藤田・青島リハビリカンファ

2007713日〜15

2007713日から23日,藤田保健衛生大学リハビリ部門10名は,中国青島大学医学部リハビリ科を訪問しました.青島大学医学部リハビリ科王強教授(3年前まで藤田に留学)のご招待によるもので,現地で合同カンファレンスを行ってきました.

 

1日目:713日(金)

 

セントレアから飛行機で3時間.気候は日本と大きくは変わらない,中国東海岸の街,青島空港に降り立ちました.

青島市は人口710万人.1898にドイツの租借地となり,ドイツ海軍のアジアにおける本拠地として発展し,街並みや街路樹、上下水道などが整えられました.もちろん青島ビールも,ドイツ文化の名残です.その後,青島市は一時,日本軍の占領下に置かれたこともあるそうです.

青島空港に到着!

 

青島空港で王強教授(先述)と王春蓮先生(青島大学医学部産婦人科医師:日本に留学の経験があり,王強教授がガイドと通訳を依頼)のお出迎えを受け,海天飯店(ホテル)にチェックイン.

その後,早速,幸福酒店(レストラン)で中華料理の歓迎会.円卓を埋め尽くす料理,料理,料理・・・これには圧倒され続けました.また中華料理といっても,日本で食べる物とはまず食材から違います.幼虫,豚の腎臓,得体の知れない海洋生物に一同びっくりでした. 

これから始まる3日間,私たちがこれまで知っていると思っていた,制度や風習,料理のあまりの違いに,改めて世界の広さを実感しました.

 

幼虫も食べられます

 

夕方には,昔中国が作った突堤「桟橋」を見学し,またしても豪華な夕ご飯でおなかを満たしました.こうして,翌日の発表にドキドキしながらも,一日目の夜は更けていきました.

 

観光名所の「桟橋」

 

2日目:714日(土)

 

この日は一日,青島大学医学部にお邪魔しました.

青島大学医学部付属病院は病床数1200床の巨大病院で,最先端の医療機器を備え,外国人用外来も備えた大学病院です.診療科ごとに立派な入院棟をもち,それぞれの建物どうしは全くつながっていません.また敷地内には,旧日本軍が建てたという施設(現在は検査科)もいまだに使用されています.なんと感染症科に下痢専門部門もあり,一同驚きでした.

合同カンファレンスは構内のすばらしい講堂で,地元の療法士なども参加し,大盛況でした.研究会では青島大学医学部より2題,藤田リハビリ部門より6題の発表がありました.

 

青島大学医学部

 

 

参加者一同

合同カンファレンス会場

 

青島大学医学部リハビリ科では,病棟,訓練室の見学をさせていただきました.病棟には看護師の数が少なく,身の回りの世話は家族が泊まり込みとのことでした.また,訓練室内には鍼灸部門もあり,中国ならではの配置に納得.勤務する療法士の方々との懇談もあり,中国では,療法士は学生の間はPTOTSTの区別はなく,卒業の時点で進路を決めるとのことでした.

 

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リハビリ科への案内板

 

リハビリ科訓練室

 

感染症科の下痢部門

 

夜はドイツ租借地時代に建てられた町並みを見渡すレストランで,合同カンファレンスの成功を祝って食事会.一同,肩の荷が降りてほっと一息です.乾杯は,グラスで円卓を打ち鳴らすのが中国風.この夜,皆で何回乾杯をしたことでしょう・・・

 

乾杯では,グラスで円卓を叩くのが風習

(ドイツ租借地の町並み)

 

金田先生,お誕生日おめでとうございます!

(印鑑のプレゼント)

 

やっぱり青島ビール

夏祭「青島の夏」

 

 

3日目:715日(日)

 

最終日は,市内ドライブ,お土産屋巡り,お昼ご飯の後,青島空港へ.

台風による遅延で飛行機を6時間待ちましたが,無事セントレアに到着しました.

 

たった23日でしたが,私たちの脳裏には,中国の方々の暖かさと力強さが,今もはっきり残っています.

最後まで大盛り

 

王強教授,研究会への参加,そして全日程のお手配を頂きました.何も困ることなく,3日間滞在させていただきました.ありがとうございます.

王春蓮先生,研究会での通訳だけでなく,3日間,常に我々と行動を共にして頂き,本当に心強い存在でした.ありがとうございます.娘さんとまた日本にいらしてくださいね.

 

謝謝!!

(文責:沢田光思郎)

青島大学医学部リハビリ科からの発表演題】

l   Wang Qiang: Evalutation and treatment of unilateral neglect

l   Li Tieshan: Evaluation and treatment of spasticity

【藤田保健衛生大学リハビリ部門からの発表演題】

l   Saitoh E, Kanada Y: Introduction of the Fujita Health University Rehabilitation Organization

l   Baba M, Ozeki M: Dysphagia rehabilitation in Japan

l   Muraoka Y: Treadmill gait analysis I.–Development-

l   Kagaya H, Sawada K: Treadmill gait analysis II.–Clinical Applications-

l   Okazaki H, Sonoda S, Suzuki T, Okamoto S, Saitoh E: Evaluation of utility of SF-36 and cognition in stroke patients

l   Okamoto S: Effect of administration of anabolic steroid in hemiplegic patients during routine stroke rehabilitation