齋藤 竹生   
精神神経学雑誌 120(5) 416-420 2018年5月
クロザピンは治療抵抗性統合失調症の治療において有用であるが,一方で重篤な副作用である無顆粒球症を引き起こす.そこでわれわれはクロザピン誘発性無顆粒球症に関連する遺伝的因子の同定を目的とし研究を行った.まず,日本人のクロザピン誘発性無顆粒球症患者と顆粒球減少症患者を合わせた無顆粒球症・顆粒球減少症患者群50人と日本人健常対照者群2,905人について全ゲノムSNP解析を行った.その結果,有意水準を下回るP値を示すSNPが4つ同定され,すべてが6番染色体のHLA領域に位置していた(rs18006...