
胃は食べ物を一旦貯蔵し、消化吸収のための準備を行うところです。
胃の壁は、食べ物を混ぜるために厚い筋肉で作られています。また内側は、粘膜という柔らかい組織でおおわれています。粘膜からは胃酸と消化酵素を含む胃液が出ますが、胃自体が消化されてしまわないように粘膜を保護する粘液も出てきます。
当科で主として加療させていただいている疾患のひとつが胃癌です。胃癌の手術治療は様々ありますが、基本的には病巣を含めた胃とその周囲のリンパ節を取り除きます。代表的な手術療法は、胃の約2/3を切除する“幽門側胃切除術”と、胃をすべて切除する“胃全摘術”があります。標準的には、ともに胃の周囲に存在するリンパ節も取り除きます。
切除する胃の大きさ、またリンパ節を取り除く範囲は、癌の大きさ、リンパ節転移の有無などによって決まってきます。
胃を切除した後に、食べ物の通り道を作り直します。幽門側胃切除術の場合は、残った胃と十二指腸または空腸と縫ってつなぎ合わせます。胃全摘の場合は。食道と空腸でつなぎ合わせ再建します。
我々はこれらの手技を、基本的には腹腔鏡下にて行います。腹腔鏡下手術とは、1~2cmの傷を数ヶ所つくり、そこからカメラ、マジックハンドのような鉗子という手術器具を用いて手術を行ないます。従来の開腹手術のような大きな傷がないため、術後創部痛は軽度であり、回復も早いといわれています。ただし、直接手で触れることができないため、手技としての難易度は高くなります。
胃癌に対しての加療は手術だけではありません。我々は化学療法も積極的に行っております。進行胃癌の方には術前にも化学療法を行いますし、必要であると判断した場合には、術後にも化学療法をしております。 |