学科概要

最先端医療の現場で患者に寄り添える技術者を育成する

臨床工学科 学科長 日比谷 信

本学は、東海地区で最も長く臨床工学技士を養成してきた学校の一つです。
医学・医療を専門とする本学の強みを活かし、充実した基礎医学・臨床医学教育をベースにして、専門知識と基本的技術を学び、根拠に基づいた医療(EBM)はもちろんのこと、最先端の医療にチームの一員として携わることができる臨床工学技士を育成してきました。
医療機器の操作は、患者の病態を把握できていなくてはなりません。そのために、まずは人のからだをしっかりと学びます。その学びを論理化(工学的思考)し、最適な機器の選択、最適な機器操作へとつなぐことができます。
この学修は3年次以降に行われる臨床実習で大きく実をつけることになります。本学の臨床実習は、日本最大級の病床数をもち、最新鋭の医療機器を用いた医療が行われる藤田医科大学病院と藤田医科大学ばんたね病院で行われ、そこに所属するエキスパートから、そして患者から学ぶことができるからです。
卒業生のほとんどは、全国各地の基幹医療施設で臨床工学技士として、また、一部は、臨床工学技士養成学校の教員、医療機器企業のシステムエンジニア・サービスエンジニア(SE)などとして活躍しています。
グローバル化の現在、臨床工学技士は世界的にみても画期的な医療資格です。常に患者に寄り添い、最適で最良の技術を提供できる医療技術者を育成します。

教育目標

臨床工学科は、EBM(Evidence-based medicine, 根拠に基づいた医療)を実践するとともに、臨床工学領域の高度な教育・研究における中心的な役割を担い、最先端医療機器開発にも貢献できる臨床工学技士を養成することにより、社会に貢献することを目的としている。そのために、医療系総合大学である本学園の臨床工学教育の実績を踏まえ、臨床工学を医学と工学が融合した臨床科学分野と捉え、高度な専門知識と技術力を有するハイレベルの臨床工学技士育成のための教育を目指す。
  1. 医療に携る者として、患者中心の医療を体得するとともに、チーム医療を担える協調性と責任感を涵養する。
  2. 医療人に必要な幅広い教養と知識、コミュニケーション能力及びプレゼンテーション能力を体得する。
  3. 安全で確実な医療を実行するため臨床工学の専門領域に関する幅広い知識と技術を修得する。
  4. 定量的かつ客観的な分析手法を実践するために必要な理工学的専門知識および病態把握のための医学的知識を修得する。
  5. 自己の知識・技術や能力を点検・評価し、生涯学び続ける姿勢を堅持する。

アドミッションポリシー

  1. 高校で学ぶ理科系科目、特に人の生命や機能、電気・電子製品、機械システムの動作を理解できる人
  2. 物事を探求する好奇心があり、多面的な思考力がある人
  3. 積極的な学びの姿勢を持つ一方、慈しみに溢れ、協調心を持った人
  4. 広い視野、豊かな表現力とコミュニケーション能力が身についている人
  5. 自己研鎭の意欲があり、自制心を身につけている人

カリキュラムポリシー

藤田医科大学医療科学部のカリキュラムポリシーに基づき、臨床工学科では医学系と工学系知識の融合を基盤として、高い専門性と倫理性を兼ね備えた臨床工学技士を養成するため、以下のような方針に基づいて教育課程(カリキュラム)を編成しています。
  1. 医療従事者として求められる幅広い教養と知識を身につけた人材を育成する。
  2. 患者中心の医療を体得するとともに、チーム医療の一員を担える協調性と責任感を身につけた人材を育成する。
  3. 医療機器の操作において定量的かつ客観的分析手法を実践するために必要な医工学専門知識および病態把握のための医学知識を身につけた人材を育成する。
  4. 安全で確実な医療を実行するための臨床工学の専門領域に関する幅広い知識と技術を身につけた人材を育成する。
  5. 医療人に必要なコミュニケーション能力、疑問や課題を自ら探究・解決する能力を身につけた人材を育成する。

ディプロマポリシー

藤田医科大学医療科学部のディプロマポリシーに基づき、臨床工学科に4年以上在学し、授業科目により卒業要件を満たす単位を修得したうえ、卒業試験を合格した学生に『学士(臨床工学)』の学位を授与します。
卒業試験は、下記の能力が身についていることを総合的に判断するものです。よって、臨床工学科を卒業し、学位を授与された学生は以下の能力を修得している事になります。
  1. 臨床工学技術領域に従事するために必要な知識・技能を身につけている。
  2. 臨床工学技士国家試験に合格できる学力を身につけている。
  3. 安全な医療を行うために医学知識と工学知識を統合して判断できる。
  4. 国際社会のニーズにも対応し、生涯学び続ける姿勢を堅持できる。
  5. 高い倫理観を基盤とした豊かな人間性を身につけ、他の医療職と協働してチーム医療に貢献しようとする意思をもつことができる。
  6. 臨床工学技士に相応しい高い専門性と研究能力を備え、医学の進歩と地域・社会福祉の向上に寄与することを目的に、未来を指し示すリーダー力を備えている。