第90回七栗リハビリテーションセミナー

日程

2015.1.14(水)  講演 18:30-20:00

講師

渡邊進先生 熊本機能病院 副院長

演題名

リハビリテーションに役立つチーム医療・医療安全術
- チームSTEPPS:Team Strategies & Tools to Enhance Performance and Patient Safety

 

講演内容

※以下の描写には、チームSTEPPSの研修内容の一部が含まれています。今後研修を受ける予定の方は、事前にグループワークの意図の一部が分かってしまうことをご理解の上、お読みください。 

 今回は、熊本機能病院の渡邊先生に、「リハビリテーションに役立つ-チーム医療・医療安全術-チームSTEPPS」について分かりやすくお話いただきました。
チームSTEPPSとは、医療の質、安全、効率を改善するエビデンスに基づいたチームワーク・システムである。つまり、チーム医療としてのより良いパフォーマンスと患者安全を高めるためのツールと戦略と考える事ができる。
 講義だけでなく、様々なチームトレーニングの実践により、メンタル・モデル(信念、思想、固定観念など)の共有を深める事を経験できた。
「チームの鎖」という課題では、メンバー5人で紙をはさみで切って、のりを着け、紙を輪にして鎖型にし、幾つ結べるかというゲームを3回行った。1回目では、リーダーの存在もなければ、メンバーの役割も不明確であり、個々がそれぞれ必死に作成する場面がみられた。2回目になると、チームを取りまとめる「リーダー」が出現し、効率の良い方法の検討、メンバーの役割を明確にするよう前回の振り返りを行っていた。3回目となると、徐々に課題にも慣れてきて、お互いの動きを観察できるようになった。その結果、他のメンバーを支援、助け合うという行動が生まれ始めた。自ずと、鎖の数も徐々に増加していった。今回、実践した課題から得られた知見は、普段の臨床に通ずる事が多い。臨床で存在する問題点を改善する際、一つの目標を達成する際には、同様のチームワークが必要となる。
 多職種で構成される患者さんのケアチームが、1.リーダーシップ、2.状況モニタリング、3.相互支援、4.コミュニケーションという4つの主要技能を体得・実践する事で、メンタルモデルの共有(コミュニケーションを通して医療行為に関する認識、理解、知識などがチームメンバー間で共有されていること)をはかることで、チームとして安全で有益な知識・考え方、態度、成果が得られる。

 

会場

三重県総合文化センター

2015.1.17