「返書に込める思い」
第2病院 医師 小口 和代
リハは多くの場合,他科からの依頼が開始のトリガーとなる.この時,依頼箋というDr間のお手紙のやりとりがある.そして依頼箋のお返事はたいてい,「ご紹介ありがとうございました.」と締める.
第1病院で脳卒中の早期立ち上がり訓練が始まった頃,99/4に第2病院に赴任した.当院でリハ医(=私)は現在,整形外科以外が担当科のリハ患者を中心に診療している.自分が主治医の入院患者はおらず,外来患者と,他科が主治医である入院患者を診ている.私の関心事は,以下の2点であった.(1)
脳卒中患者のリハ依頼が,発症後どのくらいの時期に出るか.(2) どうしたら早目に,リハ依頼していただけるか.
そこで当院では,入院後1週間以内の依頼のお返事には,心をこめて,「早期よりのご紹介,誠にありがとうございました.」の7文字をつけ加えることにした.太字ではないけれど.
さてその効果,ありやなしや.
10月から新患リスト(整形外科の新患を除く)を作り始めた.ここで,11月にリハ依頼が出た脳卒中患者を分析してみよう.
脳卒中の発症がきっかけで入院した患者は5名(全28名)で,平均年齢は72才,注目の発症後期間は平均6.4日,全員病院のある区内の住民だった.Nがまだ少ないので断言はできないが,病棟によって入院からリハ依頼までの期間は差があるような印象だ.これを確認するためには,脳卒中の病型,重症度,併存症などなど,いろいろなデータが必要である.もしかしたら,各病棟の平均在院日数も関係があるかもしれない.が,まだデータがそろっていない.もちろん,病棟により返書に込める思いに差はない.今後の分析にご期待下さい.
病棟カルテのinitial planに,「リハビリ」と書いてあるのを見ると,とてもうれしくなる.その期待に応えられるよう,さらには,地域に密着した第2病院の特性を生かしたリハ医療を展開できるよう,今年もがんばりましょう.
次なる計画は,リハ医が病棟になるべく顔を出す.そう,発症早期のベッドサイドリハについて行くことである.