第95回七栗リハビリテーションセミナー

日程

2015.11.27(金) を予定 講演 18:30-20:00

講師

藤田 正明先生(総合リハビリテーション 伊予病院 院長)

 

演題名

障害児・者の生活を支えるリハビリテーション

講演内容

 本日は、伊予病院の藤田正明先生に、「障害児・者の生活を支えるリハビリテーション」について、具体例を挙げながら分かりやすくお話して頂きました。

 療育とは、時代の科学を総動員して手足の不自由をできるだけ克服し、それによって幸いにも回復(快復)したる回復能力と残存する能力と代償能力の三者の総和であるところの復活能力をできるだけ有効に活用させ、もって自活の途の立つように育成することである(高木1942)。分かりやすく言えば、注意深く特別に設定された特殊な「子育て」と考えられる(高松 1990)。

 主な対象は発達期(小児期)の方であるが、各年齢(ライフステージ)における役割獲得への支援が非常に大切である。疾患としては、出生時、出生前、周生期に生じた障害から、後天性で生じたものまで様々である。伊予病院では、乳幼児や学童、学童以降の年齢の障害児・者の入院リハビリを行っている。例えば、回復期病棟では学童期の頭部外傷患者のリハビリにて、試験登校と学校訪問実施や教師来院などだけでなく、学校環境評価や必要な改修などを行い、復学を支援している。入院中の患者全例に対して、これらの介入を行っている。回復期リハ病棟非対象の患児には、短期・長期入院リハ、肺炎治療、術後リハなどの目的で入院できる障害者施設等入院病床(一般病棟)も配置している。その他、発達障害児・者への外来リハも積極的に行っている。
 リハビリを実践するポイントは、医学的視点(基礎疾患や合併症の管理など)、機能的視点(機能獲得と生活)および心理社会的視点(社会参加)からひとりの人間として、地域で生活することを支援する事である。

会場

三重県総合文化センター

2015.11.27