内部障害のリハビリテーション:腎不全への効果と作用機序

東北大学大学院医学系研究科機能医科学講座内部障害学分野教授
上月正博先生

わが国の慢性腎不全透析患者数は急激に増加し、2006 年末には26 万人、総人口の0.2%を突破した。透析は著しい延命効果をもたらしたが、心不全や低血圧などの合併症の発生や運動耐容能などにより、QOLが低下することが少なくない。「腎不全のリハ」は、このような透析患者に対して、運動耐容能やADL・QOLの向上など有益な効果をもたらす。さらに、透析にいたらない腎不全においても、運動療法の腎保護作用やその機序が明らかになってきた。今回は、重要度の増している「腎不全のリハ」の最新知見を初学者にもわかりやすく紹介する。