日程

2010年7月30日(金)  講演 18:30-20:00

講師

神戸大学大学院保健学研究科リハビリテーション科学領域 種村留美教授

Prof. Tanemura演題名

頭部外傷後の高次脳機能障害-注意・記憶・遂行機能-

講演内容

まず注意・記憶から講演は始まりました。注意は高次脳機能の土台とのことで、3つの注意ネットワーク(背側、腹側、覚醒ネットワーク)、Norman-Shalliceのモデルなどを習いました。「何かしないといけなかったけど,忘れてしまった」というとき、存在想起(注意処理)はできているが内容想起(記憶想起)に失敗している、と解釈するなどわかりやすい例えが連発されました。

注意障害への対応として、時間的圧迫感の管理、何をしようとしているかのオリエンをする、疲労と注意を自己モニタするようにさせる、自己管理などを説明して貰いました。注意のリハが、記憶のリハなどの基本になるとの認識が再度強調されました。

Prof. Tanemura記憶のリハでは、PQRST法、誤りなし学習、イメージ活用、アルバム療法などが列挙され、さらに補綴手段に進みました。注意への対応をベースにした記憶のリハが奏功したケースを示して貰いました。

最後に遂行機能に進みました。遂行機能のピラミッドモデルから、アクションスリップにも触れて頂きました。遂行機能のリハにおいて、グループの中にいると「モニタリング」が効くので自分の病態認識(自己の内省)に良い影響があることを教えて貰いました。生活が出来るか具体的に考えて貰うなど、具体的問いかけも提示されました。気をつけなければならないストレスへの対処法も臨床現場ですぐ使える内容を習うことができました。

会場

三重県総合文化センター