リハビリテーションのありかたは、突き詰めると私たちのスタイルになる

藤田保健衛生大学医学部リハビリテーション医学講座 教授 才藤栄一

リハビリテーション医学・医療は,「生活(活動)」に焦点を当てた医学・医療です.それは,動物機能を指向し,生理学・運動学を基礎とし,運動・認知学習を武器とし,工学・心理学を援用して,患者のよりよい生活を再建するシステムであるという点で,極めてユニークです.

その組織は,生理学・運動学に精通して学習という概念を理解したリハ科医師,運動・認知の制御・学習を駆使できる理学療法士・作業療法士・言語聴覚士,活動障害を熟知したリハビリテーション工学士・義肢装具士,そして,その成果を生活に般化できる看護師,社会化の援助をするケースワーカーといったエキスパートなどからなる集合体です.そのシステムの運営には,分化-統合,自律-完結という成員・組織両者のダイナミクスの精緻化が必須です.

このように考えたとき,その場は「方向性を見いだした活発なシステム」であるべきです.また,常に先端を行く学習・研究機能,効率を指向した評価機能,そして,自由なコミュニケーションと探索的行動を賦活する輝く文化が不可欠です.

われわれは,「考え得る最高のリハビリテーション医学・医療を創り出し,その文化を普及,発展させることで,社会,患者に貢献する」という使命を果たすべく,総合的リハビリテーションシステムを追求しています.先進的でパワフル,かつ,利他的なリハビリテーション医学・医療の実現は,社会から希求されている大きな課題です.私たちは,「一緒に進んでくれる仲間」をひとりでも多く作りながら,この課題に果敢に取り組んでいきます.

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2000/11/20 Saitoh E (2006/6/26改訂)