脊椎・脊髄、股関節、膝関節、手の外科、リウマチ等の諸分野で、指折りの整形外科医をそろえて診療にあたります、藤田保健衛生大学整形外科です。

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▼教室が開催する予定学会
▼厚生労働科学(長寿科学)研究 「膝痛の診断・治療に関する調査研究 -関節マーカーを用いた早期診断と予後予測の確立に関する研究-」について
▼ホームページが新しくなりました
▼筋肉を温存した低侵襲脊椎手術をご紹介いたします

教室が開催する予定学会



厚生労働科学(長寿科学)研究

「膝痛の診断・治療に関する調査研究 -関節マーカーを用いた早期診断と予後予測の確立に関する研究-」について

山田治基が研究代表者となり、平成20年より3年間にわたり厚生労働科学(長寿科学)研究の一環として、上記の研究が行われました。本研究に参加された研究者は以下の通りです。変形性関節症は高齢者の膝や股関節の機能障害となる最大の疾患であり、本邦には1000万人以上の罹患患者がいると考えられています。本疾患では、軟骨の破壊がおこりますが、いったん破壊された軟骨を再生することは現在の医学では極めて困難とされています。よって、変形性関節症は末期となる前の早期に診断することが必要です。本症の診断には、単純X線、MRIなどの画像診断が主に行われていますが、これらの画像診断は既におこった関節の変化を後追いでとらえているにすぎません。血液や尿などには関節軟骨が破壊される際に、漏れ出てくる物質が微量、存在します。これらの物質を精密に測定することによって、今は病気がなくても、将来、変形性関節症をおこしてくる患者様を判別することが可能になると考えられています。我々の研究では既に変形性関節症を起こしている患者様の中で、COMPという血中のマーカーが高い患者様は、その2年間のうちに病気が進行する可能性が高いことがわかっています(図2)。将来的には、複数のマーカーを使用して、診断精度を高めることが可能になり、健康診断などの際に気軽に利用できる診断法になると期待されています。

研究代表者

山田治基(藤田保健衛生大学整形外科 教授)

研究分担者

石黒直樹(名古屋大学整形外科 教授)
馬淵昭彦(東京大学大学院医学系研究科人類遺伝学分野 准教授)
宗田 大(東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科運動器外科学 教授)
岩崎倫政(北海道大学整形外科 准教授)
福井尚志(国立病院機構相模原病院臨床研究センター、病態総合研究部長)
阿久根 徹(東京大学医学部附属病院臨床運動器医学講座 准教授)

図


ホームページが新しくなりました

2014年6月・ホームページを更新しました


筋肉を温存した低侵襲脊椎手術をご紹介いたします

2005年7月10日付の中日新聞に取り上げられた新しい手術法

頚椎症、頚部椎間板ヘルニア、頚椎後縦靭帯骨化症などの病気では、脊髄が首の部分(頚椎)の骨や椎間板で圧迫されて手のしびれや運動障害、歩行障害が出現します。放置しておくと箸がつかえなくなったり、ひとりで歩けなくなったり、ひどいときには自分の力で排尿することさえできなくなることもあります。ひとたび神経症状が進行し始めると、内服による治療ではむずかしく、神経の圧迫を取り除く手術が必要になることが多い病気です。

頚椎での神経の圧迫を除去する手術法はこれまでにもいくつか考えられ、報告されてきました。これまでの手術方法は頚椎の筋肉や骨への侵襲がとても大きく、術後にがんこな首の痛み(軸性疼痛)が残ったり、首の動きが悪くなって普段の生活に支障をきたしてしまう例が多くありました。

図 東京歯科大学市川病院の白石建教授は、これらの問題点を解決するために頚椎の筋肉をできうるかぎり温存して神経の圧迫を除去する選択的椎弓形成術(せんたくてきついきゅうけいせいじゅつ)を開発しました。この手術法は手術用顕微鏡を使用して頚椎後方の筋肉を傷つけることなく、必要な範囲の圧迫を確実にとりさることを可能にし、2005年7月10日付の中日新聞でも取り上げられました。従来の手術法に比較すると技術的にも難しく、特殊な手術器具を使用するためまだすべての病院でこの手術が取り入れられているわけではありません。

藤田保健衛生大学整形外科では中井教授と志津講師がこの選択的椎弓形成術に注目し、白石先生より直接的な指導をうけ2002年よりこの手術を行っています。また2003年より当大学に勤務している谷戸講師は白石教授とともに選択的椎弓形成術を開発したメンバーの一員であり、この術式の継承者のひとりです。

藤田保健衛生大学整形外科を含めた複数の施設においてこれまでに行われた選択的椎弓形成術 の治療経過を詳細に検討した結果、術後の合併症は従来法に比較するとあきらかに低くなっていることがわかりました。この結果は2005年6月に開催された日本脊椎脊髄外科学会において谷戸講師により発表され、優秀学術展示賞を受賞しました。

もちろんすべての頚椎の病気に対してこの手術法が適応されるわけではありませんが、若年者から高齢者まで広く適応される術式です。詳しい内容をお知りになりたい方は当科脊椎外来にてご相談ください。