
講師 荒井由美子先生
国立長寿医療センター 長寿政策科学研究部長
講演内容 「介護保険と家族介護」
高齢者になることを健常者はどう思うのか、から話が始まりました。要介護、がん・認知症に罹患すること、経済面を心配しているとのことでした。介護のために離職・転職したのは20万人であり、また要介護高齢者に憎しみを感じることがあったのは35%との報告も示されました。
このような背景のもと、介護負担(Zaritによる定義で「親族を介護した結果、介護者が情緒的・身体的健康、社会生活および経済状態に関して被った被害の程度」)を定量化するものとして、Zarit Burden Interview (ZBI)を紹介されました。荒井先生の日本語版を作成経緯が続き、短縮版J-ZBI-8が紹介されました。
実際の状況として、京都府での訪問看護の調査を示されました。不適切処遇の経験者が35%あり、不適切処遇が増える要因として、「寝たきり度が軽い、続柄が子供、聴覚障害有り、問題行動が多い」などが挙げられました。これらは介護が思うに任せない状況にあると解釈出来るようです。在宅介護が継続出来ないと回答した介護者は40%だそうです。
通常の統計方法だとサービス利用量と障害の重さの関連の強さに引きずられやすいサービスと介護負担と利用の関係は、共分散構造分析という因果関係を検討する解析を用いれば関連しているとのことでした。1年後に介護負担が大きく悪化しやすいのは、問題行動、痴呆、介護時間4時間以下かどうか、外出が3時間以上ですからサービスの利便性も介護負担に大きく影響してくるわけです。
最後にZBIとADLの関係などいくつかの質疑があり、興味深い講演の幕が降りました。
会場 アスト津
三重県中勢地域リハビリテーション広域支援センター指定講演です。