
装具仮合わせの際は、まず感覚障害の有無を確認し、障害がある症例に対しては十分注意して装具が身体を圧迫していないか確認することが重要である。

はじめての立位保持の際の注意点
膝が屈曲していないか
大腿カフと下腿カフの位置関係は適切か
座骨を大腿カフの中枢部で圧迫していないか
装具、及び身体が左右対称であるか
C-postureがとれるか、とれない場合は何が原因か(ROM制限、背屈角度不十分など)
下腿部の足関節の部分は強固であるか
jointは抵抗なくスライドするか