活躍する先輩紹介

森 奈緒美さん(2015年卒業)

血液浄化センターでの維持透析や血漿交換、悪玉コレステロールを除去するLDLアフェレーシスなどの業務を担当。その際、医師や看護師と円滑にコミュニケーションできるのは、大学のアセンブリ教育のおかげです。腎臓移植のための血漿交換によって、患者さんの新しい人生を応援できることは何よりもうれしいこと。生命の尊厳に関わる業務を担い、患者さんから感謝の声を聞けることにやりがいを感じます。まずは今の業務を完璧にし、いずれは救急医療のエキスパートになることが目標です。

野村 咲さん(2014年卒業)

主に透析業務と医療機器管理業務に携わっています。透析業務については通常の人工透析に加え、工学的観点からさまざまなモニタリングをおこなうことで透析治療にアプローチしています。
例えば、身体組成分析装置という機器を使用して患者さんの体内水分量の評価をおこない、より良い透析の治療条件が提供できるように日々努めています。ほかにも、パソコンやIT技術を活用して業務の効率化や医療事故防止にも取り組んでいます。今の仕事は医師や看護師、栄養士など、さまざまな職種の方々と意見を交わす機会が多く、大学時代のアセンブリで培った経験が活きています。

職場では、つねに新たな知識が必要になってくるため、定期的に勉強会が開催されています。毎回内容が異なり、とても勉強になります。さらに今後は日本透析医学会などの学会発表にも積極的に参加していきたいです。

清水 弘太さん(2013年卒業)

藤田医科大学病院 勤務 清水 弘太さん
2013年卒業

血液浄化センターで主に透析業務をおこなっています。また透析装置による治療以外にも、特殊血液浄化療法といって血漿交換など、さまざまな治療法がありますので、それらも先輩にお願いして一緒にやらせてもらっています。さらに勤務後には勉強会と、忙しい毎日を送っています。勉強会は新たな透析装置の操作法から新薬の情報まで、幅広い分野の会に参加するよう心がけています。大学時代におこなわれた臨床実習では、教科書だけではわからなかったことを臨床の現場で実感。それまで「点」と「点」だった座学の知識が、実習によって「線」でつながっていくのを感じました。今後はME管理室での人工呼吸器などの保守点検や、ICUでの血液浄化も担当する予定です。先輩たちに比べて、まだまだ作業が遅いので、もっとスピーディにできるよう経験を積みつつ、今後は透析技術認定士の資格にもチャレンジしたいです。

後藤 健宏さん(2012年卒業)

小児の先天性心疾患に対する治療経験を積み、体外循環技術認定士の資格を取得。体外循環に関する研究を国際学会で発表し、大学院にも進んで研究を続けています。現在はアンギオ室でカテーテル検査や治療を、救命救急センターで生命維持管理装置などを担当。医療機器だけを見るのではなく、その先にいる患者さんを診るために、温かい心を持ち続けたいと思っています。医療界では大学の先輩方が大活躍しており、追いつけ追い越せで医療の世界の最先端を走り続けていきたいです。

柴田 真志さん(2012年卒業)

臨床工学技士として幅広い業務を担当しています

父が臨床工学技士でしたので、父を通して仕事の内容について知り、自分もなりたいと思うようになりました。そして高校3年の夏に藤田保健衛生大学のオープンキャンパスに参加したとき、学ぶ環境が整っていることを実感し、入学を決意しました。また国家試験の合格率が非常に高いことも決め手のひとつになりました。
現在、主に心臓ペースメーカなどの植込みや外来チェックといった不整脈業務、冠動脈造影や心臓内腔圧を計測し治療する心臓カテーテルの検査業務、ICUに入院されている新生児から成人までの患者さんの人工呼吸器の保守・管理業務などをおこなっています。ほかにも急性期の患者さんに対して血液浄化療法としての血漿交換なども担当しています。

医療の進歩に合わせて日々の勉強が大切です

大学時代の電気・電子工学に関する授業を通して、ペースメーカなどの電池の特性を知ることができました。また大学病院での臨床実習では、他の病院実習では見ることができないような特殊治療を学ぶことができ、現在の職場でも大変役立っています。もちろん、4年間で身につけた知識や技術だけでは、まだまだ足りません。医療機器自体も常に進歩し、最新の技術が組み込まれていくため、日々の勉強が大切です。そのためにも1か月に1~2回ほど、院外の勉強会にも積極的に参加しています。他院での業務方法や取り組みなど、自分の知らない知識を得ることができ、とても良い刺激になっています。

人と話すことと、機械操作が好きな人にはおすすめです

就職後、2件の学術発表をしています。これまでの急性期血液浄化業務での経験をもとに、先輩にアドバイスしてもらいながら何とか形にすることができました。発表をすることで知識が格段に増えるとともに、人前で話すことによりプレゼンテーション力も上達しました。当面の目標は、透析技術認定士の資格取得です。さらに将来的には、人工心肺業務や、頻脈性の不整脈を心臓の電気回路を焼灼して治療する「アブレーション」という業務にも携われたらと考えています。

臨床工学科は、人と話すことと、機械を操作することが好きな人にはおすすめです。臨床工学技士の知名度はまだまだ低いですが、面白く、やりがいのある仕事です。

小栗 早智さん(2012年卒業)

チーム医療の一員として厳しくも充実した日々

臨床工学技士の仕事はいくつかありますが、私が現在担当しているのは、主に透析業務と医療機器の管理です。ようやく最近、手術室に入り人工心肺装置を扱えるようになりました。経験を重ね、少しずつですが業務の内容や範囲が広がっています。小牧市民病院はチーム医療に力を入れている病院で、透析業務もその一つ。医師や看護師とともに透析患者さんの治療をおこないますが、私たち臨床工学技士は、医師や看護師などの間に立ち、橋渡しをおこなう存在だといえます。そこで大切になるのは、患者さんからだけではなくチーム全員からの信頼。医師や看護師がなにを求めているのかが理解できなければ、適切な処置ができないうえに信頼も得られません。臨床に出て日が浅いということもあり、わからないことも多いのですが、幸い、みなさん厳しくも温かく指導していただき、とてもありがたく感じています。

クラスメイトや先生に支えられ人の大切さを学んだ

大学は、学科自体が少人数だったため、みな仲がよく、互いに助け合いながら試験や実習を乗り越えてきました。先生方も非常に熱心で、学習環境の面で不安はありませんでした。卒業論文では、透析によってアルツハイマー病の原因となる物質を取り除くというテーマを取り上げました。もともと関心のあった透析とも関連があり、実験自体も楽しかったため、やりがいを感じながら取り組んだことを覚えています。勉強以外にも部活などを通じて多くの仲間と出会ったことを考えると、人の大切さを学んだ4年間だったと改めて思います。

各部署で多くのことを吸収し4年後には認定資格取得が目標

病院によっては、手術室と透析業務の受け持ちがわかれているところもあります。しかし、小牧市民病院では1年目からローテーションによって各部署を経験することができます。日々、さまざまな業務にあたるうちに、学生時代に学んだことと臨床がようやくつながってきました。当面は、大学で得た知識をベースに多くのことを吸収しながら、すべての業務を最低限こなせるようになることが課題です。また、医師がアドバイスを受けにくるくらい、知識が豊富な技士になることも目標です。そのためにも、4年後には認定資格を取得して、より専門的な立場から仕事をおこなえるようになりたいと思います。

藤田 峻佑さん(2012年卒業)

工学部出身者よりもスムーズに 仕事を始められました

株式会社スズケン 勤務
藤田 峻佑さん 2012年卒業主

現在は主に心電計の設計業務をおこなっています。心電計は、動作検証などの評価が必要になります。そのため評価項目を設定し、社内で臨床実験を繰り返しています。開発職として採用された社員は、ほとんどが工学部の出身者です。
私は臨床工学科で、心電計の読み方や電子回路について学び、大学病院の実習で実際にどのように心電計が使われているのかを間近で見学してきたため、工学部出身者よりも医療の知識がありスムーズに仕事を始めることができました。また、開発業務内容によっては海外企業と連携をとることがあります。英語や技術力にまだ不安はありますが、新たなことに挑戦できてとても充実しています。
併設する大学病院での実習など、臨床工学科では将来のビジョンを描ける機会がたくさんありました。医療の世界で力になりたいと思っている方には、ぜひ一度考えてみてほしい進路です。

齋藤 優太さん(2012年卒業)

医療機器を操作するだけじゃない
患者さんの気持ちを考えて行動する仕事です

藤田医科大学病院 血液浄化センター勤務
医療科学部臨床工学科 2012年3月卒業

この仕事の魅了・やりがい

臨床工学技士の仕事は、医療の現場で使われるさまざまな機器の操作と、普段からの点検・保守。扱う機器によっては血液浄化センターだけでなく、ICU(集中治療室)や手術室など、病院内のあらゆる場所で仕事をしています。
私が仕事で最も気をつけているのは、清潔で、確実かつ、迅速に作業をおこなうということ。医療機器の多くは患者さんの生命に直結していますから、絶対にミスがないようにするのは基本中の基本。また夜勤があるため、時には緊急を要する患者さんの処置に立ち会うこともあります。
どんな状況でも慌てることなく、チーム医療の一員として医師や看護師などと連携し、患者さんの治療にあたるように心がけています。

私の学生時代!

私は藤田保健衛生大学の医療科学部臨床工学科の第1期生でした。
先輩がいない分、自分たち全員で頑張ろうという意識が強く、先生方はとても教育熱心でした。分からないことは分かるまで時間をかけ、丁寧に教えていただいたことが印象に残っています。
また隣接する大学病院で多くの実習を体験できたことも勉強になりました。毎回、実習中に臨床工学技士の先輩によるミニ講義が開かれ、実例を見ながらさまざまなことを教わりました。臨床工学技士は工学系の勉強だけでなく、生物学や生理学など、実に幅広い内容を学びます。
授業で聞いたことを病院実習の場で体験し、確実に自分の知識やスキルにすることができました。

業界ココだけ話!

臨床工学技士というと、医療機器を操作する仕事というイメージが強いと思いますが、実際は患者さんとお話しする機会も多いのです。
特に血液浄化センターでは、患者さんは4時間以上もベッドでじっとしていなくてはなりません。そんな患者さん方の気持ちを考えて、血圧の安定に気を配るとともに何気ない会話をかわし、緊張を和らげるのも私の仕事です。
また、この仕事は常に動き回りますし、ベッドの患者さんの向きを変えることもありますから、体力も必要です。臨床工学技士をめざす人は、普段から運動をすることをお奨めします。私も休日には近くのプールに出かけて体力の維持に努めています。