連載 カナダからの手紙     
 
 リハビリテーション専門学校 副校長 金田 嘉清
 
 
 寒い日が続いています.例年にもまして今年は風邪の職員が目につくようです.節分も終わり,皆様にはくれぐれもお体をいたわってほしく思います.今年,平成15年は藤田保健衛生大学リハビリテーション学科の申請の年です.申請の準備に日々追われておりますが,今後の予定を少しお話しいたしますと,3月初旬に文部科学省に申請前の伺いに行き,書類を見ていただいた後,4月30日に申請書を提出します.この申請書は学科設置の主旨から始まり,教育の方法,学生確保,就職状況,将来の展望全てを整えたものです.このため,どこの学校でも最低2年前から準備室を作って対処し,整えるものです.お陰様で藤田学園には平成4年開校のリハビリテーション専門学校があり,この実績と分析によって新たなリハビリテーション学科を作ることが出来ます.この事は他校の申請と比較して実証と検証が成されているところに大きな違いがあります.また,その上で行おうとしている教育方針(学内・卒後)は,全国の養成校を驚愕させ得るべきものであります.この後,7月に教員の申請を行います.皆様もご存知のように,日本では療法士養成校を作る場合,教員の確保が非常に難しい状況です.すでに実在する養成校の中でも教員が十分に確保出来ている学校は半分に満たない状況ですし,教員の質の問題も多く抱えています.藤田学園においては,藤田啓介総長先生の強い御指導のおかげで,平成4年から,本学医学部大学院での研究生・研究員制度の活用によって,多くの教員の育成を行ってきました.これは,歴代の専門学校の校長先生に引き継がれ,リハビリテーション学科の教員の9割は自前に申請できそうです.これは多分,日本では初めてのことと思います.更に,才藤栄一先生のご尽力により,日本における最高レベルの教員もそろう予定で,これが発表されると皆様もあっと驚かれると思います.この後,9月に全体的な書類を再度提出し,8月,10月とヒヤリングを受け,12月半ばに,設置許可が下りる予定です.この間,8月の終わりぐらいに,リハビリテーション学科新棟も完成し,引っ越し,内覧会を行います.全ての準備が終わりますと,学生募集に入ります.学生募集は設置許可が降りてからしか出来ないため,12月後半から始め,翌年の2月に入試を行います.平成16年度入試は,リハビリテーション専門学校と両方行うために準備から学生確保まで大変です.しかし,全てが我々の将来に向かっての大事な仕事ですので,気を引き締めて頑張りたいと強く思っています.
 
 理学療法士・作業療法士は今,存続の瀬戸際に立たされています.この事を真に知り,対処しようと試みている療法士の人がいったい何人いるでしょうか?日々の快楽と娯楽にうつつを抜かし,医療人としての本心を忘れている人が多くなっているようで心から寂しいです.先日もある施設の事務長殿から,療法士の求人に来た方が,面接で最初に言った言葉が「現在,これだけ給料をもらっているのですがここはいくらくれますか?」であったそうです.経験年数も3年目で,どう考えてもまだ半人前の療法士なのに,要求してきた内容は驚くべきものであったそうです.この様な傾向が療法士の職種では際だっているそうです.何かが変です.何かが・・・.

 我々は,常に療法士の原点に返って,頑張りたいと思います.そのために,今,与えていただいている機会は最高のものです.この機会を失うことなく前進したいと思います.皆様,宜しくお願いいたします.