第107回七栗リハビリテーションセミナー

日程

2017.11.15(水)

講師

北川晶子先生 (三重県厚生農業共同組合連合会鈴鹿中央総合病院 摂食・嚥下認定看護師)

演題名

食べたい思いに寄り添う看護 ~私たちに出来る事~

内容

 日本の高齢化の現状と、加齢に伴う摂食嚥下機能の問題からお話が始まった。
加齢に伴う身体機能の変化には、摂食嚥下にとって不利となることが多く含まれている。その一方で、高齢者にとって食事というのは日常生活において楽しみな場面の1つとなっている。
安全で安心のできる食事場面を提供するために、私たちに何ができるのか。
それは大きく4つの内容がある。
「環境調整」「姿勢調整」「食形態の選定」「摂食方法の調整」だという。
環境調整では、食事場面の提案から、使用する食具やその工夫について挙げていただいた。いかに食事に集中できる環境で、持っている能力を最大限に活かせる食具を使用するかが重要とのこと。
 姿勢調整では、実際に来場者に姿勢を崩した状態で嚥下することも体験してもらいながら、ポジショニングの大切さを説明していただいた。
食形態の選定では、臨床場面で感じるジレンマを、「Jonsenの臨床倫理の4分割法」を用いてどのように整理するのかも提示していただいた。
摂食方法の調整では、食事場面における一口量、食べる速さから、咽頭残留を除去するための具体的な方法まで紹介していただいた。

 上記の内容を、実際の症例を提示しながら分かりやすくまとめていただき、明日からの臨床で生かせることが多くあった。
私たちの少しの配慮が、患者さんの摂食嚥下にとって大きな影響を及ぼすことが理解できた。

 

 

 

会場

三重県総合文化センター

2017.11.16