第 59 回日本リハビリテーション医学会中部・東海地方会学術集会ならびに専門医・認定臨床医生涯教育研修会


日 時

2026 年 9 月 5 日(土)


会 場

名古屋市立大学病院 中央診療棟 3 階 大ホール名古屋市瑞穂区瑞穂町川澄 1


日本リハビリテーション医学会中部・東海地方会

事務局:藤田医科大学医学部リハビリテーション医学講座内

学術集会


般演題 8:30 - 10:45


座長 岡田整形外科内科 山口英敏 1.外来通院高齢患者におけるビタミン D 充足状況と欠乏関連因子の検討

大雄会第一病院リハビリテーション科佐藤 健


ビタミン D ⽋乏は筋⼒低下や⾝体機能低下との関連が報告されている.本研究では,外来通院⾼齢患者におけるビタミン D 充⾜状況と⽋乏関連因⼦を検討した.2023 年 4 ⽉〜2026 年 3 ⽉に豊⽥市⽴⼄ヶ林診療所で⾎清 25(OH)D を測定した 65 歳以上 79 例を対象とした.

充⾜例は 5 例(6.3%),⽋乏例は 51 例(64.6%)であった.単変量・多変量解析で有意な関連因⼦は認めなかったが,歩⾏補助具使⽤との関連が⽰唆された.


  1. 頸髄損傷後の難治性肩痛に対し中斜角筋由来の筋筋膜性疼痛と鑑別しトリガーポイント注射が奏功した一例

    大雄会第一病院リハビリテーション科

    2 大雄会第一病院リハビリテーションセンター

    1 真野伶奈,1 木村隆文,1 江崎貞治,2 東 久也,2 齊藤悠太,2 長崎晴香


    55 歳男性.C5 頚髄損傷後の不全⿇痺に対し回復期リハビリテーションを開始したが,離床時の右肩痛(NRS10)のため訓練継続が困難であった.神経障害性疼痛を想定した治療は無効であったが,ポジショニングおよび頚部リラクゼーションで疼痛軽減を認めたことから,中斜⾓筋由来の筋筋膜性疼痛を疑いトリガーポイント注射を施⾏した.疼痛は NRS3 まで改善し,離床が促進された.脊髄損傷後疼痛では筋筋膜性疼痛を鑑別し,多職種で病態を評価することが重要と考えられた.

  2. 高齢者の歩行時の足関節アライメントを動的に矯正するインソール型アシスト装置の試作と報告

    1 岐阜大学医学部リハビリテーション科

    2 明治大学理工学部 電気電子生命学科

    1 高津吉史,2 伊丹 琢,1 青木隆明


    ⾼齢者の膝変形性関節症(OA)の有病率は⾼い.今回膝 OA 患者の歩⾏時の⾜関節アライメントをセンサーとモーターを⽤いて動的に矯正するインソール型アシスト装置を試作し た.膝 OA 患者 6 名が参加し⾜関節アライメントの矯正効果を検証した.2 名で統計的に有意な矯正効果が確認されたが,グループ全体としては有意差に⾄らなかった.装置の実⽤性や,⻑期的な歩⾏安定性への寄与について今後も開発検討を要する.


  3. 肩関節インピンジメント患者の骨頭求心性の再獲得を目的としたリハビリ装置の開発

    岐阜大学医学部リハビリテーション科

    野中春葉,青木隆明


    肩関節インピンジメント症候群は,⾻頭求⼼位からの逸脱が原因で疼痛を⽣じる疾患であ り,この求⼼位を再獲得するためには肩関節の継続的な内旋運動が効果的である.今回⾻頭求⼼位を維持しながら内旋運動を誘導するリハビリテーション装置を開発し,インピンジメントを伴う患者を対象とした臨床試験を実施した.その結果,⾻頭求⼼性を維持した運動が実現され,また訓練後にはインピンジメントテストの陰性を認め,装置の有効性が実証された.

    座長 岩砂病院・岩砂マタニティ 森 憲司


  4. 脳出血の急性期における機能改善と回復期の機能改善の相関性の検討

    名古屋医療センター脳神経内科両角佐織,二上和也,小林 麗


    【⽬的】脳出⾎患者において急性期病院と回復期病院での機能改善が相関するかを検討す る.また急性期の機能改善が不良であった症例の回復期病院での機能改善に寄与する因⼦を検討する.【⽅法】対象は 2022 年 1 ⽉〜2024 年 12 ⽉に⼊院した急性期脳出⾎患者で地域

    連携パスにて転院した症例.【結論】急性期病院でのΔNIHSS 及び回復期リハビリテーション病院での FIM 利得に相関は認めなかった.急性期に改善が乏しく回復期病院で改善した 症例では⼩脳病変が少なかった.


  5. Lennox-Gastaut 症候群による難治性てんかんに対して手術加療された後にリハビリテーションを行った一例

    藤田医科大学医学部リハビリテーション医学講座榊 勇人,稲垣良輔,松浦大輔,大高洋平


    40 代男性. Lennox-Gastaut 症候群による難治性てんかんに対して脳梁離断術を施⾏し,術後に脳室内出⾎,髄膜炎を発症した.術後 85 ⽇⽬にリハビリテーション病棟に⼊棟したが,2分未満の両側性強直発作が頻発した.脳神経外科と密に連携し,迷⾛神経刺激療法(VNS)が実施され,発作持続時間は有意に短縮した.装具療法,家屋環境調整を⾏い,⾃宅退院となった.疾患管理ならびにリハビリテーションの経験について報告する.

  6. 重度廃用症候群を呈したハンチントン病患者へのリハビリテーション介入経験

    1 名古屋大学医学部附属病院リハビリテーション科

    2 名古屋大学医学部附属病院脳神経内科

    1 中村匡孝,1 下野圭子,1 上見亮太,1 玉井花菜子,1 寺澤 慧,1 柏原 学,1 岡田陽介

    1 西田佳弘,2 伊藤大輔,2 布施絢史郎,2 勝野雅央


    【はじめに】ハンチントン病では舞踏運動・筋⼒低下・精神症状を伴い,訓練に難渋することが多い.【症例】COVID-19 感染・蛸壺⼼筋症を併発した同疾患患者が著明な筋⼒低下・舞踏運動・精神症状を来し,離床に難渋した.テトラベナジン導⼊後に不随意運動は軽減し,情動

    ⾯への配慮と⾻盤前傾を回避する⻑座位訓練を続けた結果,座位保持が可能となった.【結論】ハンチントン病患者の訓練では薬物療法のみならず,不随意運動の誘発因⼦を考慮した環境・姿勢設定の重要性が⽰唆された.


  7. 嚥下内視鏡検査,嚥下造影検査における遠隔リアルタイム指導の実現可能性の検討

    国立長寿医療研究センターリハビリテーション科 齋藤優真,加賀谷斉,尾﨑健一,牧野 稜,大沢愛子


    嚥下内視鏡検査(VE)・嚥下造影検査(VF)では,検査中に実施者が評価結果に応じて適切な判断を⾏う必要があり,経験の浅い実施者には難しい場合がある.本研究では,VE/VF 画像と患者姿勢をリアルタイムに共有し,遠隔地の専⾨家が助⾔を⾏うシステムの実現可能性を検討した.10 例で運⽤した結果,半数で何らかの通信トラブルが⽣じたが全例で遠隔指導が可能であり,実施者・指導者ともに有⽤性を⾼く評価した.遠隔指導は,嚥下検査における教育・⽀援⼿段として有望と考えられた.


  8. 肺移植後に摂食嚥下訓練を行い経口摂取に至った 2 例について

    名古屋大学医学部附属病院リハビリテーション科

    玉井花菜子,下野圭子,上見亮太,中村匡孝,柏原 学,寺澤 慧,岡田陽介,西田佳弘


    【はじめに】肺移植後に嚥下訓練を⾏った 2 例を報告する.【症例 1】56 歳男性.両肺移植後.両声帯閉鎖不全,不顕性誤嚥を認め,間接訓練を経て術後 25 ⽇⽬に⾷事再開した.

    【症例 2】45 歳男性.左⽚肺移植・気管切開後.術後合併症が多発して絶⾷管理となった が,ST による間接訓練を継続し,術後 18 ⽇⽬に⾷事再開した.【考察】肺移植後は不顕性誤嚥が⾼頻度であり VE・VF による評価の重要性が⽰唆された.また,⻑期絶⾷による廃⽤リスクが⾼い時期でも,早期の ST 介⼊が嚥下機能維持に寄与する可能性がある.

    座長 岐阜市民病院 佐々木裕介


  9. 高齢熱傷患者における入院時フレイルリスクと退院時 ADL との関連性

    1 三重大学医学部附属病院リハビリテーション部

    2 三重県立一志病院

    3 済生会明和病院

    1 野村潤子,1 清水昭雄,1 森田佳恵,2 岡島 諒,3 大西 始,1 百崎 良


    ⾼齢熱傷患者の⼊院時フレイルリスクと退院時 Barthel Index(BI)との関連性を検証するために多施設 DPC データを⽤いた後ろ向きコホート研究を実施した.対象は 2014 年 2 ⽉以降に⼊院した 65 歳以上の患者で,⼊退院時 BI が⾮⽋損の 4000 名とした.対象

    のうち 1137 名がフレイルハイリスクであった.線形回帰モデルでフレイルリスクと退院時 BI との間に負の関連性がみられた(β=-7.01,95%CI:-8.78 ‒ -5.24).


  10. 胸腹部大動脈置換術後脊髄梗塞による対麻痺に対しボツリヌス療法および閉鎖神経ブロックを行った一例

    浜松医科大学医学部附属病院リハビリテーション科

    小島 順,蓮井 誠,安田千里,高嶋俊治,佐藤知香,磯部貴之,鈴木麻千子,冨田浩平山中健心郎,山内克哉


    80 歳代男性.近医にて胸腹部⼤動脈瘤を経過観察中に Stanford B 型⼤動脈解離を発症し,当院⼼臓⾎管外科で保存的加療後,動脈瘤拡⼤に対して胸腹部⼤動脈置換術を施⾏された.術後に脊髄梗塞を発症し,T12 AIS C の対⿇痺および下肢痙縮を呈した.回復期病院退院時には基本動作および ADL は全介助であり,痙縮コントロール不良と考えられ,痙縮治療⽬的に当科へ紹介となった.ボツリヌス療法後,⼀時的に ADL の向上を認めたが,その後痙縮が再増悪したため,フェノールによる閉鎖神経ブロックを施⾏した.治療後,股関節外転のMAS は 1+/2 から 1/0 へと軽減し,股関節伸展可動域の拡⼤に伴い,下⾐更⾐,排便動作,⾃動⾞移乗などの ADL の向上を認めた.脊髄梗塞後対⿇痺に対する痙縮治療およびリハビリテーションについて報告する.

  11. リハビリテーション科医による認知行動療法を用いた就労支援

    ―ひきこもり傾向の若年女性へのアクセプタンス&コミットメント・セラピー—

    ひよこ会はとりこどもクリニック太城良子


    ひきこもり傾向のある 20 代⼥性に対し,リハビリテーション科医が第 3 世代認知⾏動療法であるアクセプタンス&コミットメント・セラピー(ACT)を導⼊し,⼼理的葛藤を抱えたままでも価値に沿った⾏動を選択できるよう⽀援した.嫌な感情を避けることを中⼼とした

    ⽣活から,散歩や就労⽀援センター通所などの⾏動活性化が進み,就労に⾄った.⾃然回復の影響は否定できないが,リハビリテーション診療の場⾯で,当事者の⾏動変容を⽀援する

    ⼀つの⼿段になりうることが⽰唆された.


  12. 頚椎術後の早期嚥下機能低下に対する低 BMI の影響

1 信州大学医学部附属病院リハビリテーション科

2 信州大学医学部附属病院整形外科

吉村智樹 1,池上章太 1,2,石田ゆず 1,長峰広平 1,宮岡嘉就 1,2,堀内博志 1,2


頚椎術後の嚥下障害は前⽅アプローチによる機械的合併症と⾒なされてきたが,後⽅⼿術後も嚥下機能低下を認めることがある.そこで頚椎⼿術を受け,術前および術後 3 ⽇以内に RSST(反復唾液嚥下試験)が実施された患者 47 例を後⽅視的に検討した.RSST の中央値は術前 5 回から術後 4 回へ低下した(p<0.001).逆確率重み付け(IPTW)調整後,BMIが 22 kg/m²未満であることは,術後の RSST の悪化と有意に関連していた(オッズ⽐ 5.2, 95%信頼区間 1.47‒18.1,p=0.011).頚椎⼿術の侵襲が,低 BMI 患者の潜在的な嚥下機能の脆弱性を顕在化させる可能性があることが⽰唆された.

総会

12:50 - 13:00

専門医・認定臨床医生涯教育研修会「講演 1」の後,総会を行います.ぜひご参加ください.



講演1

専門医・認定臨床医生涯教育研修会

特別講演 11:00 ‒ 12:00,13:00 ‒ 14:00

“やる気がない患者”は本当にいるのか? -リハビリテーション医療を再定義する動機づけ面接の視点


講演2

リハビリテーション医療の様相

原井クリニック 原井宏明

司会:大雄会第一病院リハビリテーション科 木村隆文


埼玉県総合リハビリテーションセンター神経科 先崎 章

司会:大雄会第一病院リハビリテーション科 木村隆文


◎日本リハビリテーション医学会専門医・認定臨床医認定単位について

地方会学術集会:学会参加は専門医 1 単位,認定臨床医 10 単位 発表筆頭演者は専門医 1 単位,認定臨床医 10 単位

参加費:1,000 円


生涯教育研修会:1 講演毎に専門医 1 単位,認定臨床医 10 単位受講料:1 講演毎に 1,000 円

認定単位非取得者は単位数に関係なく受講料 1,000 円


◎認定臨床医資格要件

認定臨床医認定基準第 2 条 2 項 2 号に定める指定の教育研修会(必須以外)に該当します.

平成 19 年度より「認定臨床医」受験資格要件が変更となり,地方会で行われる生涯教育研修会も1講演あたり 10 単位が認められます.


当番幹事:木村隆文 〒491-8551 愛知県一宮市桜一丁目 9 番 9 号

社会医療法人大雄会 大雄会第一病院リハビリテーション科