脊椎・脊髄、股関節、膝関節、手の外科、リウマチ等の諸分野で、指折りの整形外科医をそろえて診療にあたります、藤田保健衛生大学整形外科です。

治療内容のご案内 骨軟部腫瘍班

腫瘍班は平成15年4月に骨軟部腫瘍の診断と治療、他の内臓原発がんの骨転移に対する治療を主な目的として新設されました。骨軟部腫瘍とは骨組織や筋肉や脂肪などの軟部組織に生じた腫瘍を総称した名称です。また骨組織と軟部組織に生じた腫瘍を分けてそれぞれ骨腫瘍、軟部腫瘍と言います。それぞれ良性腫瘍と悪性腫瘍に分類され、 悪性腫瘍が骨組織と、筋肉、脂肪、神経、血管などの軟部組織から原発したものを肉腫と呼びます。 我々は、これら疾患に対し早期より関与し、迅速かつ適切な診断に基づき、確実で持続的な治療を積極的に行っております。

診断と治療

骨軟部腫瘍の診断は、まず視診、触診などの臨床所見と、骨腫瘍、軟部腫瘍に応じて単純レントゲン、MRI、CT、シンチグラフィーや、最近ではFDG-PET-CTといった画像診断を行い、これらの診断情報を基に顕微鏡を用いた病理組織学的診断にて最終診断を行います。病理組織学的診断は、それぞれの腫瘍に応じ麻酔下に吸引細胞診、針生検、直視下での切開生検、切除生検によって行います。生検によって得られた検体は、個々の患者様に対し術前、術後に病理診断科と臨床的・組織学的に検討行い、正確な診断と治療を行うことを心がけております。また、近年、軟部腫瘍に対する遺伝子レベルでの解析が進んでおり、滑膜肉腫やEwing肉腫などで遺伝子異常が確認されており、これらの検出が病理組織診断において非常に有用となってきています。

悪性腫瘍(肉腫)の治療法の基本は原発の腫瘍を局所的に完全にコントロールすることです。それには正しい診断に基づく安全な切除縁での腫瘍広範囲切除手術が最も重要となります。また、症例によって切除手術によりできた広範囲の軟部、骨欠損部に対し、軟部欠損であれば皮弁術や植皮術を、骨欠損であれば人工関節置換術など様々な補填材料を用いた再建術が必要となります。さらに、肉腫の治療は局所での再発だけでなく、他の臓器に病気が出現(転移)する危険性があるため、手術だけでなく、抗がん剤による化学治療が必要な場合もあります。特に悪性度が高い腫瘍や化学療法の効果が期待できる腫瘍では手術前に化学療法を行い、また術後にも転移の予防目的に化学療法を行います。その他、良性腫瘍の場合は、掻爬や切除術が、良性軟部腫瘍では切除や摘出術を行います。また、我々は悪性腫瘍切除後における骨欠損に対し、東海骨バンク(愛知骨軟部組織移植振興財団)より同種骨の供給を受け積極的に用いております。これは将来的に自分の骨に全て置換され得る骨補填材料であり、当科でもこれまで約60例に使用しており、良好な治療成績を得ています。