抄録2-1

H.23.10.22 第2回東海血管炎研究会

シェーグレン症候群に伴うニューロパチーの病態と治療

小池 春樹
名古屋大学医学部神経内科


【目的】
 シェーグレン症候群は眼・口腔乾燥を主徴とする臓器特異的自己免疫疾患で,涙腺や唾液腺に
高度のリンパ球浸潤を認め,それによって外分泌腺の機能が障害される.末梢神経障害はその
主要な合併症の一つであり,これまでに多彩な臨床像が存在する.今回,シェーグレン症候群に
伴うニューロパチーの臨床病理像と病型別の治療反応性に関する検討を報告する.

【対象および方法】
 1999年の厚生省特定疾患免疫疾患調査研究班と2002年のAmerican-European Communityに
よる診断基準を満たしたシェーグレン症候群に伴うニューロパチー 92例(男性16例,女性76例)の
臨床所見,病理所見,治療反応性を検討した.

【結果】
 ニューロパチーの発症年齢は平均54.7歳であった.病型はsensory neuropathy 54例(ataxic
neuropathy 36例,painful neuropathy 18例),multiple mononeuropathy 11例,cranial
neuropathy 20例(multiple cranial neuropathy 5例,trigeminal neuropathy 15例),
autonomic neuropathy 3例,radiculoneuropathy 4例であった.Ataxic neuropathyとpainful
neuropathyの剖検例の検討では,両病型ともに,後根神経節と交感神経節のCD8陽性細胞有意の
リンパ球浸潤と神経細胞脱落を認めた.治療に関する検討では,multiple mononeuropathyとmultiple
cranial neuropathyはステロイド治療が,painful neuropathyは免疫グロブリン大量療法が,
radiculoneuropathyは免疫グロブリン大量療法とαインターフェロン療法が有効であった.

【考察】
 シェーグレン症候群に伴うニューロパチーには多様な病型が存在し, 病型ごとに治療反応性が
異なることが明らかになった.

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